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装苑賞 [2006年04月29日(土) ]

装苑賞


実はラッキーにも装苑賞の公開審査へいくことになりました。

これは始まる前の会場ですが、なんと装苑賞は今回で80回目ということ。
その記念すべき日にわたしもラッキーに日本にいて、行く機会があって、とてもよかったと思います。
良いか悪いかはおいておいて、私はロンドンでデザインの勉強をしているため、文化服装に足を踏み入れる機会は余りありませんでした。

ロンドンにいて、常々思うことは日本で服飾の学校へ行った人たちの技術の高さ。これは世界に誇れるものだと思います。なんせ、日本で文化服装などの専門学校へ行った人たちはロンドンでは重宝され、引っ張りだこです。
イギリスの良いところは自由な発想を良しとし、技術よりはアート性、デザイン性を最初に育てることをします。これもひとつのやり方です。その逆をいくのが日本の教育。技術さえあれば、想像力は表現できるというやり方。あえてどちらがいいのかはわかりませんが、これはどちらのほうが自分にあっているかだと思います。

どちらにしろ、両方なければデザインは成り立たないので、良し悪しはつけられないと思います。しかしあえていうなれば、日本の教育の手に職をもつ考え方は重宝するのです。イギリスではデザイナーはたくさんいますが、技術者は少ないからです。また日本はフラットのパターンを基準にしていますから、使いやすいという概念があると思います。
ヨーロッパの文化は立体の文化ですから今の世の中、立体でもプライベートなクライアントベースであれば稼げますが、平面のパターン技術はスキルとして持っていることは役に立つのです。

それはおいておいて、装苑賞、豪華でした。何が豪華って、副賞が…お金も魅力的ですが、いろいろなサポートがすごかったのには目を見張りました。
また名前は聞くけど、あったことはなかった有名なデザイナー先生たちを肉眼でみたのも不思議でした。
今回、高田健三さんはタイからのビデオメッセージだったのですが、他のデザイナーたちはしっかり、出席。
各デザイナー審査員が2名ずつ選び、16人が選ばれます。候補者はコンセプトを元に3アウトフィット作るのです。それをこの公開審査の場で発表。キャットウォーク形式で行われます。
賞は全部で5つ。ルームス賞、イトキン賞、装苑賞佳作2点、装苑賞です。

ここで思ったことは1つ。何を基準にこの賞を選び出すのだろうかということ。1アウトフィットはイメージが伝わりやすいと思いますが、3体となると、コンセプトが薄れたり、ずれたりする可能性大。なにかわかりやすいコンセプトの出し方や、流れがないといけないかなど、いろいろ考えているうちに始まりました。

感想を言わせてもらうと、日本の縫製技術はすごいですね。審査員席真後ろにいたので、よく見えたのですが、よくできていると思います。しかし、3体が流れあるプロセス、またはコンセプトを十二分に表現しているかというと、そうではなかったコレクションが目立ちました。びっくりしたのは実際に選ばれた人の中にはアイデアは面白かったのですが、もっとプロセスとして見れるものであったらよかったなって思うものもいくつかありました。

賞には入りませんでしたが、気に入ったのは自分の家にあるビニールを使って織物を作り、服をつくったという人の作品。これはyshにもつながりますが、私たちはリサイクルをファッションにうまく活用しているところを好んで入れている傾向があります。実際のものになるのはちょっと先かも知れませんが、コンセプトは気に入りました。その後続けて研究していってもらいたいなって思いました。

また違う意味で好きだったのは下着をコンセプトにした作品。これはわかりやすく3体のアウトフィットが意味をなしていたので、良いなって思いました。(ちなみに彼女はルームス賞をもらいました。)

休憩を挟んで、授賞式、デザイナー審査員のコメントなどがありました。
各デザイナーの人たちのコメントで気になったのは多くの人が言った難しいという感想。
確かに私もこれを決めるのは大変だと思いました。最終的にはアイデアが意表をついていて、表現されているもの、洋服としての機能もちゃんとしているもの、最後に縫製がしっかりしているものが選ばれたと思いました。

何度も審査員を経験しているデザイナー先生たちが言うには装苑賞っていうのが出てきた時点わかるといっていました。しかし、今回は形式が変わったせいもあるのか、なぜかぴんとこなかった様子。
それにしても妥当なところにちゃんと賞はいっていた思います。

今回の装苑賞を見て、イギリスと日本の違いが見えたような気がしました。
どの国でも苦労しているのは変わらないと思いますが、日本の登竜門は狭いです。その中で選ばれ、成功していく確率はまた低いのかと思います。この中でもまれる人たちはいろいろな意味で苦労し、努力しているのだと感じました。

イギリスでも狭き門ですが、技術の前にアイデア。(ベーシックな技術さえあれば)アイデアで人をひきつけ、引っ張っていく。これは違う意味の技術になりますが、立派な技術。この努力もみあげたものだと改めて感心しました。

でもやっぱり、縫製が良いほうが良い。
これからはもっと口をすっぱくしてyshのデザイナーたちに伝えていこうと思わせた装苑賞でした。

装苑の6月号にこの内容が乗るそうですよ。
チェックしてみてください。
それでは
また。

この記事のURL

http://apalog.com/yshblog/archive/95

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