先日、お台場のノマディック美術館で開催されている、
グレゴリー・コルベール氏の『Ashes and Snow』に行ってきた。
坂茂(ばん・しげる)氏による再利用されたコンテナを積み上げて創った
高さ10m広さ5,300平方メートルにもおよぶ巨大な建築物は、何と移動型の美術館だ。
サンタモニカ、ニューヨークと展示の旅を経て、やっと日本へやってきてくれたのだ。
待ちきれない気持ちを抑えて中へ足を進めると、そこは静寂と幻想の空間。
仮設建築物の外観印象からは想像がつかない空間展開に驚いた。
セピア色の写真は手漉きの阿波和紙に印刷されているため、
一枚の歴史絵画のような何とも言えぬノスタルジックな風合いがでている。
建築家の坂氏といい、阿波和紙といい、日本人の感性や伝統が
世界の人々に感動を与えているということを知り、日本という国への
敬愛の念を再確認すると同時に、自分もいちクリエーターとして何が残せるか・・・
と一喝を入れてもらったような気がした。
今年の冬は暖冬だった。春が一足早く来てくれたようで嬉しいと
素直に喜べずにいいるのは自分だけだろうか。
人間はヒトという特別は種ではなく、動物界の一員だ。
そんな自然に対する畏怖の念と謙虚さを、現代人は忘れていないか。
野生動物とヒトが飾りない崇高な姿を大自然の中にさらけ出している
写真や映像を見ると、ヒトの浅はかさや欲にまみれた体たらくを恥ずかしく思う。
作品を見てどこか懐かしさを感じてしまうのは、
きっと誰もが心のサンクチュアリを無意識にそこへ求めているからでしょう。