荒川幸二
中国生産の製品(筆者の場合は中国製ニットウェア)に携わるものには、年二回「年末」があり、「お正月」がある。すなわち、普通のカレンダー通りの太陽暦と旧暦(太陰暦)である。
“中国製餃子”が大問題となっているが、アパレル業界においても中国のプレゼンスは良きにつけ、悪しきにつけ年々増大するばかりである。今や中国は完全に「外需から内需」へ移行した感があり、無理に日本向け輸出を増やしたいと思わなくなってきている。“淘汰の三年”を迎え、今後は中国のメーカーに日本の商社やらアパレルが選ばれる、“逆選別”の時代に入ったと言えよう。
お堅い業界ニュースから入りましたが、「春節」の話です。今年は2月7日が元旦で、工場で働く人々の帰省ラッシュは1月末より始まり、2月後半までその混乱状態は続きます。
それでなくてもこの時期は毎年、納期トラブルで頭を悩ませるのに、今年は上海も50年振りという凄まじい大寒波に見舞われ、大雪により交通手段が麻痺。年末、最後の最後まで頑張ってもらって、やっとギリギリ間に合うか間に合わないかの商品が完全にアウト、見事に翌年に持ち越される納期遅れを連発してしまいました。
この時期の納期遅れは、販売サイドから見ると、いわゆる「梅春」から「春物」への転換期であり、つけている色も異なることから1ヶ月も遅れようものなら、本当に要らないんですよね。納品できないだけで済まず、その商品の売り上げ補償をどうしてくれるという、欠品交渉ももれなくついてくるから困ったものです。
そういうわけで、この業界の人間は年に二度、お正月で苦しめられます。筆者のように長く中国ビジネスをやっている人間は、すっかり旧暦で動く習慣が身についてしまい、1月に入ってからもずっと“忘年会”をやっております。世間的に見て、どう見てもまだ“忘年会”をやっているとしか思えないそうです。

もうすぐお正月で工場の沈さん、黄さんもやっと里帰りしてくれます。怒涛の如く納期交渉をしてきた相手も、ようやく不在となり、もうじたばたしても始まりません。このようなあきらめの境地に入ったとき、ようやく本当のお正月がやってきます。“新年祝!!”