2007年11月11日
荒川幸二

筆者と妻
イタリア民謡がいわゆる、カンツォーネですね。民謡ですから、それぞれに故郷があります。イタリアは1861年に「イタリア王国」として統一国家の体をなすまで、各都市国家が群雄割拠しておりました。江戸時代の「藩」と同じように、藩が国家そのものであり、藩の上に統一国家があるとはイメージしにくいものでした。
その国民性は今でも変わらず、”SERIE A”(セリエ・アー)のサッカーチームがカンパ二リズモ(おらが郷土主義)を代弁しています。イタリアの人々にとって、故郷を代表する「チーム」なり「民謡」は一大事ということです。その郷土を愛する気持ちが悪い方に向かうと、他の地方に対する激しい“排他性”となって現れます。
特にスマートな北の人々と違って、南の貧しい人々にはその思いを一層強く感じるだけに、「帰れソレントへ」とはその歌のタイトルだけで、充分哀愁が漂ってきます。ですから、近所(=Pompei)まで来たら、必ず“帰る”ようにしているんです。
Pompei(ポンペイ)から電車で30分も揺られれば、Sorrentoに着きます。すっかりヨーロッパのリゾート地として“垢抜けて”しまっていて、ポンペイの土臭さとは全く異なる雰囲気です。ソレント名物”Limoncello”(リモンチェッロ)は、レモンとリキュールの食後酒ですが、キンキンに冷やして飲むととても幸せな気持ちになれます。
ソレントで買ってきた残りわずかのリモンチェッロを飲みながら、今宵は”TORNA A SURRIENTO”「帰れソレントへ」を聴いています・・・。
「ごらん ソレントの海を!
底深くには なんとたくさんの宝があることか
世界中を旅した人でも
これほどの地を見たことはないだろう」
(訳 かわはら洋)