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2008年03月05日

「MADE IN CHINA] 今そこにある危機

荒川幸二

決して冷凍ギョーザだけでない!

中国生産の“冷凍ギョーザ”がホットな話題ですので、筆者の取り扱い繊維製品について最新情報をお届けします。今回はちょっと固いお話です。

「中国生産における六重苦について」
1.人民元の切り上げ…2005年7月21日に人民元を切り上げて以来、今日までの上昇率は8.75%であり、これは単純に100円で買えたサービスが110円と1割アップしたに等しい効果がある。食料品の値上げと賃金の値上げが追いかけっこをしています。
2.人件費の高騰…かつて日本の繊維産業が経験した労働者の移動、すなわち生産拠点の都心部から過疎地への移動、繊維産業から家電、IT産業への移動等に伴い、需給バランスにより労働者の確保が難しい=人件費が高騰している。特に日本でいう3K産業に近い分野では人材の確保が極めて難しくなっている。20%〜30%の上昇。
3.増値税還付率の減少…中国政府による輸出奨励策の見直しにより、税金の還付率が17%→15%へ減少。実質増税効果となる。
4.原材料、諸経費の高騰…オーストラリアの旱魃によるウール素材の高騰、原油高に代表される原料費一般の高騰によるコストプッシュ要因。原油米ドル100/バレル時代の到来。
5.環境対策経費増…日本の高度成長期に見られた、工場排水垂れ流しに対する規制が早くも始まりました。染色工場の汚水に対して罰金や操業停止といった重い処分で環境省が動き出しており、野放図な工場拡大には歯止め。汚水処理対策に設備投資必須であり、工場は設備投資に対する償却費を工賃に折込み、アップ要因。
6.欧州向け自主規制撤廃…2008年1月より欧州向け輸出の自主規制が解かれることにより、「納期に余裕があり、採算取りやすく、注文うるさくない=三喜」欧州に工場は目をむけ始めており、日本の百貨店アパレルのQR(クイック・レスポンス)体制は危機に面している。
以上が「六重苦」の内容です。この状況が向こう三年良くなることはなく、ある工場のオーナーいわく、「淘汰の三年」です。工場も生き残りに必死です。中国国内での製品販売に活路を見出す者、欧米市場に向かう者。案外、日本向け製品輸出で生き残ろうとする者が少なく、日本は“逆選別”を受ける時代になっていることを再度認識しないといけません。福沢諭吉先生は「独立自尊」とおっしゃいました。”MADE IN CHINA”に依存し過ぎることの恐ろしさです。

2008年02月06日

春節を迎える中国

荒川幸二  

 中国生産の製品(筆者の場合は中国製ニットウェア)に携わるものには、年二回「年末」があり、「お正月」がある。すなわち、普通のカレンダー通りの太陽暦と旧暦(太陰暦)である。
“中国製餃子”が大問題となっているが、アパレル業界においても中国のプレゼンスは良きにつけ、悪しきにつけ年々増大するばかりである。今や中国は完全に「外需から内需」へ移行した感があり、無理に日本向け輸出を増やしたいと思わなくなってきている。“淘汰の三年”を迎え、今後は中国のメーカーに日本の商社やらアパレルが選ばれる、“逆選別”の時代に入ったと言えよう。
 
お堅い業界ニュースから入りましたが、「春節」の話です。今年は2月7日が元旦で、工場で働く人々の帰省ラッシュは1月末より始まり、2月後半までその混乱状態は続きます。
それでなくてもこの時期は毎年、納期トラブルで頭を悩ませるのに、今年は上海も50年振りという凄まじい大寒波に見舞われ、大雪により交通手段が麻痺。年末、最後の最後まで頑張ってもらって、やっとギリギリ間に合うか間に合わないかの商品が完全にアウト、見事に翌年に持ち越される納期遅れを連発してしまいました。
この時期の納期遅れは、販売サイドから見ると、いわゆる「梅春」から「春物」への転換期であり、つけている色も異なることから1ヶ月も遅れようものなら、本当に要らないんですよね。納品できないだけで済まず、その商品の売り上げ補償をどうしてくれるという、欠品交渉ももれなくついてくるから困ったものです。

 そういうわけで、この業界の人間は年に二度、お正月で苦しめられます。筆者のように長く中国ビジネスをやっている人間は、すっかり旧暦で動く習慣が身についてしまい、1月に入ってからもずっと“忘年会”をやっております。世間的に見て、どう見てもまだ“忘年会”をやっているとしか思えないそうです。

もうすぐお正月で工場の沈さん、黄さんもやっと里帰りしてくれます。怒涛の如く納期交渉をしてきた相手も、ようやく不在となり、もうじたばたしても始まりません。このようなあきらめの境地に入ったとき、ようやく本当のお正月がやってきます。“新年祝!!”

2008年01月07日

イタリアの思い出

Perugia (ペルージャ)のお正月                                2008年1月7日  荒川幸二


筆者の娘たちの通ったマリア・モンテッソーリ 幼稚園のクリスマス会



「あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。」

日本にいれば慣れ親しんだこの年始の挨拶も、イタリアに住んでいると挨拶の主役をクリスマスに奪われ、日本人としては何とも落ち着かないものです。年頭に当たって、「何も挨拶しないのも何だなぁ…」と知り合いに会うたびに物足りなさを感じたものでした。イタリアではクリスマス前に、“Buon Natale!(ブオン・ナターレ)”=良いクリスマスを!とか、“Auguri!(アウグーリ)”=お幸せに!とか、手当たり次第気味に声をかけまくりますが、12月25日を過ぎると妙にしらじらしいといいますか、あっさりしたものでした。まさに“祭りの後”といった感じです。
 同じように物足りなさを感じる表現に食事の前の「いただきます」があります。一応“Buon appetito(ブオナペティート)”=良い食欲を!「たっぷり召し上がれ」とは声をかけ合いますが、お呼ばれしたり、ごちそうになる場合の「いただきます」という感覚では全然ないですね。何かこう、感謝の気持ちを伝えなければと思い、今度は食事の後に「ごちそうさまでした」と言おうとしても、これもなんかしっくりくる言葉が見あたらない。イタリア人の家庭に呼ばれて、適当な表現が見当たらないので“Buono、buono(ブオーノ、ブオーノ)“=おいしい、おいしいを連発したら、そんなにおいしいのだったらまだまだあるぞと自家製生ハムやら、ソーセージを痛風の発作が出るくらい食べさせられたこともあります。食後に“Grazie,grazie(グラツィエ、グラツィエ)”=ありがとう、ありがとうを連呼したら今度は「えっ、何?」と怪訝な表情をされたことも数限りなくあります。ナイスな表現というのも難しいものです。
 そんなわけで、Perugiaのお正月は寒いし、さびしさ募ります。Perugiaで一人暮らしをして、お正月を過ごしたりしたら最悪です。石に囲まれた生活は日本人には辛すぎます。Perugiaで生活されたい方には、7月、8月、9月の3ヶ月だけをお勧めします。サマータイムが終わる頃には日本に帰りましょう。
 では、本年もよろしくお願い申し上げます。

2007年12月26日

カルヴォって何語?

カテゴリーの中のカルヴォって何語?どういう意味?

カルボォとは筆者がイタリアはペルージア在住時に覚えたウンブリア地方の方言で、日本語では東北地方のズーズー弁でいうところの「おら行ぐだ」に近い意味です。

大阪 在住 荒川幸二


2007年12月10日

花の都Firenzeフローレンス

Firenzeフローレンス

大阪 荒川幸二 




Roma Termini(ローマ終着駅)からES(euro starユーロスター=特急電車)で北上すること2時間、Firenze SMN(サンタ・マリア・ノヴェッラ)に到着です。まさに「花の都Firenze」(Romaは「永遠の都」)。町のどこからでもそのCupolaクーポラが目印となる、Duomoを「花の聖母教会」と日本語に訳しているからでしょうか、この町には花がよく似合います。

 RomaやPompeiの南部地方から、イタリア中部のFirenzeに来ますとまず町の色合いが全然違うことに気がつきます。Romaはローマ帝国・古代遺跡の都市ですが、Firenzeはルネッサンス=人間復興の象徴といえる町です。さしずめRomaは「土」、Firenzeは「花」といった感じですか。宗教から人間性を取り戻した歴史を感じさせます。

 余談ながら、数年前に「国際都市総合ランキング」なる評価を見たことがあります。栄光の第一位はパリでしたが、なるほどと納得したことを覚えています。道路、下水道その他のインフラ整備とかでパリの力は抜きん出ているからです。イタリアの都市はみな小振りすぎて、国際ランキングにはなじみません。RomaとMilanoを足してもとてもとても、パリには敵いませんでしょう。

 そういった総合力ではとてもパリには敵いませんが、「記録」でなく「記憶」ではパリに一歩も引けをとらないだけの魅力がこの町にはあります。徒歩でほとんど回れるくらい小さな町ですが、「町そのものが芸術」と言われるだけあって、どれだけの時間を費やしても足りないぐらいの魅力にあふれています。

一世を風靡したイギリスの作家・ジェフェリー=アーチャーが「世界で一番好きな町は?」との質問に「フローレンス」と答えていたのが妙にかっこ良かったです。“フィレンツェ”と言うのもいいが、時々は英語名の“フローレンス”も悪くないなと。映画「ローマの休日」でも最後にアン王女が記者のインタビューに答えて、一番印象に残っている都市を「Romeロウム」と言う場面がありますが、“ローマ”もいいが“ロウム”も悪くないと一人、悦に入ることがあります。

2007年12月10日

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