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世代を意識する
3月末日。フリーランスの身にとっては関係ないのに、年度の最終日というのは、妙に厳粛な気分になる。

今月は「世代」に対して考えさせられる機会が多かった。
世代マーケティングに関する取材をしている中で、どうやらポスト団塊世代である50歳(かつては「シラケの世代」と言われたりしたが)辺りを境に、その前と後とでは随分いろいろなことが変化しているという話を何度か聞いた。

また、東京コレクションで台頭してきた新世代のデザイナーたち。それこそ、私たちの子供の世代なのだが、明らかにそれ以前の世代とは異なる視線でファッションを見ている。ある意味、正統派回帰。皆、さらりと世界に飛んで行きそうな、まさに「恐るべき子供たち」。

もともと私自身は、世代とかタイプとか、何かにひとくくりにされるのが嫌い。
「ハナコ世代」ならぬ、「JJ世代」(創刊当時の)らしいが、JJなんてかつて愛読した試しがない。というより、ああいうマニュアル的なメジャー志向が苦手といわんばかり態度を匂わせたら、トレンドリーダーの自信たっぷりの同世代男性に嫌われた。
屁理屈こねる女より、シンプルでミーハーな女の方がかわいいというのは分かる。
でも、どこか少数派を自認することによって、優越感を得るという、自分の嫌な性格は直らないのだ。
良くも悪くも、強烈な「個」の上に、自由に生きてきてしまった。
そんな私にも、世代というものの同時代的な傾向が、もちろんあることは否定できない。

とにかく、今年ももう4分の1経ってしまった。明日からはもう4月。フランスでは早くも夏時間らしい。私も春夏シーズンにスイッチしよう。
 2008/03/31 23:47  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

普通の人を変える服
今年一番の最高気温。軽く20度を超して、桜の開花も一気に進む。
こんな陽気の中、朝から、展示会回りやら用事やらで、終日出歩いていた。私の原動力は、やはり人やモノから刺激を受けること。外に出ると、いろいろな人に会えて、楽しい。それに、今日のようにお天気がいいと、本当に幸せな気分になる。健康ってすばらしい。

午後、恵比寿のザ・ガーデン・ホールで、「トクコ・プルミエ・ヴォル」のコレクションショーがあった。何と、ブランドスタートから20周年なのだという。私がフリーランスになってからと同じ年月だ。
会場はいつものように、同ブランドの中心顧客である50代以上の女性が大勢押しかけている。

久しぶりに同ブランドのショーを見たが、相変わらずカラフルで元気いっぱい、夢いっぱいのコレクション。毎シーズン、世界のどこかをテーマにしたデザインが特徴だが、今回は原点にもどり、デザイナーの前田徳子さんが仕事の拠点にしているパリがテーマになっていた。
数十年、パリに暮らしているのに、こんな純粋な少女のような視点で、パリをおとぎ話のように表現できるのは、すごい。

熱烈なファンにとっては、「トクコ・プルミエ・ヴォル」の服によって、内なる束縛から解放されたという人も少なくないだろう。
いわゆるファッション好きの人々ではなく、普通の人を変える服の力のすごさ。しかも、短命なブランドが多いファッション業界において、20年も続いているなんて。
このマーケットは改めて見直してみる必要があるかもしれない。


20年代のデザイナー兼アーティストであるSONIA DELAUNAYの世界をトクコ風にまとめたプリント
 2008/03/26 21:31  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

ベランダにも春が来た
周りには花粉症でつらそうにしている人がいっぱい。幸いにも一度も経験のない私だが、いよいよ本格化する更年期で、先週末、鍼を打ってもらったのに、肩をはじめ全身がこわばっていてつらい。起きられないほどの重症な人に比べると、私はまだ軽症。相変わらず、時間を見つけてはヨガや筋トレに通っている。

さあ、いよいよ今週末はお花見!という季節になり、この間から私も、ベランダいじりをしたくてうずうずしていた。
仕事も一段落、今朝は気持ちよく晴れていたので、早速、ベランダに出て、買っておいた花の苗を植えたり、気になっていた鉢の植え替えをしたりと、久しぶりにすっきり整えることができた。

生き物との暮らしは、生活に潤いを与えてくれる。動物は飼わない分、植物の鉢植えが、家の中にも外にもいつのまにか増えてしまった。
取材で1週間も10日も家を空けることもあるが、植物たちに対してはまったくの放任主義。以前は水遣りを友人に頼んだりしたこともあったが、今はベランダの鉢を屋根のない際に寄せておく程度で、1週間水を遣らないで枯れてしまうような植物はそういう生命力なのだと諦める。
普段から植物たちを甘やかさず、水遣りも基本的には1週間に1度。もともと西向きという悪条件なので、その環境になじまない植物は短命に終わる。
以前、ガーデニングの専門家に、枯れることをおそれないで、どんどん違うものに挑戦した方がいいと聞いたことがある。
こんなに荒っぽい育て方をしているのに、我が家に20年近くいる植物もいる。実家や友人からおすそ分けしてもらったものもここで根付いて、育っている。

植物で思い出すのは、私が10代まで一緒に住んでいた祖母のこと。
大して広くない庭だったが、いつも庭に出ては、「ふん、ふん」鼻歌を歌いながら、植物の世話をしていた。今思うと、庭は祖母の孤独を癒す場所だったのだろうと、つい涙が出る。
 2008/03/25 12:13  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

エイジング=熟成!
「アンチエイジング」はもう死語かと思ったら、そうでもないらしい。今朝の朝日新聞を見ていたら、土曜版「be」(ビジネス)で恒例のアンケートコーナーのテーマが「アンチエイジング」だった。
ついでに、「全身アンチエイジング宣言」をうたった日経ヘルス『プルミエ』の本日創刊!の折込広告まで入っている。消費をリードしたハナコ世代が更年期にさしかかるから、これは新しいビジネスチャンスというわけなのだろう。

「be」のアンケートによると、「あなたにとってアンチエイジングは必要ですか?」の問いに39%が「いずれやりたい」、33%が「すでにやっている」で、「いいえ」と答えた人は15%と少数派。否定的な答えの人は、「自然体」を支持する考え方がほとんどだ。
若さへの執着をあおる商業主義もどうかと思うが、自然の摂理に任せるべきといった「自然体」信仰にも、私はあまり賛成できない。
本当の美しい「自然」というものは、荒れ放題でほったらかしの自然でなく、適度に人の手が入ったものなのだ。美しさの裏には必ず努力があるもの。その作為を見せないのが美しいし、それが本当の「自然体」なのではないだろうか。

ところで同じ土曜版「be」(ビジネス)の第1面、「フロントランナー」は毎回興味深いビジネスマンが登場するのだが、今日は「ビンテージ・スピーカー修理の達人」とある。当然男性だろうと思ったら、これが私と同い年の50歳の女性。山形県鶴岡市のゴットハンドのもとには、全国からビンテージ・スピーカー修理の依頼が来るのだという。
この人のコメントに目をひく部分があった。
「音の7割がスピーカーで決まるといわれます。使い込めば使い込むほど音が良くなる。エイジング(熟成)ですね。手入れすれば半永久的に使えます」
人間もこうありたいものだと思う。
 2008/03/22 12:24  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

3時間の幸福感
昨日は映画『ラスト、コーション』(日比谷シャンテシネ)、今日はピナ・バウシュ ヴッパタール舞踏団の『パレルモ、パレルモ』(新百合ヶ丘・テアトロジーリオショウワ)を観に行った。
こう並べて書くのはヘンなことは分かっている。
ここのところ忙しくて、気持ちがザワザワ落ち着かなかった私の、現実逃避を求める心境は表れているかもしれない。が、特にこの2つに関連性はない。
後者は、ピナ・バウシュの舞台の常連であるNさんのお誘いで前々から決めていたが、前者は衝動的に観にいったのだった。

前者の放映時間は3時間、後者も休憩時間を入れて3時間だったが、とにかく『ラスト、コーション』には疲れた。
タイトルは「肉欲と訓戒」という意味(LUSTという言葉からは、7つの大罪を連想してしまう)で、中国語の原題は『色、戒』(この2文字が並ぶとコワイ)。
舞台は、日本軍占領下の上海。女主人公(スパイ)の行動は、抗日が原動力になっているのだが、その歴史的背景にはあまり深く触れていない。
過激なセックスシーン(あれもラブシーン?)が何かと話題だが、戦争というものが生む男女の関係は辛すぎる。女主人公の生き方には、ほとんど共感できるものがなかった私。例えば、自分がかつての全共闘世代なら、もう少し違う見方ができるのだろうか。
テーマが重いのはいいが、全編を流れる暴力性とあまりに救いのない最後に、残ったのは虚脱感だけ。

『パレルモ、パレルモ』の幕引きは、すがすがしいものであった。
いや、幕は一度も下りず、現実の営みはこれからも繰り返されるという余韻が続くのだが。
ピナ・バウシュの生の舞台は私にとっては初めて。舞踏や体の動きだけでなく、言葉もかなり入ってくるが、演劇とは違って抽象的。それでも観念的になりすぎずに、表現したいことが舞台全体からじかに伝わってくる。
少なくとも、観客にプレッシャーを感じさせない、観ていて気持ちの良いものだった。
最後に、ダンサーたちと一緒に並んで、舞台挨拶をするピナ・バウシュ。その慈悲深い表情と優しい物腰は、遠くからもしっかり感じることができた。
ちなみに客層は、知的でセンスのいいクリエイター系が多いのが特徴か。
 2008/03/20 21:48  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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