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2ヶ月に1回、髪の毛を切りに行く。別に決めているわけではないけれど、のびてきたなと思うと、だいたい2ヶ月経っているのだ。 でも、今回は少し間が空いてしまった。ここ5年位同じ人のところに通っているのだが、そろそろマンネリになってきて、新しいところで気分を変えたかったのだ。 妹に紹介してもらったところは、予約の段階でムカッとすることがあって(予約の時の対応や言葉遣いなどで、その美容室の内情が見えてしまう)、結局希望の日時がとれず、ま、いいか、今回までは、同じところにしようと渋々、妥協したのであった。 そもそも、彼は技術もセンスも申し分ないのだが(商売人じゃないから接客マナーは今一つ)、ただ気になるのは、表参道という場所にあることもあって、業界話が多いのが憂鬱なのであった。 私がどういう仕事をしているか大体知っているから、会話は自然と、共通するファッション業界の話題になる。話は合わせられるが、私はこの手の話があまり好きではない。 今日もそんな話題から入ったが、途中からなぜか映画の話になった。 彼は、美容室が休みの火曜日には、大抵、映画を観にいくのだという。最近、話題の『ラスト、コーション』もかなり良いらしい。 私が先日、感動した『善き人のためのソナタ』の話をすると、彼にとって、『エディット・ピアフ 愛の賛歌』とともに(もう1本は忘れた)、昨年のベスト映画3本に入っているという。 そんな話をしているうちに、近年ではルワンダの惨劇を扱ったもの、ナチスやアウシュビッツにまつわる映画も、彼はほとんど見ているということが分かった。 国家にとって明らかになっては都合が悪い事件、歴史に封印されたような残酷な事件を、目の当たりにするのは、つらい。でも、世界で何がおきているか、過去何があったのかということを、日本の若者はあまりに知らなさ過ぎる……この点で、意気投合した。 過去の「負」の部分を隠そうとするのではなく、明らかにしてその「負」を次代にも受け継いでいいくことの大切さ。日本はそういう教育のシステムがないから、映画は貴重な情報源でもある。 いわゆる多民族国家と違って、人種差別の悲惨さが日常的に表面化しない分、違う差別が社会に多くはびこっている。 国家が推奨しそうな「母」ものや「家族」ものもいいけれど、それだけの日本映画はちょっと貧しくないか。 そんな話をしているうちに、最期の仕上げ(ドライヤー)も終了。また、2ヵ月後、ここに来ても悪くないなと思って、美容室を後にしたのであった。 |



