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フランス・ロワール川流域のアゼルリドーというところで、ワイン作りをしているルイ・ジャンから、新年メールが届いた。 フランスの友人たちは、日本人の習慣に合わせてか、また従来の宗教観と異なる世代が増えていることもあって、クリスマスカードよりも年が明けてからメールやカードを送ってくれる人が多い。 ルイ・ジャンはもと店舗デザイナーで、パリやマイアミにもオフィスを持っていたが、ある時、専門雑誌上で売り出されていた、歴史ある小さなシャトー付の葡萄園が一目で気に入り、全財産をつぎ込んで購入。50代になって第二の人生を歩みだしたのだ。 もちろん、ワイン作りにはまったく素人だったが、何しろ研究熱心で努力家の彼のこと、5年経った今では、すっかりプロの域に達し、ワイン作りの講演までするようになっている。 量でなく、質のいいものを適量作るというのが彼の信条で、すべて有機栽培の葡萄のみを使っている。 パリから2時間もあれば充分に到着するルイ・ジャンの葡萄園には、数年前に私も仕事の合間に遊びに行き、1泊だけ滞在させてもらった。 畑の管理からワイン作りの工程を一通り見せてもらったり、広い敷地内を散歩しながら自然に生えている果実をジャム用に集めたり。ルイ・ジャン自ら手を振るった料理で、ワインをいただきながらで夕食をいただき、シャトー特有のほの暗い明かりの中、皆でおしゃべりをしていたら眠くなって就寝。畑に少しずつ朝日が射し始める頃、起き出して、葡萄園の朝を満喫した。ほんの短い滞在だったが、それは夢のような生活だった。そこには不便だが、都会では味わえない手作りの楽しさがあふれていた。 数年かけてコツをすっかり習得したとはいえ、ワイン作りや葡萄園での生活はまさに自然との闘い。60歳の肉体にはきついことも多々あるに違いない。数年ぶりで会ったら、すっかり農家のオヤジに変貌していたからびっくりしたものだ。 それでも、リタイア後にこういった思い切った転身をする人が、欧米には少なくない。 苦労は承知で、長年の夢を実現させてしまうパッションには、心から尊敬する。 メールに添付されていた上の写真は、ルイ・ジャンが南アフリカを旅行した時に撮影したもの。彼の葡萄園については、ホームページで詳しく解説されています(日本語もあり)。 http://www.chateaudelaroche.com |



