
年に1度、東京ビッグサイトで開催される手芸の見本市、「日本ホビーショー」に久しぶりに行ってみた。
会場のお客さんの中心となるのは、通常の見本市のような業者ではなく、入場料1000円を払って入場する一般客。当然のことながら、女性でいっぱい。
手芸と一口でいってもその種類は幅広く、その時々で人気の手芸は刻々と変化している。
今年の一番の旬となっていたのは、スクラップブッキング。何のことはない、デジカメや携帯で写真を撮ることはすっかり定着したから、その思い出の写真に多様な飾りを施して、インテリアの装飾用にというわけ。
自分史の執筆とか、うちの父親が作っているワケの分からないスクラップとも、根は同じ。記録しておきたい、思い出を残したいという人々の欲求は永遠なのだ。
昔からクリエイティブな人はそれぞれ独自に楽しんでいたことも、ブームになると、カリスマ講師のもと、皆、お勉強のように習い始める。
家にあるものを利用するならまだしも、スクラップブッキング用にいろいろな材料が開発されている。こんなに世の中がエコ、エコとなっているのに、またたくさんのゴミが出る!
もともと手先を動かすことの好きな私。何か作りたいといつも思っているが、これ以上、いらないゴミは出したくない。
古今東西、編み物、縫い物などは、女性の嗜みであると同時に、繰り返し作業が女性に必要な根気を育てると同時に、女性にとっては一つの現実逃避であり、無心で手を動かすことによって、日常の苦しみや悲しみを和らげてくれるものであった。
でも今や、手芸は女子供だけのものと思ったら大間違い。一般公募による「ホビー大賞グランプリ」は、何と64歳の男性の編み物の作品。編み物歴はまだ2年強だという。
男性がもっとどんどん参加したら、いい方向に変化していくに違いない。
それにしても、手芸関係の本はあんなにおしゃれになっているのに、日本のホビー業界は相変わらずチマチマした安物店の売場みたい(失礼!)。アメリカやヨーロッパとの一番の違いは、色がくすんで汚いことだ。
本来はファッションに近いはずなのに、手芸はファッションと一番遠く感じる。
昨今の手芸ブームをもっとおしゃれにするために、ファッション業界は何かできないだろうか。
今回の「ホビー産業大賞」(経済産業大臣賞)に靴下メーカー、岡本の「手あみ靴下コンテスト」が輝いていたが、こういうふうに産業界からも、人々の手作り熱を刺激する仕掛けをどんどん提案していただきたい。
でも、「手作り」と「産業」の折り合いをつけるのは難しい。産業になると、ちっともおしゃれじゃなくなるから。