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「ウエルエイジング」のお手本のような友人が京都にいる。 先週末、出張の折に久しぶりに会って、食事を楽しんできた。 某企業の早期退職制度を利用して退職してから、もう3年は経つだろうか。 仕事の話が無くなった分、財テクの話が増えたといった変化はあるが、Tさんはいつ会っても若々しく、とても還暦を過ぎた女性には見えない。 ファンデーションはつけていないというお肌はいつもぴかぴか。細く華奢な体は、趣味の水泳で鍛えられている。 そういう外見だけでなく、Tさんはもともと年齢を感じさせない人だった。 企業の中にいながら、社内に対しても社外に対しても、ヘンな上下関係を振りかざすことはなく、彼女ほど対等に一個の人間として周りの人々と向き合えるという人は、そういない。それがTさんにとっては至極自然だったのである。 最近は、成人した甥や姪たちと仲良くしている様子で、ほほえましい。 お嫁さんにしたい女性の筆頭にあげられるようなタイプであるのにかかわらず、ずっと独身。親から譲り受けた町屋に、一人暮らしをしている。 お嬢様育ちで、ほとんど料理もしたことがなかったらしく、家事をこなすのも新鮮のよう。「1日3食の食事作りをしていると、すぐ1日が経ってしまうのよ」と、日々の生活を楽しんでいる様子が伝わってくる。 とにかく、何事にもポジティブなところがすばらしい。 以前、私がその日にあったいいことをメモするように日記をつけていたのも、「1日にうれしいことを5つ、見つけるようにしているのよ」というTさんの話がきっかけだった。 お母様と妹さんを次々に亡くした直後も、すべてを受け入れている姿が印象的だった。 水泳にまつわることは、飾らない言葉に哲学さえ感じられる。 「全身の力を抜くとね、どこまでも泳げるのよ」は、まさに名言であった。 先日も、「私、どんどん泳ぎが上手になって、早く泳げるようになって、どうしようかと思うのよ」と笑っていた。 日頃の鬱憤やグチをいっぱいにためて、吐き出したくて仕方がない私も、Tさんの前ではそういう会話はどこかに飛んでいってしまうのである。 |






