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中年、今に生きよ
最近、街を歩いても、欲しいと思う服があまりない。しめしめと思う。
職業柄とはいえ、数十年来、蓄積している服や各服飾雑貨に加え、毎シーズン、新しいものをいろいろ買ってきた。
収納するスペースはないし、それ以上にお金もないから、節約するには絶好の機会だ。
ちょうど今から10数年前もこういう時期があったと記憶している。ファッションの流れが、装飾性重視からベーシックで保守的なベクトルに振れると、私は購買意欲が落ちるたちのようで、今はそのサイクルに来ているようだ。

そうでなくても、40代、いや50代になると、服をあまり買わなくなる人が多いようだ。
ファッションビジネスにかかわる仕事をしていても、皆、守りに入る。
これまでに有り余るほどファッションには消費してきたから、厭きがきたという人もいるだろう。もう違う方にお金を使いたいという気持ちもよく分かる。
ところが、ここに落とし穴がある。本人は工夫して着こなしているつもりでも、古い服は古い服。一目で分かる。
そういう人たちは、なぜか一様に、メイクもヘアスタイルも昔のままというのが多い。
つまり、時間が止まっているのだ。

以前のブログで触れたように、この私も5年前のものは当たり前、10年前、15年前のものだって平気で着る。シーズンごとに使い捨てという感覚が全く無い。
本当のファッション好きなら理解してもらえると思うけど、基本的に古いもの好き。愛着のあるものはどんなに古いものでも捨てられない、捨てたくないのだ。
ただ、ここに鉄則がある。古い服(自分のタンスの中で肥やしになっている古着、また古着屋さんで買ったものの両方とも)というのは、必ず新しいものと組み合わせて着ること。それを最初に買った時とは違う着こなしをする、今の気分に合わせることが大切なのだ。

私は決してファッションの浪費に賛同しているわけではない。単なる「流行」に追随しているような人は好きになれない。
ただ、新しいものを消費することに罪悪感を覚える今の時代だからこそ、ファッションはそんなに悪者ではないよと言いたい。
ファッションというのは生きるエネルギーそのものであり、その時代のファッションを自分らしく(ここがポイント)取り入れることはその時代を生きるということであると思う。
 2008/08/05 22:09  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

「普通」が新しい
九段のイタリア文化会館で開かれた「モーダイン・トレンド・プレゼンテーション」に行ってきた。

2009/2010秋冬の素材トレンド情報だ。
テーマは、ソフトな誘惑、控えめなグラムール、3Dアニメーション、色彩のエンターテイメントの4つ。
全体を通して、「普通」(normality)が奇抜で新しい時代の到来だという。

ヴィンテージ風など、いかにも凝った装飾性の時代は過ぎ、ファッションの潮流は、ベーシックでシンプルな時代へと大きく変化している。
ただ、決して昔と同じところに帰らないのがファッションのおもしろいところ。一見、ベーシックでも、複雑で実験的な素材開発やエコロジーなど、いろいろな要素がその背景にはある。

仕事柄、トレンドセミナーを聞く機会は少なくないが、このセミナーは素材(生地、服飾副資材)の説明が具体的でとても分かりやすい。さすが、新素材に強いイタリア!

先行きの見えない不況感、海外生産による大量生産品の追い上げと、イタリアも日本の状況と変わりない。そんな中で、市場の隙間である高級品に的を絞り、あくまで人間を軸にしたパーソナルな物作りを進めているイタリアの姿勢に共感する。

それにしても、ユーロがもう少し安くならないことには、庶民は、イタリアの素材や技術を味わうことができませんわ。


 2008/07/09 17:35  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

若作り過剰はイタイ
ファッション業界には、他人が着ているもののことをあれこれ指摘するような人がいるが、私は他人が何を着ていようとあまり気にならないタイプだ。
世の中がセンスのいいカッコイイ人ばかりになったら、おもしろくないじゃない。
ダサイはダサイなりに、個性があっていいじゃないかと思う。それより皆が同じような格好をするようになる方がキモチ悪い。
個人的な好みをいうと、完璧なのは苦手。何風とカテゴリーに分類することができない装い、それも野暮すれすれの、ちょっとはずした感じが好きだ。
私は、女性の場合だと小物に目が行くが、男性の場合はディテールではなくて、その人のかもし出す全体の雰囲気というところにしか関心が向かない。

そんな私だが、最近気になることがある。
40代や50代、時には60代の女性が、彼女たちの娘が着ているのと同じような格好をする人が増えたこと。
もちろん、その人らしく似合っていればとやかくは言わない。でも、何だかヘンな若作りで、妙にイタイ感じが多いのだ。
特に気になるのが、ハイウエスシルエットのチュニックとレギンスの組み合わせ。昨年から何か気になっていたが、今年はますます着用層が広がっていて、正直言ってもう見たくない!
ハイウエストのチュニックは体型をうまく隠してくれると、勘違いしているようで、このスタイルを好む人というのは、なぜか同様に、体型に緊張感がなさすぎ。

最初、若い層からスタートした流行が、時間を経て上の年代にも広がっていくというのは、昔からのファッションの鉄則だが、それにしても、だ。
母と娘がお友だちのように仲良くなっているせいもあって、40代以上の女性がとかく「かわいい」格好をする傾向が強まっているように思う。
ファッションは自由だから、好きなものを好きなように身に着ければいい。
だが、もう少し、大人の文化、大人の女性の装いというものがあっていいような気がする。
「女のコ」か「オバサン」かしかいない日本なんて、寂しすぎない?


 2008/06/04 21:03  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

帽子を楽しみたい
外苑前と表参道を結ぶ神宮前の住宅地。この一角にあるSequel guild galleryで、帽子デザイナー・松信七重さんのブランド「SEPT BLEUS(セットブルー)」の展示会が18日金曜日まで開かれている。
今日はお天気も良かったので、千駄ヶ谷から歩いて、七重さんと新作の帽子たちに会いに行った。

昨年まで数年間パリに住んでいた七重さん。蚤の市などで集めた生地、ボタン、レース、羽根などを使い、ディテールに凝った1点物が、いつも以上に多く披露されていた。
七重さんの帽子は、フォルムに独特の味があるが、決して帽子だけが目立ってしまうようなものではない。
彼女自身の人柄と同様、周りに惑わされないしんの強さの中に、ホッとするような暖かさ、優しさを感じさせてくれる。

帽子というのは、見た目の印象と実際にかぶった時の印象が全然違うことが多い。
しかもかぶり方によってもいろいろな表情が出るもので、その辺のコツは、さすがプロである七重さんのお手のもの。
これは無理と思うものでも、七重さんにかぶせてもらうと、不思議にぴたっとはまったりする。

小物・アクセサリー好きの私は、帽子もいろいろ持ってはいるが、普段はかぶる機会はそう多くない。
帽子を脱ぐと邪魔になるし、脱いだ後の髪の毛が気になることなど、あれこれ考えると、ついかぶるのが面倒になってしまう。
かぶりっぱなしでも気にならない位に、自分と一体化するまでには、なかなかいかないのだ。
でも、七重さんの展示会を見るたびに、もっと帽子を楽しもうと決意するのである。

http://www.septbleus.com
 2008/04/16 21:09  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

演奏会用のドレス
音楽コンプレックスの私だが、音楽家の友人に恵まれた。
音楽と一体の人生を送っている彼女たち。好きこそものの上手なれとは言うが、何十年も練習を続けていることに深い尊敬の念を抱く。
何を隠そう、私は子供の時にヴァイオリンを習っていたが、練習が嫌でいやで仕方がなくて、親の期待をよそに挫折してしまったのだ。

ピアニスト(ピアノ教師)のMさんから、1年に1度開く演奏会用のドレスを一緒に選んでと前から言われていたので、私の友人がやっているサロンブティックを紹介がてら、昨日、一緒に行ってきた。

Mさんによると、頻繁にリサイタルを開くような著名な音楽家は別だが、たいていは演奏会で着るドレス選びに困っているらしい。
20代の若い時は、結婚式二次会用のドレスをそろえているようなフォーマルドレス専門店に行けばいいが、30代後半から40代と年齢を重ねるうちに、ああいうヒラヒラしたデザインが合わなくなる。たまにいいなと思うものがあると、今度はサイズや着心地がしっくりこないのだという。
ピアニストの演奏会用ドレスは、ペダルを踏む足裁きをあらわにしないためにも、ロングドレスが必須。ところが日本にはイブニングドレスを着るような習慣があまりないから、とくにロングドレスの既製服の選択肢は非常に少ない。
社交ダンスを習っているオバサマたち用、あるいはご商売用の派手なドレスは、地下街や下町の小さな店にもあるが、考えてみると上品なロングドレスというのはあまり目にしない。あっても高級ブランドやオートクチュールのように、うんと高価なものになってしまう。
また、ドレスは舞台上での見栄えだけでなく、フルート、ヴァイオリンと楽器の種類によっても、求められる機能性がそれぞれ違う。

友人のサロンブティック(2007年12月10日付「Mさんのサロン・ブティック」参照)では、自らアメリカから買い付けているドレス、またドレス専門のデザイナーブランドのコレクションも紹介している。
さすが、ドレスを着る機会が日常的なアメリカ。ロングドレスといっても、大人の女性の体をきれいに見せて、長時間着ていても疲れない着心地の良いもの、しかもそういうものが手ごろな価格である。文化の違いといってしまえばそれまでだが、ここは日本のすきま市場だとつくづく思う。
ピアニストの友人は、念願のドレスを無事ゲット。ホルターネックの肌を出すデザインと初挑戦の色は彼女にとっては少し冒険でもあったが、プロの的確なアドバイス(サロンブティックの友人)と客観的な視線(私)によって、納得して購入に至った。

 2008/04/04 11:03  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

普通の人を変える服
今年一番の最高気温。軽く20度を超して、桜の開花も一気に進む。
こんな陽気の中、朝から、展示会回りやら用事やらで、終日出歩いていた。私の原動力は、やはり人やモノから刺激を受けること。外に出ると、いろいろな人に会えて、楽しい。それに、今日のようにお天気がいいと、本当に幸せな気分になる。健康ってすばらしい。

午後、恵比寿のザ・ガーデン・ホールで、「トクコ・プルミエ・ヴォル」のコレクションショーがあった。何と、ブランドスタートから20周年なのだという。私がフリーランスになってからと同じ年月だ。
会場はいつものように、同ブランドの中心顧客である50代以上の女性が大勢押しかけている。

久しぶりに同ブランドのショーを見たが、相変わらずカラフルで元気いっぱい、夢いっぱいのコレクション。毎シーズン、世界のどこかをテーマにしたデザインが特徴だが、今回は原点にもどり、デザイナーの前田徳子さんが仕事の拠点にしているパリがテーマになっていた。
数十年、パリに暮らしているのに、こんな純粋な少女のような視点で、パリをおとぎ話のように表現できるのは、すごい。

熱烈なファンにとっては、「トクコ・プルミエ・ヴォル」の服によって、内なる束縛から解放されたという人も少なくないだろう。
いわゆるファッション好きの人々ではなく、普通の人を変える服の力のすごさ。しかも、短命なブランドが多いファッション業界において、20年も続いているなんて。
このマーケットは改めて見直してみる必要があるかもしれない。


20年代のデザイナー兼アーティストであるSONIA DELAUNAYの世界をトクコ風にまとめたプリント
 2008/03/26 21:31  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

JFW開催で大忙し
ああ、大変! もう1週間もブログをご無沙汰している。10月末にブログを開始して以来、最大の開きになってしまった。

言い訳になるが、今週はJFW「東京発 日本ファッションウィーク」開催中。これに振り回されていると、時間がくわれて、バタバタと落ち着かない。おまけに、仕上げなきゃいけない原稿もある。
それ以外にも、取材で、おもしろい人に会っては刺激を受けたり、嫌な人に会ってはハラワタが煮えくり返っていたり、ネタはいろいろあるのだが、仕事の原稿より先にここに書くわけにはいかないし、あまり人の悪口も残したくない。
こういうことは自分の中で暫し熟成させて、いずれ何かの機会に触れることにしよう。

さて、話をJFWにもどすと、(私は3日間でまだ6つしか見ていないが)今回は久しぶりに内容が濃い、と感じる。
特に新人のレベルが高い。
ふと気がつくと、デザイナーも観客(バイヤーやプレス)も、いつの間にか、世代が大きく若返っているではないか。
ファッション・ピープルが多く集まるコレクションの雰囲気は苦手な私だが、日本のファッションが若くフレッシュに変化しているのは喜ばしい。

AGURI SAGIMORI デビューコレクション(デザイナーは22歳!)
 2008/03/12 23:55  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

合同展「white」で
ラフォーレ原宿で開催された新しい合同展、「white」の最終日をのぞいてきた。
この展示会が他と違うのは、最終日の14時以降、一般客に門戸を開放し、即売会も開いたこと。私が行った時には、バイヤーも一般客も渾然一体となっていた。

ここで一番印象に残ったのは、会場の一番奥まったところにあった2ブランドだ。
まず、オーガニックコットンでまとめた「ikkuna/suzuki takayuki」。新鋭デザイナー・スズキタカユキと、縫製工場・モードエイトのコラボレーション(両者を結び付けたのは元東京デザイナー協議会議長の岡田茂樹氏だとか)によって生まれた、「suzuki takayuki」の新ラインで、凝りに凝った彼のコレクションに比べると、シンプルで着やすい作り、買いやすい価格帯となっている。シンプルでありながら、彼の世界はきちんと表現されている。
セレクトショップや百貨店の自主編集売場にとっては、待ってましたという感じだろう。

もう一つがそのお隣にあった「Vanilla」。インドの素材や縫製をうまく生かした、魅力ある物作りをしている。アンビアンス展の参加ブランドだったとあるから今までも何度も見ているはずだが、気がつかなかった。
私はいわゆるナチュラル系、ロハス系ファッションにはあまりゆさぶられないのだが、テキスタイルやシルエットの新しさがあるもの、色のきれいなものには引きつけられる。
デザイナーの佐藤公巳子さんは、インド事情にも詳しいようで、今度改めて話を聞いてみたいと思った。

自分が基本的に好きなもの、また好みとは別にリスペクトするものというのはあるが、その時々によって心にひっかかるものは違う。
プレスというのは勝手なもので、常に新しいネタを追い求めているところがある。どこかで、「今」の必然性がほしいのだ。
自分の世界を追求しつづけているデザイナーには、所詮かなわない。
 2008/03/05 22:39  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

鶴瓶さんに乾杯(?!)
信頼するセラピストのMさんが大好きということもあって、最近、笑福亭鶴瓶が気になる。NHK『鶴瓶の家族に乾杯』なんて、毎回いい味出している。

そんな鶴瓶さんが、昨日の朝日新聞夕刊で、ファッションについて語っていた。
若い頃にアイビーにあこがれた話から、石津謙介さんと対談してお酒を飲みにいったことにもふれているのだが(鶴瓶さんとのことはかつて石津さんの口から伺ったような気がする)、心に残ったのは後半だ。

《年とってくると普段着なんてどうでもええんちゃうか、と思う人がいると思うけど、僕は意識的にいろいろな服を着てます》
《服はね、いつも着といたら、ずーっと着られるんです。急にジーンズ履こうとすると浮いてしまう。似合わん思って着なかったら、ずーっと似合わんのです》
そして、最後が圧巻。
《僕は衣食住に関心を持たんと、「しゃべれない」と思うてるんです。家を何遍も建てたし、おいしいもの食べに行くし、服も好きでしょ。しゃべりには、生活が反映される。それだけ幅を広けられると思うんです》

そう、ファッションって、そういうものなのだ。
私も同じ信条で生きている。衣食住に興味を持たないと、こんな仕事はやってられない。
ただ家は一度も建てられませんが…。
 2008/03/04 09:20  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

Mさんのサロン・ブティック
友人のMさんが、自宅で完全予約制のサロン・ブティックを開いている。
今日は初めて遊びに行ってみた。
東横線・学芸大学駅から徒歩10分弱。静かな住宅地の中にそれはある。
外には何の表示もない、落ち着いたたたずまいの一軒家だが、一歩中に入ると、そこは居心地のいい夢のようなサロン。

商社マンだったお父さんと一緒に、子供の時から家族でアメリカ生活を送ったMさん。
ニューヨークのFIT(ファッション工科大学)を卒業後、帰国し、アパレルメーカーのデザイナーをはじめ、長年、ファッション業界で仕事をしてきた。
独立してからも、ビジネスの才覚のあるMさんのこと、どこからか素敵な商材を見つけてきては、専門店など小売へ紹介するという仕事を続けてきた。
ところが、ある時、卸というビジネスに限界を感じたのだという。
ちょうど、お父さんが亡くなってお一人になったお母さんの住む実家で、一緒に暮らすことになり、その家の一部屋でブティックを開くことにしたのだ。
もともと一家の居間だった部屋を少し改造したというサロンには、家族の思い出がつまっている。
ご一家の写真や調度品、ダラスに住んでいるアーティストの妹さんの作品が飾られ、温かいサロンの雰囲気を盛り上げている。

メインに販売しているのは、Mさん自身がアメリカから買い付けてくるインポートドレスやアクセサリー。
リサイタル、レセプション、ダンス、パーティなどの場面に映えるドレスは、意外に日本の市場に少ないもの。サルサやタンゴなどダンスを長年やってきたMさんならではの実感から、ボディラインをきれいに見せて華やか、しかも3万円弱からという買いやすい価格帯を意識して集めている。音楽家の友人たちに教えてあげたくなった。
その他、手作りのジュエリー、普段着に向くヨーロッパのカジュアルウエアも、バランスよくそろえてある。

ファッションだけでなく、タロットカードや美容など、顧客一人ひとりにパーソナルな対応をしているのが特徴だ。
不特定多数ではなく、顔の見える顧客のライフスタイルに深くかかわるというのは、Mさんのこれまでのあらゆる経験が生かせるビジネスのかたちといえよう。
口コミなどいろいろなきっかけで知ってやってきた顧客は、このサロンに足を踏み入れ、Mさんという一人の女性の人生そのものに触れることになる。
サロン・ブティックという形態は、ファッション業界で長年経験を積んだ女性の、一つの到達点に違いない。

サロン・マリリン
http://www.salonmaririn.com

 2007/12/10 21:27  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

デザイナーの友人2人と
今晩は、西麻布にあるベトナム料理レストランで、2人のデザイナーの友人と、食事をした。
数年前にフランス語学校で知り合った帽子デザイナーのNさんと、Nさんの友達で服のデザイナーのYさん。ともに企業には属せず、独立してそれぞれ自分のブランドを持ってがんばっているデザイナーだ。

3人の共通項は、いわゆるファッションピープルたちが苦手ということ。
美大出身の2人は芯がしっかりした、どちらかというとマイペースのおっとり派。
つまり世の中のトレンドに流されずに、自分の世界をしっかり持っているが、あまりビジネスが巧みとはいえないだろう(売り上げ優先主義だったらもっと別の道を行っている)。
年上の私がいうのも何だけど、2人とも年齢不詳で(実際は30代と40代)、ただものでない雰囲気をかもし出していて魅力的だ。

3年のパリ生活を終えて、東京での再スタートを切ったNさんの話。また今大ヒットの日本映画の美術監督をしている、Yさんのご主人の話など聞きながら、おいしいベトナム料理とともに楽しいひとときを過ごした。
職種は違っても、話をすればするほど、フリーランスで仕事をする苦労は同じだなと深く共感してしまう。それぞれに好きで選んでいる道だけど、その苦労は会社勤めの人には分からない。
実際に商品というかたちにして受注をとらなくてはならない彼女たちの苦労は、お気楽な雑文家の比ではない。

彼女たちのデザインした商品を欲している女性たちはもっといるはず。そこをまっすぐ結びつける方法はもっとないのだろうか。
合同展がたくさん出来てきているように、今や独立系デザイナーブランドは増え、そのレベルも高い。
売り先を求めて海外にも出るわけだが、国内でももっと需要はあるはずだ。何も力になってあげられない自分がもどかしい。

 2007/12/04 00:32  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(0)

モノが捨てられない
朝一番、1週間たまっている燃えないゴミを出し、寝具類を干し、洗濯機を回し、コーヒーとパンで朝食をとってから、ベランダ内外にある大小30鉢の植物たちに水遣り、そして家中に掃除機をかけてきれいに片付け、すっきりしたところで、ケーブルテレビのBBC(これは朝からずっとつけている)をBGMにしながら新聞に目を通す――。これが土曜日の日課だ。
フリーランスの宿命で、週末であっても家で仕事をするが、土曜朝はいつもこんなふう。

今日はもう一つ、来週から寒くなりそうなので、冬支度。
先日、TVショッピングで衝動買いしてしまったデロンギのオイルヒーター(テレビを見ていて本当に1分で電話していた私、TVショッピング初体験)を初めて点け、今年着そうなものを奥の方から引っ張り出した。
私はモノが捨てられない性分だ。特に身に着けるもの、身の回りのものは、どれも気に入って買ったものなので、愛着がある。その点、ファストファッションチェーンのものは、安くてつい買ってしまうこともあるが、飽きるのも早い。
5年前、10年前に買ったものを着続けているのは当たり前、15年や20年前のものだって、めぐりめぐっていつか再び着ることもある(私の場合、体型やサイズがほとんど変化していないので経済的)。
自分のクローゼットが完全に古着屋と化しているのに、この年になっても若い時と変わらず、古着屋通いもやめられない。
山ほど服も小物類も持っていても、今の自分の気分に合うものを求めて、また新しいものを探してしまう。今シーズンも、業界人の悪いクセで、仕事先の展示会での個人発注、知人の会社のアトリエセールと、役得を活用して結構いろいろ買いこんでしまった。

かなりのファッションヴィクテムには違いないが、こういう欲望があるからこそ、この業界で仕事をしていられるようにも思う。
全身流行のブランド物でかためているようなのもどうかと思うが、時々、プロの中に、ファッションに興味がない(自分で身銭を切らない)のにファッションを語っているような人がいるが、ああいうのは信じられない。

それにしても、私の場合、服だけでなく、小物も全アイテムそれぞれに好きなので、まったくきりがない。かさばるバッグや靴、特にブーツの置き場所には頭が痛い。何か良い収納方法はないだろうか。
今、ファッション消費が伸び悩んでいる理由の一つに、この収納の問題もあるのではないかと思うが、どうだろう。
衣服の四季のサイクルが明確ではなくなった今日、提案側にも以前とは違う発想が求められている。
 2007/11/17 14:21  この記事のURL  /  コメント(1)  / トラックバック(1)

アクセサリーのレセプション
小物好きの私としては、アクセサリーの展示会やイベントにはなるべく足を運ぶようにしている。
昨夕は、代官山旧山手通りにあるデンマーク大使館公邸で、デザイナーの来日に合わせたデンマーク「カレ・コペンハーゲン」のレセプションパーティ。今夕は、渋谷キャットストリート沿いにオープンした三陽商会の服飾雑貨中心のニューショップ、「アンプリュスアン」のオープニングに行った。

「カレ・コペンハーゲン」は、ゴールドや色石を使った、アンティーク風の小ぶりのデザインが特徴。強烈な個性があるわけではないが、女性らしい繊細さが、日本の女性にも幅広く受け入れられている。
デザイナー、シリ・ハウブル(1966年生まれ)は、医師の旦那様と4人の子供に囲まれ、幸せに生活していることが伝わってくるような女性だ。ナチュラルでおだやかな人柄は、そのデザインによく反映されている。アールデコ時代をテーマにした2008春夏の新作が、ジャズの生演奏が流れる広間のコーナーで控えめに輝いていた。
それにしても、ここは美しい庭があって、昼も夜も静かで落ち着ける。大使ご家族が暮らしているというだけあって、家庭的な雰囲気。どこか外国の邸宅に招かれているような錯覚に陥る。

一方、「アンプリュスアン」は20代女性の市場分析によって開発された、トレンド満載のマーケティングブランド。個性の違う2人の女性、エマとエミリーを想定して、商品構成がされている。
社内横串のコラボレーションという初の試みによるもので、ウエアは三陽商会の複数の既存ブランドからセレクトされている(アパレルの組織の変革が始まっている!)。
ファサードにはなぜかパリ風パン屋のウインドゥがあったりして、奇をてらっているが、その割に、中にある商品は至って普通。もう少し意外性というか、オリジナリティが欲しいところだ。混沌としている感じを狙っているのはいいが、もっと思い切って個性を出してもいい。
店舗デザインは、合同展「ルームス」から大きく飛躍したアクセサリーブランド「e.m.」(イー・エム・デザイン梶jが手がけた。
 2007/11/09 22:04  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

エネルギッシュなアルマーニさん
「アルマーニ/銀座タワー」のオープンを明日に控えた店舗内覧会に行ってきた。
大勢の報道関係者でごった返す中、地下2階から地上11階まで、オフィススペース以外のフロアを一通り見学。服だけでなく、インテリア、スパ、レストランも合わせてラグジュアリーなライフスタイルを表現しているのが特徴だ。
一番興味を引いたのはスパ。古代ローマの温泉をイメージしたモダンなつくりの中に、チベットのドラ(ゴング)があるのがおもしろい。
また、世界でホテルのプロジェクトを進めているアルマーニらしく、インテリアのカーザはホテルのよう。

記者会見では、日焼けした肌が透けて見える白いシャツ(シルクニット?)をお召しになったアルマーニ氏が登場。1時間も立ったままで話をし、イタリアあるいはアジアからの来日組も含めたジャーナリストたちの質問に丁寧に答えていた。
地価の高い銀座にあえて出店したのは? アジアの富裕層を狙ったのか? などの質問に、「日本への恩返し」と答えていたのが印象的。
世界の売り上げの1割にとどまっている日本市場に対し、「新たなスタートを切る」と意欲満々だった。
実業家でありながら、氏の主軸にあるのはやはり服のコレクションであることも感じられた会見だった。
最後は、消費者に対する3つのメッセージ。自分をカムフラージュしないで、ロゴで商品を買わないで、ファッション雑誌や新聞を信じないで…とジョークたっぷりに終わった。


今夕は、特別ゲストに女優のケイト・ブランシェットを迎え、店の前でライトアップイベントが行われる。タワーの外観にデザインされた竹が、さぞかし光り輝くことだろう。
 2007/11/06 14:00  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

発信力高めるスペインのモード
東京デザインウィークにひっかけて、今週から来週にかけて、ファッション関連もいろいろなイベントが開催されている。
昨日は、表参道ヒルズへ「靴×クリエーション」(スペインの気鋭クリエーターとシューズブランドのコラボレーション)、今夕は六番町・セルバンテスビルの「12 trajes para Tokio/12着、東京へ」(12人のスペインデザイナーがスペイン語文学をモチーフにしたクリエーション)と、立て続けにスペインファッションのイベントに行ってきた。

きっかけは、アルモドバルの映画を初めて見た辺りからであろうか。スペインに格別の思い入れのある私は、スペインと聞くと、つい足が向いてしまう。あの独特の土着性には心ゆさぶられるものがある。
同じラテン文化の国でも、お隣のフランスやイタリアに比べると、ファッションはどちらかというと今まで地味な存在だったが(一部のブランドをのぞいて)、いよいよ国をあげて新しいデザインやファッションのアピールに力を入れ始めた。オーガナイズやプレゼンテーションの仕方も驚くほど、洗練されてきた。

特に、ファッションと文学の融合に焦点を当てた「12 trajes para Tokio/12着、東京へ」は興味深かった。
記念講演の中で、パネリストの1人、作家であり哲学博士、政治家でもあるマリア・フェルナンダ・サンチアゴは、スペイン独裁政権の時代が、長い間、スペインの文化に深い影を落とし、優秀な人材が多く国外に流れていたこと(ピカソ然り)、そして今はその歴史を回復している過程であると語った。
日本人のスペインに対するイメージはまだまだステレオタイプだが、時代の変化の中で、今のスペインには未知なるクリエーションの力がみなぎっているのを感じた。


ガブリエル・ガルシア・マルケス『百年の孤独』をテーマにしたデボタ・ロンバの作品
 2007/11/02 22:44  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

カラータイツがない!
私は怒っている。
カラータイツがどこにも売ってない。
うそだと思う方は、靴下売場に行ってみてください。本当にないんだから。
ウィンドゥディスプレイには結構使われているが、それはシーズン初めに確保しておいたものなのだろう。
特に、百貨店向けブランドでは、今シーズン、カラータイツを作らなかったのかしらと思うほどだ。
専門チェーンはまだマシだが、それでも色切れ、品切れをおこしていて、「今、追加生産中です」という返事。

グレーの濃淡を中心に、ベーシックカラーが大勢を占める今シーズン、マスタード、パープル、レッドなどの、アクセントカラーとのコントラストは着こなしの決め手だ。
小物の中でも、肌の透けないタイツが、今ほど欠かせないことはないだろう。
それなのに、黒やブラウンなどのダークカラーはあっても、カラーが見当たらないのだ。

カラータイツの代わりに、売場を占拠しているのが、足先のないレギンス、スパッツだ。しかもタイツと同様の薄手のものが多い。
この夏、あれほどレギンスがヒットしたから、この秋冬もというわけだろうが、はっきり言って、冬にレギンスをはくユーザーはごく一部。特に冷え性の私など、とても冬にレギンス1枚などはけない。
必要なものを作らずに、不必要なものをたくさん作る。こういう無駄こそ、まさしくエコロジーに反していると思う。

それともう一つ、やっとカラータイツを見つけても、国産はほとんどがフリーサイズで1サイズ。これはおかしい。せめて、せめて2サイズは必要ではないか。
サイズのことになると、言いたいことがたくさんあるが、これはまた別の機会に回したい。

とにかく、50代だって、年齢に関係なく、カラータイツがあれば、ミニドレスやミニボトムが堂々と着こなせます。
 2007/11/02 01:51  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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