« 「よりどころ」と客観性 | Main | 家に他人を入れない日本人 »
リルケの詩一篇
菩提樹の初花が (リルケ詩、片山利彦訳)

菩提樹の初花が
ひっそりと風に散り
私の心におおけなく早くも浮ふ幻
それは樹翳の緑に染んで座っている君の姿
初めての母の仕事にいそしんで
みどり児の肌衣縫う君の姿

針の手留めず歌う君のうたは
五月(さつき)の中へひびき入る

花咲け、花咲け、花咲く樹
親しい庭の奥で咲け
花咲け、花咲け、花咲く樹
わたしはここで待っている
こえなき夢の充ちるのを

花咲け、花咲け、花咲く樹
夏には実りが豊かだろう
花咲け、花咲け、花咲く樹
私は着ものを縫っている
太陽(ひ)の輝きも縫いこんで

花咲け、花咲け、花咲く樹
実りのときはやがて来る
花咲け、花咲け、花咲く樹
わたしの大事なあこがれの
意味(こころ)を告げよ、花咲く樹

君は歌う、歌いながら
その歌こそは五月そのもの

その樹の花は咲くだろう
どの樹々よりも際立って
君の縫うその着ものは
晴れ晴れとかがやいて
若い母に成る君の仕事は
樹の翳の住んだ緑に清まって
小さな肌着を作るだろう


30数年一人で続けてきた下着専門店を、最近閉店したSさん。
店を始める時の最初のイメージにあったというリルケの詩。それを書き写したメモをそっと私に渡してくれた。
ネットで調べたら、舞踏家・大野一雄がかつてこの詩を演目に踊っている。
 2008/05/23 00:11  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

トラックバック

この記事へのトラックバックURL  ※トラックバックは承認制となっております。
http://apalog.com/ueno/tb_ping/96


コメントする
※コメントは承認制となっております。
名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク


コメント


2008年05月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
aster
パリで目にしたECO (2008年09月25日)
makayo
母からの便り (2008年07月19日)
上野君子
ファッションに近づく文具 (2008年07月12日)
上野君子
肩こりとの闘い (2008年06月22日)
谷中初音町
肩こりとの闘い (2008年06月21日)
eriko
ブログ100回達成! (2008年06月13日)
eriko
若作り過剰はイタイ (2008年06月10日)
最新トラックバック
MOBILE ART (2008年06月30日)
服が捨てられない (2007年11月27日)

http://apalog.com/ueno/index1_0.rdf
更新順ブログ一覧
リンク集
QRコード
アパレル業界の情報満載の「アパレル携帯版」
右のQRコードで読み取ってアクセスしてください。こちらからも自分の携帯URLを送れます。 QRコード