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今日、(たぶん生まれて初めて)見てしまった。商品を万引きする現場を。 アトレ恵比寿の「S城石井」に入ろうとしたところ、前にいた男性が、入り口付近に積んであったケーキ(800円位の焼き菓子)を1つ取って、肩から提げていた袋につっこんだのだ。 アッと息を呑んだ私と、気がつかれたことに気がついたその男性の目が、合ってしまった。 とりあえずという感じで男性は店の中に入り、私も目的のものを買うために違う通路を進んだ。 私は店の人に知らせることなく、そのまま知らないふりをした。 ホームレスに違いない、そのみすぼらしい男性を訴えることが、私にはできなかったのだ。 では、きちんとした身なりの人だったら、私はどうしていただろうか…。後でうらまれるのが怖いからと、やはり知らないふりをしてしまっただろうか。 食料品のスーパーでも、ファッション関連の店でも、万引きの被害は絶えないと聞く。 妹がやっている店でも、安くはないアクセサリーを盗まれて、泣く泣くポケットマネーから補充したという。 完全に病気といえる常習犯も少なくないようだが、値上げ続きの食料品では、やむにやまれずという人も増えているかもしれない。 一方で、厳格な賞味期限切れで捨てられる食料品、ホテルの宴会場の残り物の山、そういうものが減らないのもこの世の現実だ。 それにしても、あの一瞬のバツの悪そうな表情と、切ない眼つきは、忘れられない。 「レ・ミゼラブル」の主人公をふと連想してしまった。 |



