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一人暮らしの隣人の死
祝日だった昨日、夕方になってジムへ行こうと、初めて家を出ると、隣りの部屋のドアが開いていて、数人の業者らしい人を残し、中がもぬけの殻になっているのが見えた。
エレベーターの前には、松本家具か何か、伝統的な木製の重厚な椅子が何脚か出ている。来客の気配もまったくなかった一人暮らしの女性だけに、その椅子がちょっと物悲しい。

そういえば、朝から何かガタガタしているなと思っていたけれど、お隣の方、お引っ越しだったんだ。
でもあのお歳だから、もしかしたら施設に入ることになったのかしら。
特に親しいというわけではないが、ゴミ出しの時や通りで会えば挨拶する仲ではあったから、一言もなく行ってしまうのもちょっと水臭いなと思った。

今朝、気になって管理人さんに聞くと、思いがけない答えが返ってきた。
「具合が悪くて病院に行って、検査中にトイレに行った時に、そのまま亡くなったんですよ。ちょうど1週間前ですね。普段から血圧が高かったみたいですけどね」
地方からやってきた親戚の老人たち数人が寝泊まりして、部屋を片付けていたらしい。

70代だったらしいが、そういう年ごろの普通のおばあさんとは違って、派手ではないが、小柄なおかっぱ頭に、いつもパンツスタイル。シャツをしゃんと着こなして、かつかつとまっすぐ歩くモダンな雰囲気の人だった。
7年前に引っ越しの挨拶に行った時、私が家で仕事をしていると話すと、「あら、私もなのよ」と言っていた。必要以上の交流を望んでないことはすぐ伝わってきたので、お互いに何の仕事をしているか明かすことはなかったが、いつだったか、私のポストに某デザイナーブランドのセールのハガキがまぎれて入っていた時、もしかしたらあの方はパタンナーか何かの職人さんなのかもしれないと直感したものだ。普段は静かにひっそり暮らしていて、物音もほとんどしなかった。

100世帯以上が住む大きな分譲マンションに、私は賃貸契約で住んでいる。築30年近い古い建物だが、管理が行き届いているので住み心地がよく、私はもう15年以上もここにいる(途中、同じ建物内の別の部屋に引っ越し。オーナーは別)が、ふと考えてみると、住人もずいぶん変化した。
老人は一人二人といなくなり、赤ちゃんや子供はいつの間にか若者に大きく成長し、ダンディだった男性が車椅子を押されてデイケアの送迎ミニバスに乗り込んだりしている。

私はどのような最期を迎えるだろうと、考えさせられた。
 2008/10/14 11:16  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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