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『PARIS』という名の映画
Bunkamuraル・シネマで正月ロードショーとなる映画の試写会に行ってきた。
フランス映画を多く公開してきた同館の20周年記念らしく、題名も『PARIS』。
監督は、『猫が行方不明』『スパニッシュ・アパートメント』(両作品ともまだ見ていない)のセドリック・クラビッシュ。
俳優は、ジュリエット・ビノシュ他、フランス映画でおなじみの顔ぶれが多数出演している。そしてなじみ深いパリの景色の日常性、リアリティのある話の筋に、すんなり溶け込める映画だった。

心臓病を告知されたダンサーを主人公にしながらも、複数の人の生活,、世界(ユニバース)が交差する。いかにもパリにいそうな人ばかり。
大学教授からホームレスまで、職業も階級もさまざま人が登場するのだが、いずれも「アムール」が軸になっているのが、やっぱりフランスらしい。時代が変わっても、フランス映画の本質は変わらない。いくつになっても「アムール」を追求するパッションを持つ人々、恋愛至上主義が貫けるフランスという国はうらやましくもある。
40歳過ぎのシングルマザーを演じる主人公の姉役、ジュリエット・ビノシュという女優はやっぱりすごい。生活に疲れ果てた表情に、髪の毛がいくら「爆発」していても、これだけ魅力的でいられる女優というのはそういない。

ラストシーンは、成功確率半分以下の心臓移植手術を受けに、パリの町並みを見ながら、タクシーで病院へ向かう主人公。
そして、パリの空を見上げながら、その表情は笑顔に変わっている。
画面にはこう流れる。
「これがパリ。誰もが不満だらけで、文句を言うのが好き。皆、幸運に気づいていない。歩いて、恋して、口論して、遅刻して、なんという幸せ。気軽にパリで生きられるなんて。」

今日のような秋晴れの東京の街を歩いていると、私も幸せな気分になった。生きているっていいな、と。

 2008/10/02 20:45  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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