時事通信編集委員・湯川鶴章氏の最新作『
次世代マーケティングプラットフォーム』(ソフトバンククリエイティブ刊、定価1,600円+税)を読んだ。
副題に、「広告とマスメディアの地位を奪うもの」とあるように、当初湯川氏は「電通VSGoogle」の図式でこの本を書こうとしておられたらしい。途中でそうではないということに気づいて方向性を転換し、書き上げた著作がこの本だということのようだ。
その辺のお話は、湯川さんのブログ「湯川鶴章のIT潮流」の中でも、紹介されているので、ご興味のある方は是非ご覧下さい。
◆
湯川鶴章のIT潮流 http://it.blog-jiji.com/0001/2008/10/post-9e04.html
個人的に最も気になったのは、「デジタルサイネージ」の章。私はここ数年は毎年「リテイルテックジャパン」という、日本最大級の流通関連のシステムに関する展示会を見にいっているが、
日本ではシャープさんや東芝さんなど、家電メーカーさんが非常に画質が綺麗で、性能が高いデジタルサイネージ(要するに、TVの製作技術をそのまま転用できるので)をリリースしているのだが、
肝心の、バックヤードの仕組み=Webマーケティングの方が、全く持って立ち遅れているように思うので、
新しいプレイヤーの参入も含めて、頑張って欲しいなぁ、ということを改めて感じた。
湯川さんの本の中には、既存の広告代理店や、デジタルサイネージ専門のテクノロジー企業、そして、「クックパッド」さんのようなネット上のCGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)企業さんがデジタルサイネージに強い関心を示しているという話とか、新しいプレイヤーとしてGoogleやAppleの名も指摘されていたが、
レストランとバーの小さなチェーンを運営していて、この世界に参入してきたBlast Media Netwoksさんの事例のように、
多店舗を有する百貨店や量販店、専門店さん自身がこの業界にプレイヤーとして参画、という事例も、日本では是非、出てきて欲しいなと思います。
実際、この3月のリテイルテックジャパンでは、大丸さんが社内で作った東京店のレストラン街の案内目的の電子看板が掲示されていましたが・・・、
単に、紙のクリエイティブを電子看板に置き換えたものではなく、データベースマーケティングと連動した電子看板のノウハウを、わが業界の中にも蓄積していってほしいんですよね。
コンビニのレジの電子看板は、一番わが業界サイドでは進んでいる方だと思いますし、
ユニクロさん辺りも、その辺はその気になればすぐ可能な企業さんだと思うんですが・・・。
特に、ファッション商品の場合は、季節性の問題と、商品のライフタイムサイクルが短いということがあるので、過去の販売データに、お店側の「これから売って行きたいもの」の意思をうまく掛け合わせていかないと、販促は成功しないと思うのだ。
自社で新会社を起こすというところまではいけないにしても、何もかも外部のプロに任せきるのではなく、必要なノウハウは社内にも蓄積しうまくコミュニケーションを取りながら新技術を蓄積していくことが大切なのではないかと思います。