今日、8月22日に創刊された
オーマイニュースの日本版に関して、「ブロガー×オーマイニュース『市民メディアの可能性』」という
シンポジウムが開かれたらしい(「ガ島通信」さんのブログよりリンク&トラックバックさせて頂きました)。
多忙な時期なので参加もせず、ネット中継も見ることはしなかった。今、どなたか参加された方がブログに感想を書いておられないかな、と思ってちょっと検索してみたのだが、まだほとんどないようだったので、とりあえずそのシンポの内容とは関係なく、日本のオーマイニュースについて、私が感じていることについて書いてみたい。
創刊前から、韓国発の、市民記者の投稿中心で構成されるネット上の新聞というこの新しいビジネスモデルに対して、「論争があまり好きでない日本ではあまり盛り上がらないんじゃないか」とか、「日本では先にブログが普及しているので、わざわざ自分のブログではなくオーマイニュースに投稿する意味はなんじゃないか」「偏った意見(特に左寄りの)が多いんじゃないか」といった意見がいろいろ出ているようだが、私もそれに近い見方をしております。
ただ、「だからもっと盛り上げるように努力すべきなのではないか」とは、必ずしも思ってはいない。そもそも、ネット上の媒体に数の論理を持ち込む必然性は全くないんじゃないだろうか?収益モデルは読者数に比例する部分もあるが、人件費やリアルの媒体制作費等のコストが少ないのだから、既存の全国紙や地方紙に比べて少ない読者数でも十二分に成り立つ筈なのだ。
あるキーワードに対して、検索エンジン経由で飛んでくるとか、オーマイニュース内の特定のカテゴリとか、特定の市民記者さんの記事だけを拾い読みするとか、読者は自由に好きなところだけを読んでもいいのだと思う。だから、ニッチの分野に関して質の良い記事を発信している記者さんの記事のページビューが突出していくというような現象が、出てくる可能性はあるかも、という気がします。
「偏り」については、大して儲かる訳でもないのにこういう場にしこしこ記事を書いて投稿しよう、という強い政治的な情熱、それが、右寄りの人であれ、左寄りの人であれ、宗教家の方であれ、そういうマグマのようなものを抱いている理由、というのがたぶんあるのだろう。そういう思いを吐き出す場がなく、ネットが鬱積した思いのはけ口になっていく、というのは、わからないでもない。
だが、自分と異なる意見の人に対して、ただ一方的にガーガー叫んでみても、結局無視されるようになってしまうだけではないか。逆に、正反対の立場の人を怒らせ、激しい論争が始まる可能性が高いだろう。
しかし、論争が起こる、というのはある意味では良いことで、そのうちにお互いに落としどころはどこなのか、どうやれば歩み寄れるか、ということに気付くかもしれない。あるいは、「これは永遠に歩み寄るのは無理だ。だからお互いに近づかぬようにして、別々のたこつぼ型のコミュニティを形成して、幸せに暮らそう」という風になってくるかもしれない。
最近は社会のタブーになっているかにも見える政治や思想信条に関わる問題についても、梅田望夫氏のオプティミズムではないが、ネットの大海の中で多くの人の目にさらされるうちに自然と中庸を得てくるのではないか。
これが商売、特にエンタメ系のサイトならば、盛り上げる仕組み、、「祭り」の演出は不可欠だろうが、オーマイニュースは一応ネット新聞なんだろうから、あせらずぼちぼち、というペースでやっていけば良いのではなかろうか?私は、ソロソロと進水し、船がやっと前に進み始めた段階で、あまり厳しく言うべきではないんじゃないかと思っているのだが。そんな甘ちょろいことを言っていたら、忘れられて淘汰されちゃうのかな?
ついでに書いておくが、オーマイニュースに関してだけでなく、2ちゃんねるやブログなど様々なネット上のメディアへの投稿方法に対して、「匿名・実名論争」が長いこと行われている。このことについては、私は今の日本において、この論争をあまりつきつめるのは難しいのではないか、と思っている。
日本の社会では、「実名大歓迎、実名で自分の名をネット上になるべく広く知らしめたい。だから気合いを入れて頑張る」という人と、「実名だと何かとやりにくくなる。なるべく自分の本名はネット上で明かしたくない」という人に真っ二つに分かれている。前者はいわゆる士業系の方や中小企業の社長、フリーライター、ネット通販企業の店長など、知名度を上げてネットを通じて仕事を取りたい人、後者は、主婦層や学生等もいるが、特に大企業のサラリーマン、OLで、「会社にブログを書いていることを知られると自由に書けなくなる」と思っている人達だ。
アメリカのようにキャリアアップが前提となっている社会と違い、日本企業では、「出る杭は打たれる」という風潮がまだまだ強い。そういう現状がある以上、実名を強要するのはあまりにも酷なのではないか。
それと、ブロガーの皆さんも指摘しておられるように、毎日新聞さんなどは別だが、プロの記者が実名記事をほとんど書いていないのに、市民記者だけが実名、というのも、何か変な話である。
話は戻るが、キーワード検索、最近ではRSSリーダーというものも開発されてきたので、ネットはニッチの分野での情報発信に非常に強い。だから、オーマイニュースにも、「ファッション」というカテゴリはあって然るべきだと思うし、ファッションについて草の根の市民記者の皆さんがどんどん投稿されると非常に面白い紙面になるように思いますね。
さくら的には、一般紙さんや業界紙にすらあまり取り上げられないテーマ、「産地(地方)」、「ハンドメイド」(昔、毎日新聞さんの大阪本社版に森南海子さんの連載があったけれど、ああいう手作りとか、リフォームがまた見直されてくるんじゃないかな?)、「ユニバーサル・ファッション」、「C2Cビジネス」等の記事を、当事者やその身近な方々に是非発信して頂きたいと思います。
そんなこと言ったら、「お前がやれ」と怒られそうなんですが、さくら、はっきり言ってお金が儲かる仕事の方が好きなんで、当面はオーマイニュースへの投稿はしないと思います(笑)。
最後に、いろいろ検索してみて、気になったブログを2つご紹介させて頂きますね。
1つは、「
H-Yamaguchi.net」さんのブログ。オーマイニュースは左右の論争をウリにすればいいんじゃないか、というご意見、これはアタリ、だと私も思いますね。
もう1つは、北海道新聞の高田昌幸記者のブログ「
ニュースの現場で考えること」。「日本のメディアの構造的欠陥の一つは、ニュースの過半が「東京一極集中型発信」にあることは疑いない」(同ブログの8月29日付エントリ、「オーマイニュース、始まる」より引用)というご意見には、全く以って賛同です。
オーマイニュースでは是非、地方在住の市民記者さんの優れた記事を沢山読みたいものです。