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楽天さんの功績と長所をきちっと評価すべきでは?
2004年くらいから、わがファッション業界では、ゾゾタウンさん、マガシークさん、スタイライフさんや、モバイル通販中心のゼイヴェルさんなど、複数のブランドを集積したファッション専門の通販サイトのブームが盛り上がってきた。



セレクトショップ系、渋谷109系、百貨店系、ファッションビル&駅ビル系の人気ブランドは、こぞって今、それらのサイトに(しかも、大半のケースは複数のサイトに)出店しているのだが、ファッション系ネット通販の業界全体を俯瞰し、1995年以降の歴史を振り返った時に、絶対に忘れてはならないのは、楽天市場さんがファッションも含めて日本のネット通販を大きく発展させていったという事実である。



このことが、何故かわが業界ではあまり口の端に上らない。それは恐らく、楽天さんのサイトデザイン(ハデハデで価格訴求型)、取り扱いアイテムの幅広さ(ファッションとはイメージの合わないアイテムとも同居しなければならない)、モールへの出店形式で自社内のウェブマスターがサイトを更新しなければならない煩わしさ等が、ブランド力のある有名ブランドにとっては好ましからざるものだという共通認識があったということと・・・。



ネットにうといファッション関連の業界紙が、楽天さんに食い込むタイミングを完全に逸してしまったということが原因なのだと思う。



もう1つ、さくらの知人でも、2000年以前からネット通販に着手していた先駆者の方々の中に、アンチ楽天、独自ドメイン一本で、という方々がおられる。こういう方々が指摘しておられる、楽天さんの強引なビジネス手法(初期の頃は特に、モール出店者との間にトラブルが多々あったと聞く)や、顧客名簿が手に入らないという問題などは、至極もっともで、わからないでもない。



だが、それらの現実を知った上でも、私はやはり、楽天さんの長所を、ちゃんと評価すべきだと思うのだ。



実のところ、自分が顧客としてもやっぱり買っていますからね、楽天さんから。商品が検索しやすく、日替わりでいいものが安くなっていたり、共同購入、共同販促も魅力的だ。



そういう私みたいな人間が多いからだろう。やはり、売れているんですよ。いろいろな中小メーカーさんにお話を伺っても、ヤフーショッピングさんよりはるかに楽天さんの方が売上げが高い、という企業さんばかりなのだ。



ファッションの場合、リアルで一流の立地に出店できているようなブランドは、良い商品さえネットにもまわしておけば、正直、さほど苦労なく売れる。実は、人気ファッション専門サイトに依拠しなくても、システム開発と受注から物流、代金回収までトータルの仕組みを自前で構築してしまえば、丸井さんやワールドさんの通販サイトが良い例なのだが、あっという間に数字は叩けるようになる。



人気ブランドというのは、皆が検索ウインドウに直接ブランド名を入力してやってきてくれるもの、ネット上でのブランディングや検索エンジン対策は必要ないからなのだ。



ところが、価格もそう高くないし、これといった際立った特徴もない卸型のブランドなどに、ブランド名そのものが検索キーワードになるまでのパワーはない。更に、一般名詞のキーワードすらはっきりしないブランドには、何らかの形の別の販促方法が必要なのだ。



そういうブランドであっても売れる、売っていける仕組みを、楽天さんは草創期から出店者と共に苦労して作り上げてきている。更に、お金さえ払えば、「雑誌に掲載されていない」だの「うちのサイトには合わない」だのといった理由で出店を拒まれることもない、皆に対してチャンスの平等も開かれている。



メーカーだけでなく、地方の小売店にとっても、このチャンスの平等、ということは大きな福音になった。更に、一部のファクトリーブランドにとっても。



独自ドメイン主義を取っておられる方がよく、「楽天は売りやすいけど、楽天育ちの人には独自ドメインでなかなか売る力がつかなくなる」というのは、私も本当のことだと思っております。ネットにかける比率が高い人は、楽天さんだけでなく、きちっと顧客名簿が作れる自社サイトを構築すべきだろう。



しかし、小売業発の人にとっては今や楽天出店は時期遅しの感も確かにあるのだが(むしろ先に独自ドメインでリアルのエリアマーケティングをする方が良いかも)、リアルの商売がある程度安定しているアパレルや製造業の方の場合、今からでも楽天でしっかり数字を挙げることを狙っていく、というのは、手堅い戦略だと思います。



というのは、「モール」だから、なんですよ。ただ買い取りや委託で商品を出すだけでなく、楽天さんの仕組みに乗っているとは言え、ネット販売のノウハウが社内に残るからなのだ。



ブランドや商品そのものの競争力がそこまでない、と思われる企業さんや、販促やネット上での接客等、トータルの力で非力をカバーする必要がある。ゾゾさんやマガシークさんスタイライフさんゼイヴェルさんなどに事実上商品を置いてもらうのが難しいアパレルさんや工場さんにとっては、楽天さんは知恵と工夫と頑張り次第で大きく伸ばせる可能性がある大切な売り場の一つなのではなかろうか。
 2006/11/21 01:15  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール

岡山大学法学部卒、(財)ファッション産業人材育成機構・IFIビジネススクールマスターコース中退。高級婦人服専門店の百貨店インショップの販売員、日本繊維新聞中国支局(岡山)記者を経て、現在は東京・両国にあるファッション関連企業の支援機関の職員として、地元を飛び回る日々を過ごしております。
趣味:読書、ネット&ケータイサーフィン、婦人服のショップを見て回ること、美術館巡り、ヨガetc.,

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