
きのう某ブランドのショールームでの取材を終えようとしていたときのこと。
お話をして下さったY本さんが腕時計を見ながら、
「そろそろ矢田亜希子さんが来るはずなんですけどね」
「女優の?」
「ええ。うちのブランドのファンで、プライベートで買いにいらっしゃるんです」
予定変更。
矢田さんが来るまで取材を引き伸ばすことにした。
狭いショールームなので、もしかしたら握手くらいしてもらえるかもしれない、2ショットで写真を撮らせてくれるかもしれない、さらには……と妄想は限りなく広がった。
聞くべきことはすべて聞いていたが、業界人の人事消息やたわいもない世間話で話を伸ばし、写真撮影も普段に比べてやたら丁寧に行なった。それでも矢田さん、まだ来ない。
次の取材に間に合わなくなってしまうので、あきらめて失礼しようと思ったその時、ショールームのすりガラスの扉に女性のシルエットが−−。
違った。ただのお客さんだった。思わず舌打ちしそうになった。
結局私がいる間に矢田さんは訪れず、次の取材にも遅刻してしまいました。反省してます。(H)