
ジーンズを持つこの人は、豊島の佐藤健二さんです。国産第一号のジーンズといわれる「キャントン」がこの秋、豊島によって蘇ります。その仕掛け人が佐藤さんなのです。
「キャントン」は1960年代前半、衣料品輸入業を営んでいた大石貿易によって、米キャントン社製の14オンスデニム使用による国産初のジーンズブランドとして誕生しました。現在世界的に高い評価を受けている日本製ジーンズは「キャントン」から始まったといえます。しかし一時は圧倒的人気を誇ったものの、契約問題のこじれや後発ブランドの追い上げにより表舞台から去っていました。それを復活させたのは、試行錯誤で誕生した「キャントン」にものづくりスピリッツを感じていた佐藤さん、その上司で若手時代に「キャントン」の生みの親である故・大石哲夫氏の薫陶を受けていた高塚俊英常務の熱い思いに他なりません。3990円のユニクロジーンズから4、5万円もする高級ジーンズまで、あらゆる種類のジーンズが溢れる今だからこそ、日本のジーンズの原点を見つめ直す試みに多くの専門店が賛同したのでしょう。デニム苦戦といわれる中でも、バイヤーの評価は高かったようです。
専門商社である豊島はジーンズのOEM(相手先ブランドの生産)やナショナルブランドの生産支援で長年の実績がありますが、自分でブランドで展開するのは今回が初めて。それだけの思いが込められたブランドなのです。
(H)
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