
2007年の世相を表す漢字が「偽」になりました。
先日、ある方とこの話題になったら「食品業界はいいですよ。偽装問題で世論が厳しくなって…」とおっしゃっていました。この方はブランド品の模倣品対策の専門家。取り締まっても取り締まっても減らない模倣品に頭を痛めているのです。
世界の模倣品・海賊版の取引額は80兆円。日本の国家予算(一般会計)とほぼ同じ規模にまで膨れ上がっています。国際問題に発展した模倣品に、政府も本腰を入れだしました。経済産業省は、アメリカやEUなど30カ国と模倣品防止のための国際条約締結に向けた多国間交渉を進めています。これまで国ごと知的財産に関する法律やシステムが異なり、模倣品が入り込むスキになっていたわけですが、国際スタンダートを作ってバリアを張ろうという試みです。
日本においてはインターネットオークションが模倣品の温床と批判されてきました。しかし最大手のヤフーでは24時間200人の監視体制をしいて模倣品を削除するなど、防止策に力を入れてきました。そのかいあってか、あるフランス高級ブランドの特定商品は5年前は出品の8割が模倣品でしたが、直近の調べではほぼゼロになっています。ところが模倣品は規制の緩いところへと流れる傾向にあります。たとえば若い女性に人気のケータイオークションサイトでは先月のある日、特定ブランドの出品210点のうち195点が偽物という調査結果が出ました。このケータイオークションサイトでも今月に入って対策強化に乗り出したそうです。
ただ、パソコンの画面上で真贋を判断できるのは、「わかりやすい偽物」に限られます。精緻な模倣品を見破ることは難しい。さらにヤフーオークションは今月から世界最大のオークションサイト、米イーベイとの提携をスタートさせました。システムの上では言語の壁を越えた個人間の商取引が可能になりましたが、模倣品対策に関しては法整備を含めて課題が山積しています。(H)
コメントする