
今年も夜露死苦。編集Hです。
さて、私にとってブログ始めの今日は、年末年始に読んだ本を紹介しましょう。
ピエトラ・リボリ著『あなたのTシャツはどこから来たのか? ―誰も書かなかったグローバリゼーションの真実―』(東洋経済新報社)。
1枚のTシャツの生産と流通に関わる人たちを通じて、世界経済、政治、歴史まで壮大な物語が紡ぎだされる。
米国の経済学者である著者の取材手法は実にユニークである。マイアミのドラッグストアの店頭で安売りされていた5ドル99セントの中国製Tシャツを購入する。これを足がかりに、タグにプリントされた製造元にさっそく電話。この安Tシャツの故郷を辿るようにスタートする旅は、中国、米国、英国、タンザニアと4大陸を横断しながら、時には200年前の英国産業革命、米国奴隷時代までさかのぼる。米国綿の競争力の裏側にある農家の政治力と労働力、中国の紡績工場や縫製工場を支える女工たちの生活実態、世界に自由貿易を謳いながら繊維産業に関しては幾重もの保護政策をとリ続けた米国政治……。「たかがTシャツ」と侮ってはいけない。繊維貿易は80年代にレーガン大統領によって共産主義との戦いに利用され、現ブッシュ大統領はテロとの戦いで外交に用いた。私たちが普段何気なく着ているTシャツに、こんなたくさんのドラマが詰まっているのかと興味が尽きない。
豊富な取材と資料に基づくエピソードから、繊維産業に携わる人たちの本音と息遣いが聞こえてくる優れたドキュメンタリーである。ぜひご一読を。
コメントする