|
||
僕の親父は、定年退職して一年後に61歳で肺の病気で他界しています。ゴルフなどの趣味も特になく仕事が生き甲斐の人でした。とにかく、曲がった事が大嫌いで、見ず知らずの人にも説教をするくらいの堅物です。「他人に迷惑をかけるな!」この言葉は小さい頃から言われ続けてました。 退職してからは、自宅通勤の僕を毎日、愛車のパジェロで最寄りの駅まで送ってくれるのが日課になっていました。ほんの5分位の時間がビジネススクールになっていました。父は持病があたっために、起業したかった夢を僕に託したかったんだと思います。「早く起業しろ、俺は掃除でも何でもやるぞ」そんな最高の父が、とてもカッコいい父が・・・。 父は肺に持病があり定期的に病院に通っていたのですが、ある日から突然ですが父が急激に変わってしまったのです。意味不明な話を突然したり、家で暴れたり・・・。あまりに、ひどくなったと連絡が入り早退して家に戻ると家の中がめちゃくちゃになっていました。悩みぬいた末にやむを得ず、僕は大好きな父を精神病院に入院させたのです・・・。 僕はなぜ、父が急変したのかをしりたくて主治医に会いにいきました。すると何とその主治医からの言葉が原因だったのです。父の身体は想像以上に悪くて、何年も前から肺の一つは機能していなかったらしく、ハードな仕事での無理がきていたようでした。 『もって、後一年の命です』と父に言っていたのです。信じられますか?家族に相談もせずに、本人に伝えるなんて・・・。本当に最低の医者だと思います。言い訳としては医者には告知の義務があると言うんです。告知しないと後々で問題になるだの様々な言い訳を一生懸命していました。そうです、自分に何か問題にならないようにマニュアル通りの対応をしたのです。 僕は、今でもあの医者が絶対に許せません。 せめて、家族に連絡をしてくれていたら・・・。厳格な父は死を宣告されて、心配かけまいと誰にも言えずに一人で戦っていたのです。その後、僕はすぐに退院をさせて父と向き合うことにしました。でも気力を無くしている父は、一月もしない内に帰らぬ人になりました。人間はとっても弱くて繊細な生き物です。さまざまなきっかけで、精神が壊れてしまう危険を誰もが持っていることを少しでも知ってもらえればと思います。 時には、頑張らないでゆっくりする事も大切ですよ・・・。生きて行くだけでも、大変なことなのですから。 僕にとっては、絶対に絶対に追い越す事はできないカッコイイ父です。でも、いつか父が認める男になりたいですね。 おしまい・・・。 |






