いやな御時世でございますネ♪♪♪
 先週は「ファッション販売」カラー原稿のメ切りがあり、ららぽーと横浜、流山おおたかの森SC、東京ミッドタウンを計6ページにまとめました。某セレクトショップのフラッグシップについてレポートするというWWDの原稿依頼は、ちょっと考える事があって断ってしまいました。先月も某百貨店リモデルのカラー原稿を、取材した上でお断りしています。
 昔は手厳しく書いても正論なら受け入れられたものですが最近の業界人は心が狭く、もろ逆恨みされて出入り差し止めとか契約解除とか実害が発生する事もあり、わずかな原稿料の百倍もの実害が出た事もありました。事実と異なる提灯記事を書く気にもなれず、いやな御時世でございますネと世を儚んでおります。『最近、企業もの記事をあまり書いていないですね』などと言われる事がありますが、書くに書けない事情なのです。
 加えて最近は上場企業でも秘密主義の所が多く、決算書や広報資料以上の情報をまったく出してくれず、肝になる実情がつかめないケースが大半なのです。広報/プレスの締め付けも厳しく、持ち上げてくれないなら協力しないという姿勢に徹しています。これでは提灯記事しか書きようがなく、かつての小島節を期待する向きには応えようがありません。
 5日に開催した『セレクトショップ/百貨店自主売場MD&売場運営ゼミ』は期待したほどの集まりではありませんでしたが受講者の評判は良く、なんとかなったかなというのが実感。百貨店人は権威主義で実務の勉強に積極的でなく、毎回、失望させられます。今後は百貨店を対象としたセミナーはやりたくありません。12日に予定している『売場運用ショップ運営ゼミ』はお集りが良く、もう数席しか残っていません。御興味ある方はお急ぎお申し込み下さい。
 2007/04/09 10:42  この記事のURL  /  コメント(0)


東京ミッドタウンに外人租界を感じました
 東京ミッドタウンは六本木ヒルズと較べると施設の配置が解り易く、ギラギラしたスノビズムも適度に抑制され、落ち着いた雰囲気で好感が持てました。オフィスやレジデンス、ホテルが主役の複合都市開発で、商業施設は「ガレリア」を中心とした2万4000平米ほど。その「ガレリア」とてレストランやサービス関連が主役で、ファッション関連は上品かつコンパクトに抑えられていたのが印象的。その中で「リステア・ミッドタウン」だけギラギラ目一杯、スノビズムを追っていたのが不思議でした。
 個人的な印象を言えば、六本木が特別な外人租界だった60年代の選民的クローズド・コミュニティの今日的再現が暗喩されているように感じます。「ガレリア」のパブリックデザインなどに当時のキャピタルヒルトンやオークラのジャポニスムを想起するのは私だけでしょうか。とまれ、東京ミッドタウンは六本木ヒルズのように大衆のスノビズムを刺激する事を避け、この高価なコミュニティに暮らす選ばれた人々に最高の快適さを提供する事に徹していると評すべきでしょう。
 私はと言えば、都市生活で一時のファーストクラスを味わうフライト感覚は好みませんから、東京ミッドタウンにははまらないでしょう。ましてや、セレブ気分でのショッピングなど、まったく興味がございません。でも、年末年始などにリッツカールトンのクラブスウィートをとって一時の外人租界を味わうのもいいかも知れません。
 今週は木曜日に百貨店の自主売場やセレクトショップを対象にしたMD&売場運用ゼミを開催します。まだお席がありますから、御興味ある方は是非、御参加下さい。
 2007/04/02 11:32  この記事のURL  /  コメント(0)


東京ミッドタウンに行きます
 先週も幾人かが当社を訪れ、R氏は米国のアパレル業態開発、Y氏は壮大な資本戦略を語ってくれました。R氏のひたむきな研究熱心さ、Y氏の謀略を熱く語る姿に思わず引き込まれてしまいました。いろんな人が訪れてそれぞれに熱く語ってくれるのはうれしいものです。私はと言えば幾つかのVMDクリニックをこなし、木曜/金曜夜の「販売データ交換会」を仕切る合間を縫ってコソッと名古屋を調査に行きました。都心の某大型物件の開発プランを立てるためです。それ以上は内緒です。
 月曜午後には東京ミッドタウンのプレス・プレビューに行き、幾つかの義理があって夜のレセプションにも顔を出します。バブルっぽいプロジェクトが溢れかえる東京ミッドタウンは疲れそうで、早々に撤退するつもりです。ちなみに、六本木ヒルズは何度行っても右も左も解らず、這う這うの体で逃げ帰っています。よほど性に合わないのでしょう。東京ミッドタウンも同じようになるのでしょうか。
 
 2007/03/26 15:03  この記事のURL  /  コメント(0)


GMS核抜きが進む
 先週は「ららぽーと横浜」と「おおたかの森SC」を取材しました。「ららぽーと横浜」は魅力的なテナントが揃って強力な集客力を感じさせましたがプレスデイから渋滞に囲まれ、本オープン後のカーアクセスが不安になりました。GMS核抜きが通例のららぽーとではめずらしくIYが入っていましたが在らずもがなの内容で、この面積がモールだったらもっと魅力的なテナントが揃えられたのにと考えさせられました。先週の米国視察で幾つも見た巨大SCも多くの面積を複数の核デパートに割いているためモールそのものは最近の日本の大型SCと大差ないバラエティで、中規模SCの核外しリモデル(何故かライフスタイルセンター化と言われている)がブームとなっているのも納得出来ました。坪効率も家賃もモールテナントより格段に落ちるGMS核を導入するメリットは何処にも見出せませんから、日本でもSCの大小を問わずGMS核抜きが進むのは避けられないでしょう(販売効率の高いSSMは残ります)。
 「おおたかの森SC」は流山おおたかの森駅前に位置しコンパクトにまとめられたSCですが、お隣り駅の「ららぽーと柏の葉」の男っぽい構成に対して女性的な構成で、互いに補完する良い関係になりそう。どちらもGMS核は無く、「ららぽーと柏の葉」はSSM(東急ストア)、「おおたかの森SC」は高島屋の食品大店とIYのSSMが核になっているだけです。
 2007/03/19 11:13  この記事のURL  /  コメント(0)


米国視察から還って来ました
 日曜の夕方、NYからNARITAに還って来ました。火曜日から4泊でNY&NJとW.DCのSCを駆け足で調査していたのです。リムジンをチャーターしてSCからSCへと巡り、徹底チェックした注目業態/新業態を29日のSPACで報告します。“MARTIN+OSA”も“JIMMY'Z”“SOMA”“CUSP”も期待外れでしたが、さすがにアバクロ系はシェイプが進んでいました。
 NYでは“THE KITANO”、W.DCでは“THE Ritz−Carton”を常宿にしていますが、“THE Ritz−Carton”は言われているほどサービスは良くありません。確かにお部屋は洗練されていますが、SURPRISEどころかベーシックなサービスもいまひとつで、融通も効きません。それに引き換え“THE KITANO”はきめ細かいところまでサービスが行き届き、融通も効きます。日本人スタッフの細やかな配慮が嬉しいですね。NYでは一番のお勧めです。
 今日はこれから「ららぽーと横浜」のプレスプレビューに出掛けます。こちらの方が米国よりホットな新業態が見つかるかも。
 2007/03/12 12:10  この記事のURL  /  コメント(0)


春物に着替えましょう
 先週は年明けから走り放しだったせいかチョイお疲れ気味で、何とか予定をこなして週末に逃げ込んだという感じ。某SPAブランドのプロトタイプ企画とか某大手アパレルのブランド戦略検証とか幾つかの店頭VMDクリニックをこなし、木曜/金曜夜の月例「販売情報交換会」を何とかまとめ、よれよれになって週末に倒れ込みました。
 今週は某スポーツカジュアルブランドのMD展開企画と出店戦略の提出、某大手量販店でのトレンドディレクション、毎度の店頭VMDクリニックに加え、一日には西武百貨店渋谷店のリモデルを取材します。他にも鬱陶しい打ち合わせが幾つかあり、乗り気のしない週です。来週にはもっと乗り気のしない米国出張が控え、片付けられないでいる課題も山積で鬱々としています。救いなのは陽気のせいか今年はデッキの薔薇達の発芽が早く、チラホラ咲いている花も見られる事ぐらい。店頭VMDクリニックも季節進行が早く、フリルやレースの白い綿アイテムがレイヤードのキーになって来ました。モードっぽいアイテムは一巡し、マリンやプレップに加えて早くもリゾートアイテムも登場するなど、一気に初夏っぽくなってきた感じ。風はまだ寒いけど春物に着替えましょう。
 
 2007/02/26 11:02  この記事のURL  /  コメント(0)


新プロジェクトが始まりました
 先週は新たに取り組む事になったランジェリー/レッグウェア/ホームウェアSPAのモデル店舗において、テイスト編集の打ち合わせを行いました。ランジェリーはグラマラス〜エレガンス、レッグウェアはナチュラル/エレガンス/モード、ホームウェアはナチュラルコンフォートと3者でテイストが相当にズレており、秋の新編集業態開設までに商品開発をコーディネイトしていかなければなりません。価格はビックリするほどの安さで、ブラとショーツのセットものが1900円〜2300円、ショーツは三枚1000円、ホームドレスは1900円と、量販店がばか高に思えるほど。ランジェリーなど一見するとブランドものと大差ないように見えますが、当社の女性コーディネーターに言わせるとブラのカットやレース素材はまったく次元が異なるそうです。商品の事は彼女達に任せ、おじさんは編集と店舗環境設定に注力しましょう。
 先週はまた、某外資系カジュアルブランドの半期デリバリー編集を1日缶詰めで行いました。レディス/メンズの全色サンプルを一室に集め、シーズン進行に合わせてアイテム/デザインとカラーの展開を組み直して行くのです。何百というサンプルを月別に編集する作業は店頭での編集作業と大差なく、黙々とハンガーを移動して行きました。極度の集中を要する作業のため、夕刻にはもうヘトヘトになっていました。
 今週は朝な夕なに4件のVMDクリニックをこなし、某大手アパレルのブランド展開検証レポートも提出しなければなりません。木曜(レディス)と金曜(メンズ)の夜には月例の「販売情報交換会」を主催するので、一週かけてゾーン別の店頭動向/スタイリング動向をまとめねばならず、また忙しい週になりそうです。
 2007/02/19 10:46  この記事のURL  /  コメント(0)


四苦八苦しています
 先週は当社主催の『ビッグコンベンション』『07AWマーチャンダイジング戦略ゼミ』に二つの外部講演も重なり、プロジェクト業務の仕上げもあって大忙しで、くたくたになって3連休に逃げ込みました。ポイントの石井社長とフランドルの栗田社長の対談という目玉も効いてか『ビッグコンベンション』には180余名の御参加を頂き、記録的な盛り上がりとなりました。
 今週は某SCのリモデル企画提出報告に始まり、3件の店頭VMDクリニックと新店の立ち上げセッティングをこなし、某仏系ブランドのMD展開を詰め、木曜には月例の『出店案件審査会』(ほぼ一年先に開設されるSCの販売効率を推計して出店の適否を判断)を主催します。加えて、某スポーツカジュアルブランドのスタイリング&MD展開設計(月度のMD展開表とスタイリングイラスト)を仕上げ、店舗布陣計画も立案しなければなりません。懸案になっている某大型SCの核百貨店導入工作も急がねばならず、まさに四苦八苦の日々となりそう。ちなみに新スタッフの目処は未だついておらず、お先真っ暗という状況です。
 2007/02/13 11:45  この記事のURL  /  コメント(0)


外部スタッフの協力を求む
 先週は仙台出張(某百貨店自主売場のVMDクリニック)で1泊し、月度の販売データ読み会(都内主要百貨店バイヤーの情報交換会)で木/金と遅くまで盛り上がりました。この他、月曜日と金曜日には大型SCと百貨店の出店審査レポートの提出報告があり、その合間を縫って木曜は某SCコンサルタントのセミナーを聴講しました。受講したセミナーは朝の10時半から夕方5時までの実質5時間半だったのですが、前置きが長く同じ内容を繰り返すなど、当社なら半分の時間で済ませる内容でした。忙しいのだから短時間高密度にやってほしいのですが、時間当たり受講料が高く感じられないように長々とやるセミナーが多いのには閉口します。ちなみに、そのセミナーの時間当たり受講料は約5500円、当社公開セミナーの平均的な時間当たり受講料は約11000円〜12000円です。今期は六つの公開セミナーを予定しています。
   ・・・・・当社「07年春期公開セミナースケジュール」はこちら
 今週は8日に半期に一度の『SPACビッグコンベンション』を開催し、私の政策提言に加えてポイントの石井社長とフランドルの栗田社長のパネルを行います。その後の懇親パーティではお二人を囲んでシャンパンとフランスワイン(なかなか飲めないようなシャトー物がズラリと並びます)を楽しんで頂く予定です。メンバーは必参加ですネ。まだメンバーになっていない企業もこの機会に是非、SPAC参画を御検討下さい(オブザーバー参加も承ります)。
   ・・・・・『SPACビッグコンベンション』の詳細はこちら
 今週はその前に外部のセミナーが二つ、9日には当社で主催する『07AWマーチャンダイジング戦略ゼミ』もあり、関西某郊外SCのリモデル企画仕上げもあって超忙しの週になりそうです。未だ新規スタッフも決まっていないのに3月には米国視察も予定されプロジェクト業務も押せ押せで、先行き不安で胸が潰れそうです。新規スタッフももちろんですが、経験豊かな外部スタッフの協力も必要としています。
   ・・・・・『07AWマーチャンダイジング戦略ゼミ』の詳細
         ・レディスウェア編はこちら
         ・メンズウェア編はこちら
 2007/02/05 12:32  この記事のURL  /  コメント(0)


コレクションMDから月度展開MDを組む
 先週はロンドンと東京でふたつの欧州ブランドの日本展開MD組み立てに関わりましたが、どちらもオリジナルMDは季節感を欠いており、月度に切り替えて行く日本展開MDに組み換えるのは難渋しました。どちらのコレクションもパリで組まれているのですが、シーンテーマやスタイリングテーマがほぼ季節に関係なく並行展開されていくパターンで、カラーパレットも並行してしまいます。どっと投入して売り減らしていくわけで、在庫は半期で一回転しかしません。欧州式のコレクションMDとはそのようなもののようで、季節感を訴求して半期で3回転以上を回す日本式のMDとは隔世の感があります。
 パリやロンドンに季節がないかと言うと、「日が短くなるとピノの新酒が出回り・・・・」「プラタナスの落ち葉がペーブメントに・・・・」「寒さが身に凍みるようになるとジビエが恋しくなる・・・・」などと言いますから決してそんな事はないのですが、秋がごく短く冬が長いのは事実でしょう。店頭のデリバリーを見ても、機動的なSPAやごく一部のラグジュアリーブランドを除いては、バカンス明けにようやく秋物が入り始めたと思うと9月第2週にはウールコートまでが並ぶという忙しなさで、短い秋の後は9月後半から長い冬展開になり、11月末になってようやくクリスマス休暇向けのホリデイやクルーズが投入されるという変化しかありません。長い冬+半秋/半ホリデイの計2期展開がせいぜいという印象です。リテイル系SPAや一部のラグジュアリーブランドではホリデイの投入がもっと早く、毎月のウインド打ち出しにも変化が見られますが、MD総体が月度展開されるというのは極めて例外的なようです。
 鮮度と変化を訴求して在庫の回転を上げるには月度MDが不可欠で、テーマとカラーパレットが月度に切り替わって見えるよう、かつ月度にスタイリングが決まってキーアイテムの奥行きが出るよう、四苦八苦しながら組み直しました。実際の売場展開でも前月のアクセントカラーを抜き上げたり色回ししたりし、パキっとした切り替えが成り立つよう在庫運用すべきでしょう。
 
 2007/01/29 10:24  この記事のURL  /  コメント(0)


ロンドンから帰って来ました
 日曜日に成田を立ってロンドンで2泊して仕事を片し、水曜日の夕刻に成田に帰って来ました。ロンドンのホテルは今ひとつだったけどJALのシートはゆったりしていて、しっかり眠れました。眠い中で見た浅田次郎の「メトロに乗って」は泣けましたネ。岡本綾が演ずるMICHIKOが自らの出生を断つシーンは涙なしには見れませんでした(行き帰り2度も見た)。
 さすがにロンドンは東京より切れるように寒かったけど、現地では記録的な暖冬だと言っていました。駆け足で春の立ち上げもチェックしましたが、ラグジュアリー系はコレクションで見た通りで「ああそう」という感じ。トップショップの60'Sモダンなヴィンテージ調ドレスのオンパレード(千着じゃ効かないほど)が印象的でした。
 月〜水と会社を空けていましたから、木曜朝には判断案件とチェック案件が山積み。それを午前中に片し、午後はパシフィコ横浜(SCフェアの最終日なのです)まで飛んで行ってデベロッパー関係者に顔を売らなくてはなりません。いいお仕事がいっぱい来るよう営業に出かけるのです。
 金曜日は某大手アパレルで07AWのディレクションセミナーをして、夜は某大手百貨店で春立ち上げの売場VMDクリニック。ロンドンで別れた頑張り女史と再会してコレクションのMD展開構造を議論する事になりそう。土曜日はある仏系ブランドの07AWコレクションからMD展開を詰めるのでお休み出来ません。午前中には目処を付けてオフにしたいものです。お疲れさまという感じなのですが、未だ新スタッフのあてがついていないのが気掛かりです。
 2007/01/25 11:51  この記事のURL  /  コメント(0)


誰か手伝って
 年末からSC評価やリモデル企画の仕事が相次ぎ、多忙を極めています。前者は不動産あるいは受益権の取得を想定したもの、後者も大規模投資による付加価値向上を目指したもので、新規大型SCの開発規制によって既存SCへの投資意欲が高まっているのが実感されます。SC評価業務は独自のデータと多層環商圏占拠率計算に基づくハフモデル的売上予測が基本で、デスクワークで大半の作業は終わってしまいますが、特殊な要件がある場合は現地調査も加えています。リモデル企画でも同様な検証を行いますが、売場調査や客層調査も重視し、スタッフ総出で現地に出かける事もあります。
 1月はブランドビジネスの来秋冬コレクションから国内展開のMDを組むという重要業務も重なり、神経をすり減らし気味。クリエイティブかつ経験蓄積を要する業務なので部下のサポートも望めず、私一人がクライアントのスタッフと缶詰め状態で取り組んでいます。国内での作業ならともかく、パリやロンドンまで出掛けて缶詰めになるというのはハードワークで、正直言ってちょっと滅入ります。
 来週はロンドン出張で大半が潰れそうだから、今週中には幾つかのSC評価案件やリモデル案件に見通しをつけなければなりません。スタッフ不足に青くなるのも必然の状況なのですが、よほどの人材でない限り戦力になるのは半年か一年先なので、今は気力で乗り切るしかありません。誰か手伝ってくれませんか。
 2007/01/15 10:58  この記事のURL  /  コメント(0)


スタッフを募集します
 2年かけて育てて来たレディスMDコーディネーターのOさんが家業(テキスタイル企画販売)を手伝わねばならなくなり、3月末で退社する事になりました。マーケットやスタイリングの捉え方、MD展開の読み方、その文章表現など一通りマスターしたところだったので、大変残念です。昨年末にはメンズMDコーディネーターのM君がMD実務のキャリアを積む為、大手アパレルの現場へ出ていきました。外資ブランドビジネスから当社に来てまる3年、マーケット動向やMD展開を読む力は抜群だっただけに非常に残念です。彼のキャリアステップを考えるならMD実務のキャリアは不可欠で、やむを得なかったと思います。
 当社のスタッフは、MD実務を経験した上で入社し長く居られる方、次にMD実務に付く為に2〜3年、当社でキャリアを積む若い方、の2タイプに分かれます。後者の場合、ほぼ全員が希望通りに有力企業のバイヤーやMDに栄転しており、有給のビジネススクールみたいな性格があります。もちろん、まともなお給料が出てボーナスも有給休暇もあるちゃんとした待遇なのですが、将来の第一線MDや事業ヘッドを目指す方には
最適なキャリアステップとなるようです。
 2〜3年でキャリアアップされては当社としては苦しいのですが、これも事業の公的負担と諦めています。転職していったスタッフが数年後に重要なポストに付き、当社のSPAC研究会に参加してくれたり仕事を繋いでくれたりというケースもあり、卒業生と割り切る事にしています。
 という訳で、レディスのMDコーディネーター(109系からOLまでカバー)、メンズのMDコーディネーター(モール系から百貨店系までカバー)、各一名を募集する事になりました。一応、『専卒以上でバイヤーや商品企画の経験がある25〜30才ぐらいの方』という募集条件ですが、感性に恵まれ基礎学力が高く吸収力のある方なら短期間で離陸出来ると思います。レディス/メンズともしっかりした先輩がいますから、手取り足取り教えてくれるでしょう。
 現存スタッフに言わせれば私の要求水準は高く日々の研鑽が不可欠との事ですが、業務の多くは定型化されており、きちんと手を抜かずステップを踏めば必ずマスターできます。このブログを読んでいるのはもっと高いキャリアの方が多いと思われますが、後輩に声を掛けて頂ければ幸いです。
 ※応募の方は当社ホームページの募集フォームからアクセスするか、採用担当の掘/深野まで直接お電話下さい(03-3403-8233)。募集の詳細はこちらから。
 2007/01/09 10:59  この記事のURL  /  コメント(0)


事業再生コンサルティングに取り組みます
 昨年末、某大手セレクト企業が役員含みでM&Aの専門家を招聘。その方を紹介された時、『いよいよライブドア戦略ですね』と言いたくなるのを飲み込みました。「ライブドア戦略」と言うと如何にもうさん臭く聞こえますが、『M&Aによって入手した事業を再生して付加価値を高め、株式公開や転売、あるいは自社の成長や株価上昇によって利益を得る資本戦略』と定義される立派に確立された成長戦略なのです。ライブドアはその過程でインサイダー取引や粉飾決算などの違法行為を行った事が指弾されただけで、合法的に行うなら実に効果的な成長戦略であり、イオングループが先行して実践しファーストリテイリングも志向する上場企業のメインストリームと言うべきものなのです。もちろん、前述した某大手セレクト企業に対しても、肯定的な意味で一言述べたくなったわけです。
 近頃は大変な人手不足で、売場スタッフはもちろんですが、事業の盛衰を左右するCOOやMD、営業部長クラスの適材入手は困難を極め、コストも急上昇しています。そんな中、自社で事業を拡大するスピードには限界があり、一気に事業と人材を入手出来るM&Aが極めて魅力的な手法として注目されているのです。某セレクト企業も危なっかしく見えるほど新業態を布石し続けても期待する成長には遠く、資本マーケットの評価を得るにはM&A戦略が不可欠と決断したのでしょう。
 ファンド系に加えて現業企業までもがM&A戦略にしのぎを削るようになれば事業買収の波はさらに高まり、買い値も釣り上がっていきます。となれば、買収した事業をより短期により高付加価値に再生できる技量が問われる事になり、事業再生戦略のキーマンとして戦略コンサルタントや辣腕事業責任者が希求されるのは間違いありません。よって、今年のメイン業務として事業再生コンサルティングに取り組む事にしましょう。となれば、六本木ヒルズに本社を構える某大手ファンドともコミュニケーションを深めなくては。
 
 2007/01/05 16:09  この記事のURL  /  コメント(0)


冬休みは宅に籠ります
 先週は『MDディレクション』が完成して契約各社での解説セミナーが始まり、来春からの新たなプロジェクトの契約や打ち合わせが重なって一気に忙しくなりました。今週は28日までに仕事を済ませ、29日からは長い冬休みに入ります。それまでに『MDディレクション』の解説セミナーや関西に出張しての調査、繊研新聞と販売革新の原稿を終わらせなくてはならず、日曜日は原稿作成に潰れてしまいました。
 冬休みに駆け込めば忙しい日々から解放されると指折り数える日々ですが、心身の疲労はもう限界寸前。冬休みに入ったら何をするかって、今年は何処にも行きません。ハワイはもう飽きたし、行きたいリゾートホテルもありません。南仏はまた行きたいけど、やはり夏が一番。スキーはいいけどラグなリゾートは見つかりません。結局、薔薇の手入れをしてTVを見て、来年の計画を立てるしかないのでしょう。次の出版の構想も立てなければなりませんから御籠りになりそうです。
 2006/12/25 10:26  この記事のURL  /  コメント(0)


07AWの『MDディレクション』が完成しました
 今週は『MDディレクション』(レディス版/メンズ版)の仕上げに追われました。各テーマの素材ボードもギリギリ間に合い、ヘッドラインも適確な提言がまとまり、三橋女史に依頼した装丁グラフィックデザインもイケてるものが上がって、まずはホッとしています。20日から契約各社を回って解説セミナーを実施する予定です。
 07AWレディスのコアトレンドは、ヤングでは80'S的アヴァンギャルド、キャリアではクリエイティブ・コンフォート。今年のモードシフトの反動で、面はナチュラル方向/フィットはコンフォート方向に振れると予想されます。メンズではストイック/リラックス/アンダーグラウンド志向が強まり、80'S、テッズからボヘミアン、デカダンスまで、多様なスタイリングが拡がりそう。
 リアルで精密な客層スタイリングボードを基軸に、各テーマともスタイリング/カラーリング/素材構成がビジュアルに提示されますから即、MD政策や企画に活用出来ます。ほぼ2ヶ月かけて細かいステップを踏んで組み上げて行った完成度の高いディレクションで、マーケット動向とトレンド情報が精密にクロスされています。
 毎度の事ですが、この『MDディレクション』が終わると暫しバーンアウトしてしまいます。2ヶ月間、スタッフと激論して詰めて来た疲れがどっと出るからでしょう。各担当スタッフはもっと疲れ果てているかも。この週末はゆっくりお休みください。
 2006/12/15 19:41  この記事のURL  /  コメント(0)


展示会の立ち会いとアナリスト向け講演
 先週も幾つかのVMDクリニックがあり、幾つかの展示会を見、幾つかの展示会に立ち会いました。「立ち会いました」とわざわざ言ったのは、ブランド側のディレクターやMDと時間を決めて展示会場でミーティングし、ブランドのポジションやMDの組み方から素材構成、デザイン/パターンまで様々なアドバイスを行うからです。既に確立されたブランドではテクニカルな助言が中心ですが、時にはブランド政策の根幹を問う提示もします。先週もインショップ出店でポジションを確立したブランドにプチ・ラグジュアリー型ブティック展開への移行を提言しました。素材/縫製/付属を格上げして価格もツーライン上げ、靴/バッグやジュエリーを拡充してグラウンドフロアを狙うといった内容でした。
 先週はまた外資証券会社でのアナリスト向け講演があり、六本木ヒルズの47階に国内外証券会社のファンドマネージャー達が一堂に揃う中、ファッション/流通企業の動向と将来性についてお話ししました。おつき合いの深い企業についてはインサイダー規制を考慮して慎重に触れましたが、業態別動向では大胆な将来予測も提示しました。とりわけ、百貨店についてはケチョンケチョンに言い放っておきましたから、株価に影響するかも。講演後は質問攻めに遇いましたから、評判は良かったのだと思います。
 2006/12/11 15:24  この記事のURL  /  コメント(0)


先週も忙しかった

 11月29日に今年最後のSPAC研究会を終え、ほっとしています。ほぼ2ヶ月かけてターミナルSCから郊外SCまで注目ブランド/業態を総調査して一覧表とマップを作り、スライドを添えてメンバーに解説。ブランド/業態開発の成功条件をまとめて総括としました。160名を超えるメンバーが出席し、御好評を頂きました。
 先週も幾つかVMDクリニックがあり、木曜夜には銀座○○百貨店の某ブランドをウールコート/ニットを軸にホワイト×ゴールドで全面再編しました。週末の三日間でどれだけ売上を積めたかが楽しみです。今週は仙台の○○百貨店に出掛けてVMDクリニックを行いますが、閉店後の作業なので泊まりになってしまいます。かなり寒そうですから、マッキントッシュでは辛いかも。
 先週はまた、来AWの『MDディレクション』の作業に追われました。ようやく金曜までにレディス11テーマ、メンズ10テーマにまとめ、スタイリングを決め込む事が出来ました。最近はメンズに勢いがあって新鮮なネタが多い反面、レディスはネタが出切って反芻活用する傾向が強いみたい。後は今週中にカラーパレットと素材ボードを仕上げ、来週中に解説文とヘッドラインを仕上げれば完成です。12月19日から各社を回ってディレクションを行います。当社の『MDディレクション』はマーケット動向を正確に反映してトレンドをMDに落とし込んだもので、即MD実務に活用できると御評価いただいております。
 次のSPACは来春2月8日のビッグコンベンションで、フランドルの栗田社長とポイントの石井社長をお招きし、ビジネスモデルとマネジメントについてパネルを行う予定です。相当鋭い突っ込みが期待出来そうですから、メンバー幹部は必参加でしょう。
 
 2006/12/05 12:15  この記事のURL  /  コメント(0)


ららぽーと柏の葉に行って来ました
 先週月曜日につくばエキスプレスに乗り、三井不動産の「ららぽーと柏の葉」の内覧会に行ってきました。研究学園都市「柏の葉キャンパス」の駅前という事でロハスをテーマにした開発が行われ、クライミングウォールや屋上農園、太陽光発電/風力発電等、確かに普通のSCとは毛色の変わった施設が目立っていました。モールでもスポーツ&アウトドア系、ロハスなナチュラルカジュアル系、キッズ&ファミリーカジュアル、健康テーマのHBCなどが主力で、一部の都市感覚OLショップは場違いなほど浮き上がっていました。お勧めはクイックシルバーストアやローカルモーション、エーグルやマンシングウェアといったスポーツ&アウトドア系テナント。これだけ揃ったSCは柏近辺では他にないでしょう。来春、お隣の「流山おおたかの森」駅前に東神開発が開業するSCはターミナル立地(つくばエクスプレス×東武野田線)を活かして郊外ターミナル感覚のファッション性を訴求すると聞きますから、「ららぽーと柏の葉」とは上手く補完しあうのでは。
 郊外SCもお定まりの大型テナントを中核にした定番型は過去のものとなり、それぞれ立地特性に応じた個性的な構成が行われるようになりました。来春も次々と開発されるSCから目が離せませんから、出来るだけ訪問して印象をお伝えしましょう。
 今週も幾つかの「VMDクリニック」があり、29日には月例SPAC研究会を開催します。今月は「ターミナル〜郊外SCの注目業態/ブランド総検証」をテーマに最近の好調業態/ブランドや新業態/ブランドの販売数字とコンセプトを検証し、今後の有望ポジションや開発手法を提示するというものです。この機会にSPAC研究会への御参加を検討されては如何でしょうか。
※SPAC研究会の御案内はこちら
 2006/11/27 09:55  この記事のURL  /  コメント(0)


売上は創るもの
 先週は幾つかの店頭クリニックがあり、秋のセミナーシリーズを締めくくる『ブランディングVMDゼミ』を終えてほっとしたと思ったら、土曜日朝からIFIマネジメントコースの講議があって、週末はグッタリしてしまいました。今週もVMDクリニックが三つあり、IFIプロフェッショナルコースの講議も入っています。23日の勤労感謝の日も休めず、金曜日夜には都内百貨店バイヤーが一堂に会する情報交換サロンがあって、土曜日も仕事するというしんどい週になりそう。
 毎月、20日前から月末にかけて集中するVMDクリニックですが、そのポイントは現実のMD展開を今売れるMD展開に編集して見せる事に尽きます。今売れるアイテム/カラー/ルックを如何に強調して訴求するかで販売数字は大きく動くからです。MD展開は部分的には2〜3週射程で修正されるにしても総体は何ヶ月か前に仕組まれたもので、どうしても現実の販売進行とはズレが生じてしまいます。手持ち在庫を最適に編集してこのギャップを埋め、現実の販売進行に近付けないと販売予算の達成は望めないのです。
 具体的なテクニックは店頭のグルーピングと配置、アイテム/カラー/ルックの意図的強調訴求ですが、最新の販売動向やスタイリング傾向に精通していないと判断を誤りますし、配色や造形の美術的研鑽を積まないと洗練された陳列は組めません。加えて、店頭在庫と店ストック在庫/後方在庫を意図的に操作し、より鮮度の高い構成に見せる必要があります。情況にもよりますが、上手くやれば翌日から即、売上が2〜3割高まります。細かいテクニックは山ほどあり『即時売上向上VMD運用ショップ運営ゼミ』で公開していますが、売場で実際にやって見せないと会得は困難でしょう。
 
 2006/11/20 14:12  この記事のURL  /  コメント(0)


ダイヤモンドシティ・ミューに行って来ました
 先週は当社主催の『出店戦略ゼミ』『マーチャンダイジング技術革新ゼミ』が続き、ちょっと話し疲れました。人前で講演するのは慣れているとは言え、相当にエネルギーを消費する行為で、いつも終わるとグッタリしてしまいます。二つのゼミをこなして週末のゴングに救われたのも束の間、日曜日にはイオンモールの高崎SCをチェックに行き、月曜日には武蔵村山ダイヤモンドシティ・ミューの内覧会に出掛けました。高崎SCは行きも帰りもドアツードアで90分ピッタシとスムースでしたが、武蔵村山SCは中央高速側からアクセスすると渋滞がきつく、行きも帰りもちょっとうんざり。まだ開店もしていないのにSC周辺も渋滞が多く、開店したらいったいどうなるのかと不安になりました。
 ジャスコと三越、フラクサスの2.5核大型SCとして注目されるミューですが、一周した印象は『えっ、こんなものなの』。全館くまなく回って捜したものの、三越内の“エクレクティカ”とモール3Fの“ピンク ラテ”ぐらいしか目を惹くストアは見つかりませんでした。どちらもワールドの開発したもので、フラクサス(もちろんワールド)とこの両店を除けば高崎のイオンモールと似たり寄ったり。ワールドが協力してくれないと目新しいSCは創れないというのが現実なのです。
 ここのフラクサスは約630坪と従来より小振りで、“エクレクティカ”に百貨店ブランドを割いた為に手頃なSPA商財ばかりになり、買い易いけどグレード感のないストアに終わっています(大きな“オペークドットクリップ”みたい)。その分、“エクレクティカ”はワールドの百貨店ブランド群にインポートのセレクトや洗練されたギフト雑貨なども加わり、三越の格を保つ役割を果たしていました。三越の格と言えば、化粧品売場の正面にドーンと大きな“シャネル”が鎮座していたのが目立ちましたネ。
 追伸)イタトラ好きの男性なら“エクレクティカ”のメンズは必見。こんな上質なセレクト品がこんな手頃価格で売られて良いのかと義憤にかられるほど。銀座や丸の内にあればピッタリだけど、ここではネコに小判かも。
 
 2006/11/13 19:32  この記事のURL  /  コメント(2)


COOがCEOに化ける時
 近年、COO達の移籍が目立っている。ついこの間までA社で専務/常務執行役員として飛び回っていた人が、数カ月音信が途絶えたと思ったら、B社の社長になったと業界紙の人事欄に乗ったり挨拶状が届いたりする。やはりと思う事もあるが、ほとんどは意外な身の振り方に驚かされる。オーナーCEOと反りが合わなかったりライバルとの社長レースに破れたりと理由を推察出来るケースもあるが、多くはCEOへのキャリアアップ、あるいはキャピタルゲインを求めての転身のようだ。
 COOとして幾ら頑張っても数千万円の課税報酬(手取りは6掛け)を得られるだけで、先の保証は何もない。何処かで株式公開のキャピタルゲインに預かったりオーナーCEOに転身出来なければ、ましなサラリーマンで終わってしまう。実力あるビジネスマンならチャンスを虎視眈々と狙っているはずだ。それを証明するように、株式公開直後の企業で幹部の退職が目立つ。キャピタルゲインで潤おう役員達とそれを得られなかった中堅幹部の間に溝が出来、キャピタルゲインが見込める新手企業へ転職してしまうのだ。そんなドラマを私は何回も見て来た。最近も某社の雇われ社長を辞してC社子会社の社長に転じた某氏と話す機会があったが、キャピタルゲインを得てオーナーCEOにという夢を語っていた。彼を慕って集まって来た中堅幹部達もキャピタルゲインを夢見ているのだろう。
 事業を組み立て離陸させる力量のあるビジネスマンにとって報酬の高さは過渡的な満足でしかない。雇われCOOからキャピタルゲインを握るCEOへの転身は必然のシナリオなのだと思う。
 2006/11/06 10:31  この記事のURL  /  コメント(0)


マークアップし過ぎです!!
 先週(23〜27日)は月度のMD切り替えサイクルにあたり、朝に夕に(開店前と閉店後)VMDクリニックが続きました。連日の早出と残業?にバテ始めたところを週末のゴングに救われたというのが実感です。
 お手頃価格のカジュアルSPAからセレクトショップ、百貨店の自主売場、インポートブランドとクリニックする売場は様々で、商品を手に取って陳列してみると品質感の差が歴然と感じられます。お手頃カジュアルは後加工/付加加工が勝負で、素材は何処も似たり寄ったりの中国素材。縫製始末に破綻が無ければ良しとする世界でしょう。セレクトになるとさすがにインポート商品には素材/デザインともキャラがありますが、縫製始末はお手頃カジュアルより乱れ気味。そんな事を気にする人は買わないでくれという事なのでしょう。セレクトのオリジナルはコストを抑えたOEM調達が主流で、素材のキャラやクオリティは価格に見合うとはとても思えない。お手頃カジュアルSPAと大差ない商品に倍の価格を付けているものさえ見られます。
 百貨店のブリッジセレクト自主売場やインポートブランドではさすがに高キャラ/クオリティの素材も使われていますが、縫製にキャラがあるのは極々一部の手縫い品だけ。後は大量生産の中国製も日本製も大差ありません。さすがにイタリア物(伊アパレルの東欧工場製も含む)には縫製糸と縫いテンションの緩さが光るものがあります。ブリッジ価格のブランド商品でも国内素材/縫製品は手堅い仕上げでNB的なカッチリ感があり、イタリア製品的な緩い上質感を期待する向きには失望を否めません。中には中国素材/縫製の商品もあり、デザイン/縫製はともかく素材のチープさはいただけません。総じて素材が劣悪な割高品をブランドネームに騙されて買わされているというのが実情でしょう。
 実際、小売価格に対する工場原価率はこの15年で10ポイント近くも下がったのではないでしょうか。その要因は百貨店の歩率高騰とSPA型ビジネスモデルの氾濫にあると思います。低価格/高品質で知られるファーストリテイリングの調達原価率が36%程度と推察されますから、他のSPAはもっと低コスト率で調達していると見てよいでしょう。百貨店ブランドの調達原価率など、80年代の33%程度から24%程度まで圧縮されたと言われます。統計的に見ても百貨店から駅ビル/ファッションビルへの消費移動は明白で(両者のボリューム価格帯は10対7)、さすがの百貨店の高歩率も数年前にピークを打って低下に転じています。“ユニクロ”のファッション化や“ZARA”の急速多店化で、マークアップし過ぎのSPA業界もやがて転機を迎えるのでは。
 
 2006/10/30 10:31  この記事のURL  /  コメント(0)


20年も続く秘密サロン
 先週の木(19日)、金(20日)と月例の「販売情報交換会」を行いました。これは都内主要百貨店/セレクトショップのバイヤーが一堂に会して最新の販売情報を交換するもので、タイプ/ブランド/アイテム別の販売実績から売れ筋までリアルな情報が飛び交います。木曜日は婦人服、金曜日は紳士服の会で、もう20年以上も続いているクローズド・サロンです。
 今月はさすがにコート情報に集中し、テストセールスの反応分析から直近の販売動向、果てはピークへの仕込み状況まで白熱した報告が続きました。それによればレディスの本命はハーフからロングのダウンコートで、襟や袖、ウエストのデザイン性がポイントとの事。ウールは一歩遅れてファー付き上質素材のドレス系/ロイヤル系が主流になるようです。メンズは「モンクレ争奪戦」の過熱ぶりに象徴されるようにダウン本命は確実ですが、店頭のカラー展開にも拘らず売れ筋は黒に集中しているとか。詳しくはビジュアルも含めて26日のSPAC研究会で報告されますが、エッセンスはFCNの「百貨店バイヤーズサロン」でも見れます。
 各社の中枢が参加している会ですから、20年も続けば会の参加者も組織を上り詰めて行きます。M社の常務取締役本店長、O社の代表取締役社長、I社系列のIW百貨店社長も毎月、会で顔を会わせていた人達です。今の参加者の中からも明日のエグゼクティブが出ることになるのでしょうが、発表が面白い人が偉くなるという訳でもありません。男の出世は実力と人柄はもちろんですが、チャンスと嫉妬の罠をどうくぐり抜けていくかで命運が定まるのです。次期社長を噂されながら嫉妬の罠にはまったり、有能ゆえに問題を抱えた子会社を転々とさせられたり、男の人生は流転なのです。
 おっと失礼。女性エグゼクティブもこの会から出始めています。この春まで来ていたO社のCさんは30代で初の女性部長に抜擢され欧州に栄転されましたから、10年もすれば役員になれるかも。エグゼクティブはともかく女性バイヤーは婦人服会参加者の2〜3割を占めています。ホットパンツにキラキラネイルなんて109系バイヤーも参加しているのです。
 2006/10/23 11:27  この記事のURL  /  コメント(0)


“g.u.”(ジーユー)は日本に不要です
 今日(10月13日)はファーストリテイリングの最低価格新業態“g.u.”のデビュー日でしたので、スケジュールの合間をぬって南行徳のダイエーまで行って来ました。
 表参道から半蔵門線に乗って九段下で東西線に乗り換え、計40分ほどで南行徳駅に着きましたが、ディズニーランドの隣駅とは思えない殺伐とした駅前に出鼻を挫かれました。駅から安アパートが並ぶ緑のほとんどない住宅街を歩いて行くと、ダイエーの裏口に出ました。これがまたパッとしない寂れたアーバン立地で、駐車場にはチャリンコと安手の小型車が散見されるという夢のない風景。店内も相当に荒れ果てているのではと恐る恐る入ってみると、意外にキレイにリモデルしてあるのにビックリ。産業再生機構ってお金があるんだ。1Fには衣料テナントが並び、2Fにもダイエーの衣料売場が広がっているのに、またビックリ。食料品に特化したんじゃなかったっけ。NBのコンセも多いけど自営の平場もまだちゃんとあったのに、またビックリ。産業再生機構の発表とはずいぶん違うんだな。
 肝心の“g.u.”がなかなか見つからない。ようやく2F奥の階段室の裏に見つけましたが、お昼時間だというのに大変な人だかり。特大の開店チラシに誘われて来たバーゲンハンターの人たちと解りました。朝の取材陣が一部まだ残っており、レポーター風のお姉さんに“g.u.”の服を着せてビデオカメラを回している一方、人込みに紛れてスーツ姿のおじさんもあちこちに。業界の関心が伺えました。
 “g.u.”の店舗はカラーウォールやVPで化粧はしているものの、プレハブ同然の最低仕様。最近のモダンになった“SUZUTAN”や“しまむら”に較べれば特設バーゲン会場の域を出ていませんでした。“ユニクロ”よりはハンガー陳列がぐんと多いものの、定番ニットなどは“ユニクロ”みたいな台帳棚陳列、壁面にもアウターのフェイスアウト/スリーブアウトに混じって“ユニクロ”風なパンツの棚陳列が垣間見えました。
 「商品の価格と品質は」という当然の関心に答えるなら、価格は公表通り“ユニクロ”の2〜3割安。開店目玉には390円のTシャツ、490円のジャージパンツ、590円のチェックネルシャツ、果ては90円のソックスやショーツ、キャミまでありましたが、レギュラー商品は総じて「安かろう悪かろう」というのが実感。デニムやチノのパンツこそ“ユニクロ”と大差ないのに安いという評価でしたが、ニットやカット、アウターは値段相応の代物。縫製こそ目立った破綻は見られなかったものの、素材は今時こんなものがあったのかと思うほど粗雑なものが多く、70年代の“Kマート”を思わせる程。でもパターンや色は“ユニクロ”より若々しいとの評価もあり、「貧困な30代ニューファミリーのための最低価格カジュアル店」というのが偽らざる印象でした。
 南行徳のダイエーにはピッタリだと思うけど、もっとましな品質で大差ない価格のカジュアルチェーンもあるし、「意外にファッショナブル」とパブを仕掛けているものの感度では量販店のヤングカジュアル売場にとっても適わない。ベーシックからちょいトレンドまで様々な品質/仕様/面の商品がごちゃ混ぜされた店で、特設バーゲン会場としか言い様がない。
 「下流社会」とか言われて最下層の生活をしている人も沢山いらっしゃるのかも知れないが、こんなに「安かろう悪かろう」なカジュアル業態が果たして日本社会に必要なのだろうか。どんなに生活が苦しくても少しは夢のある商品が欲しいのでは。はっきり言います。今日の日本社会に“g.u.”は不要です。
 2006/10/13 18:18  この記事のURL  /  コメント(0)


SCだらけになってこの国はどうなるの
 10月8日の日曜日は家族もそれぞれの予定があったので、野田/春日部方面へ開発予定大型SCの立地検証に行って来ました。首都高はVIP通過とかで渋滞していたので空いた都心を下から抜けて駒形から首都高に入り、柏ICから16号という ルートでスイスイと目的地に着いてしまいました。
 春日部の大型SC(KTインセンスモール)は一部用地未買収の虫食いのまま重機が入って整地作業が進行しており、08年11月開業へ向けて見切り進行していました(デベもアンカーも未定)。そこからイオン野田舟形SC建設地まで16号線を車でわずか9分(7.4km)。こんな至近距離で大型SCが競い合う時代なんだと実感させられました。さらに16号線を柏方向へ戻ると12km弱で三井不動産のららぽーと柏の葉SCが11月に開業、その隣のおおたかの森駅前には東神開発のSCが来春開業します。そこから江戸川を渡ると約5km西に三井不動産のららぽーと新三郷が08年開業、そこから約4km北西には商業面積186,000平米という巨大なイオン越谷レイクタウンSCが08年春開業へむけて建築中。その8km西にはイオン浦和美園SCがこの春に開業したばかり。
 これだけ接近戦になってみんな採算取れるのか、さすがに心配。これらのSCはすでに当社で緻密に売上が予測されており、計画通りの売上が確保出来そうなSCもあればやめとけばいいのにと思うほど苦しいSCもあります。衣料品テナントの平均的な坪効率で言えば月坪19万円級から10万円かつかつ級まで。テナントさんも選択を誤れば大損害を被ってしまいます。
 07春から08春にかけて開設される20の大型SCについて立地検証と売上予測を報告するのが11月8日(水)開催の『緊急提言SC出店戦略ゼミ』。ここは○、ここは×とはっきり数字を挙げて言い切るゼミですからテナント企業にとっては必参加ですが、検証されるデベにとってはヒヤ汗もの。でもこれまで開設された大型SCの売上予測は±5%の精度で適中していますから、信頼度は抜群です。
 勝てるSCの条件は判るけど、日本国中SCだらけになって中心商店街が悉く空洞化すればこの国はどうなるのだろう。そう心配する人も多いようで、『まちづくり三法』改正とあいなったわけです(『改正都市計画法』の施行は07年11月頃)。それまでに駆け込み開業する大型SCが急増しそうですが、08年以降は一気に開発が急減し、一万平米以下の小型SCと都心型SCに開発の主力は移ると見られています。それに対応する業態開発も既に始まっていますから、11月のSPAC月例会では徹底的な検証を行い、有望業態のポジション/コンセプトと開発要件をはっきり提示致します。
 確かに、SC開発に夢中になるより北朝鮮や階級分化の心配をする方が真っ当な情勢で、新総理の提ずる『美しい国』ともSC開発ラッシュは相容れないようです。東関東自動車道を自宅へと走るフロントガラスごしに、成田へと降りていくジェットが見えました。今日、パリから帰って来るあの人が乗っているのかも。
 2006/10/10 10:13  この記事のURL  /  コメント(0)


使える陳列写真が見つからない
 昨日は10月12日(木)に開催する『VMD運用ショップ運営ゼミ』で使うスライドやデジフォトを選んでいました。9月以降、取材した何百という売場写真からルールに叶った美しい陳列を捜すのですが、撮影時点でしっかり選んだつもりでも拡大すると色配列やアイテム配列が狂っていて使えないものばかり。中には照明が不適で色がズレて見えるものも(私の写真が下手なのではありません)。
 日本のブランドショップやセレクトショップの陳列もレベルが上がって来たとは言え、人様に「これが理想的実例です」と紹介出来るような陳列はめったにお目にかかれない。ほとんどの店スタッフは色環表が頭に入っていないようで、明るい暗い/暖色と寒色ぐらいしか解っていない。ベージュと茶色の色相には皆、騙されている。ましてや美しいフォルムとか韻律とか求めても無理というもの。でもブランディングには美術的洗練が不可欠だと思うのですが。
 もちろん、それ以前に「ルックとMD構造の適確な表現」「在庫情況に即した売れる再編集」が出来ていないと困ります。ルックの組み方がシャープでないとインパクトがないし、「ルック回転」とか「モノルック色組み換え回転」とか「ルービックキューブ棚組み」とかいった陳列技法を知らないと効果的なルック表現は出来ません。当然ながら、提案サイクル-->実売サイクル-->売り切りサイクルという売場展開の流れに即して、ルック提案-->パワーアイテム訴求-->売り切り再編集と陳列運用の軸も替わって行きます。
 「適確なルック/MD表現」「売れる再編集運用」「陳列の美術的洗練」の3点がVMDの柱であり、その組織的運用が成果を決めるのです。「いい例がなかなか見つからない」と言いましたが、数少ない上手例を挙げれば、ルックやMD構造の表現では“ZARA”や“リズリサ”“バーバリーブルーレーベル”“バナナリパブリック”、美術的洗練では“ルドーム エディフィス エ イエナ”や“ノーリーズ”“クロエ”“エトロ”などに見るべきものがあります。
 VMDに関しては今シーズン、10月12日(木)の『VMD運用ショップ運営ゼミ』、11月17日(金)の『ブランディングへのVMD技術革新ゼミ』の2ゼミを開催しますが、前者は「売れるショップ運営体制」「売れる再編集運用」を軸とした内容、後者は「適確なルック/MD表現」「陳列の美術的洗練」を軸とした内容となります。ちなみに10月12日(木)の『VMD運用ショップ運営ゼミ』は大変好評で、5日朝段階で残6席となっています。御検討中の方はお急ぎお申し込み下さい。
 2006/10/05 10:41  この記事のURL  /  コメント(0)


セレクトブームの光と影/難波マルイの光と影
 月曜日は早朝からのぞみに乗って「ミント神戸」の取材へ。その足で難波のマルイも見て来ました。
 「ミント神戸」は2FがJR三ノ宮駅とデッキで繋がり、BFが阪神百貨店の食品館、1Fがバスターミナルになっています。「NU茶屋町」「天神ヴィオロ」と続く最近のミニ・ファッションビルの定石に基づき、2〜4Fをセレクトショップ中心に構成して5Fにインテリア〜ライフスタイル関連を配置。6Fは“タワーレコード”他のメディア関連、7〜8Fはフード&サービス、9F〜12Fはシネコンという構成です。
 セレクトの主要所は“ユナイテッドアローズ”、同“ビューティ&ユース”、“スピック&スパン+フレームワーク”“ル・ドーム エディフス エ イエナ”“エディション”“アーバンリサーチ ロッソ”“B'2nd”などでしたが、“エディション”は変に暗ナチュラルっぽく、“ビューティ&ユース”は股裂きMDのままで、総じて小奇麗だけど何かズレてるという印象。「天神ヴィオロ」みたいなスッキリ良く出来ました感はありませんでした。  
 神戸にはこれまで有力な正統派セレクト集積のビルがなかったし、何せ駅直結ですから集客と売上に不安はないでしょう。ファッションビルというのは構成力というより立地で、立地が良い構成を実現するというのが実態。好立地の「天神ヴィオロ」なんか失敗のしようがない反面、立地が悪い「NU茶屋町」なんか相当に苦しいのでは。
 それにしても、セレクトショップはどんどん新業態/派生業態を開発してどんどん店を増やしているし、アパレルからの参入も多い。それでいて一部を除いては既存店売上も伸びているから、マーケットがどんどん拡がっているという事なのだろう。新業態には的外れや手抜きも目立つけど、それでもまずまず売れていると言うからマーケットの勢いというのは恐ろしい。千載一遇のチャンスとはこういう情況を言うのだろう。ターミナルのアラサー世代は百貨店からセレクト集積にどんどん流出しており、百貨店の数少ない稚拙な自主編集売場程度では流れを食い止められない。百貨店はミニ・ファッションビル級の自主編集売場&セレクトショップ集積フロアを急ぎ開発すべきではないのか。
 難波のマルイは若い人の洪水で、エスカレーターから溢れ落ちそうな勢いでした。これまで難波にはアダルト志向の百貨店や中途半端な地下街しかなく、ヤング〜ヤングアダルトに特化した大型商業施設がありませんでしたから、待ってましたとばかりに若い人々が押し寄せたのでしょう。エロいOL集積や艶お兄いなメンズ集積は皆無でしたから(元々、大阪人はそういうコテコテしたものが大好き)、若者が殺到する事態となったのです。これに味をしめてマルイは関西の新店開発を加速するのでは。その影で、難波シティのメンズ集積は悲しい程、閑散としてましたネ。作ったばかりだというのに。
 
 2006/10/03 12:33  この記事のURL  /  コメント(0)


VMD指導の目的
 今週は火曜日が某大手百貨店自主編集売場、水曜日が某大手セレクトショッブと月例VMD指導が連続。前者は閉店後、後者は開店前でしたから水曜日の朝はちょっと疲れました。睡眠時間に食い込む訳ではありませんが、テンション高めに神経を集中する指導なので、疲労がキツイのです。
 某大手百貨店では三つの自主編集売場を掛け持ち、Aで修正を指示してスタッフが陳列作業をしている間にBを指導し、Bが修正陳列をしている間にCを指導。またAに戻って陳列を点検して指示を出し、BCへ回る。最後にABCと今日の総括をして回る訳です。現場が理解し自分で出来るよう、理屈と技法を懇切に説明しなければなりませんから、相当のテンションが必要なのです。翌朝の某大手セレクトショップも路面の大型店で、レディスのカジュアル、ドレス、メンズのカジュアル、ドレスと四つの売場を同じように指導して回るのですから、前夜同様のパワーが求められます。
 前者は始めてまだ間も無いので基本のルールと技術が定着しておらず、テイストやカテゴリーの区分けが混乱していたり、色の配列順が汚く狂っていたり、アイテムの並べ順がルックになっていなかったりと、基本を徹底するのに時間を食われてしまいます。後者はもう2年目なので基本はほぼマスターされ、売りたいアイテムをキーとしたモノルック出前のラックを設定したり、新鮮アイテムをスパイスしてシーズン強制シフトをかけたりと売りに直結する仕掛けを教えています。
 VMD指導の目的は三つ。一つは現場の運用能力を高めて手応えを実感させ、投入と販売の動向に即して自ら売れる陳列を編集出来るよう育てる事。ひとつは本部からのデリバリーと陳列指示を一定のルールの下に現場が運用出来るよう基本ルールと運用ルールを確立し、組織として効率的な運営とブランディングを実現する事。一つはスムースな運営とブランディングを実現すべく、売場のVMD展開と商品計画の枠組みを一致させる事なのです。ですから、VMD指導には必ず事業部長やバイヤー/MDに立ち会ってもらいます。技術の修得に留まらず組織としての体制確立を目指すものなのです。
 2006/09/21 16:45  この記事のURL  /  コメント(0)


法律なきVMD行政の混乱
 毎月、少なからぬブランドやストアのVMD指導を行っているが、どんどん上達して売上が上がるケースとそうもいかないケースがある。その明暗はVMDの法律と行政指導、現場運用の関係がしっかり築かれているか否かに起因しているようだ。
 本部が各店舗にVMD展開を指示するスタンスは二つに別れる。ひとつはグルーピングからユニットのレイアウト、各什器の棚割(品番/色/サイズの配置と陳列形状)まですべて厳密に指定するやり方だが、立地から店舗形状、什器の規格と数量まで標準化が徹底されている事が前提となる。現実にはそんなブランドもストアも存在しないが、ユニットのレイアウトと各什器の棚割指定を切り離せば近似した運用は出来る(棚割の変化運用/再編集統合ルールを別途に定める必要が在るが)。
 ひとつはおおまかなグルーピングとレイアウト、打ち出し/実売のルック組みやアイテム集積の陳列を指示するだけで、実際の運用は店舗に任せるやり方。店舗の標準化が困難な場合には現実的なやり方だが、各店長の力量や手法で運用も成果も異なるから、マネジメントもブランディングもままならない。
 私の指導経験から言えば、どちらも非現実的だ。なぜなら前者では現場の運用能力が育たず、前提とした情況と現実が異なって来ると混乱するばかりで対応出来ない。後者では統一した運用が出来ず、本部が成果をマネジメント出来なくなる。本部がマメジメント出来て、かつ各店舗が上手に情況対応出来るためには、本部と店舗の両方が理解する「法律」が必要なのだ。
 「法律」というと「マニュアル」を作ればいいのかと短絡的に受け取られるかも知れないが、「マニュアル」の性格も目的によって多様だし、運用体系が曖昧では実務に定着しない。どう運用するか行政ルールを先に決め、そのための「マニュアル」を作るという手順が肝要なのだ。
 まず品揃えの構造とレイアウトをツリー形状に規定し、その各ユニット(元番地)の陳列ルールと時系列運用ルール、そこからフォーカスする打ち出しラック(出前)の陳列ルールを「マニュアル」に定めたい(アイテム/カラー/サイズの配列順やフォルム形成、ルック配列のルールまで)。その上で毎サイクル、元番地への投入と出前陳列/VP、前サイクル商品の再編集を本部がビジュアル指示(行政指導)する。出前陳列/VPでは店タイプ別に2〜3の選択肢を提示し、情況対応を店舗に委ねる(一つだけ指示すると各店舗で勝手に工夫してしまう)。基本ルールと選択出来る指示を明示し、店舗での運用巾を規定する事が大切なのだ。
 この法律/行政指導/現場運用の関係が定まれば、売上とブランディングを本部がマネジメント出来るVMD体制が確立出来る。現状のVMD体制をチェックしてみては如何か。
 追伸 昨日は“博多ヴィオロ”の取材に行って来ました。天神は岩田屋回りの狭いエリアにファッション関連が集積していて買い物にもリサーチにも大変便利ですネ。ヴィオロのUAもシップスも良く出来ていましたが、大名にオープンした“ビューティ&ユース”は有楽町西武同様、場違いな加工系ゆるアメカジがコアのモードミックス系とミスマッチでガックリしました。“博多ヴィオロ”の一押しは3Fの“CROON A SONG”でしょう。

 2006/09/15 16:37  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール

小島健輔(こじま けんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。

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