ユニクロ汚染にショック!!
 ウェアリング報告ブログの一件があって当社のコーディネーターに上から下まで着装ブランドを聞いてみたところ、業界人らしいクリエイターブランドなどまったく出ず、“フォーエバー21”や“H&M”は今時らしいにしても、ほぼ全員が“ユニクロ”(ブラトップが多かった)を着ていたのは正直、ショックでした。ユニクロ汚染は当社にも及んでいたのです。
 高機能/高品質/低価格とは言えデジタルに圧縮されたプラスティック部品的平板さは否めず、味や深みにこだわる人は未だ生理的に受け付けないと思うのですが、ブランド人気統計を見る限り、どの世代でもそんな人はもうマイナーになってしまったようです。たとえ世界中がユニクロだらけになっても‘高質な日常’をテーゼとする我が家だけは絶対に汚染されないぞ!!
 最近は業界人も服装で感性を競うでもなく等身大で良しとする風潮が拡がっており、気合いを入れて服装で主張する人は少なくなりましたネ(70〜80年代の業界人はケバかったです!)。今やそんな歌舞伎者はパーティ好きの編集者かストスナ享け狙いで原宿の交差点をうろつく閑人だけになった感があります。ライフスタイルや消費が多様化して支出に占める服飾関連費用も長期低落傾向に在り、ファッション係数は60年代の10%台から今や4%を切るまで凋落してしまいました。業界人やメディア関係者はまだファッションが風俗文化の中核に位置していると錯覚しているのでしょうが、現実は違うのではないでしょうか。
 2009/07/03 09:12  この記事のURL  /  コメント(0)


エルメスの御法度ソルドにルン妻激怒!!
 ルン妻によるとセレブな奥様方の間で6月19日〜20日、東京ドームで行なわれたエルメスの日本で初めての大規模なソルドが話題になっているとか。なにせ、日頃は外商割り引きもカード割り引きも効かずポイントさえ付かないエルメスの商品がプレタやスカーフからバッグまでほぼ50%オフで山積みで、タイムサービスによる上乗せ値引きや最終日の叩き売りまであったと言いますから、正札で買って来た多くの顧客はショックだったに違いありません。20年以上前からひとつひとつ買い揃えて大枚を注ぎ込んで来たルン妻など怒髪天を衝く激怒ぶりで、『もうエルメスなんか二度と買わない!』といきり立っていましたよ。
 エルメス本社の決算報告によれば08年度は増収増益ながら日本では売上が3%減少し、リーマンショック後の10〜12月もアジア大平洋地域(日本を除く)は25.2%増と好調だったのに日本だけは12.9%も売上が減少。今年に入っての1〜3月もアジア大平洋地域は25.7%の増収だったにもかかわらず、日本だけは19.3%も減少。当社が入手した既存店売上も2月が79.3%、3月が85.2%、4月が84.7%、5月もやや回復したものの96.6%と前年割れが続いています。最近のラグジュアリーブランドの中では、店頭でまったく値引きしていないにしては堅調な方だと思うのですが。
 日本での販売不振は否めないものの、だからと言ってブランド神話に泥を塗るような大規模半額ソルドまでやる必要があったのでしょうか。エルメスジャポンはもう気が違ったとしか思えませんし、今回のソルドを仕掛けた伊藤忠商事は日本中のエルメスフアンの怒りを買う事になりそう。これでギルトなんかにまで登場するようになれば、もうエルメス神話もお終いですネ。ホント、もうチョーむかつくお話でした。
 2009/07/02 09:08  この記事のURL  /  コメント(0)


密かな愉しみ
 調べもの以外では人のブログはあまり見ないのですが、実は密かに毎日チェックしているブログがあります。アパログの中にある奥山江里さんのブログなんですが、彼女のポエミーな呟きもともかく、毎日のコーディネイト報告が見過ごせないのです。
 残念ながら首から下だけなのですが(お顔も見せて!)、全身のコーディネイト写真に各アイテムのブランド名が添えられるという形式で、その組み合わせが興味深くてつい毎日、見てしまうのです。デザイナーさんらしくクリエイターブランドも出て来ますが、それに“ユニクロ”や“無印”、109ブランドやモードミックス系ブランドまで組み合わせるミックス感覚が今の女の子を象徴しています。タイツやバッグ、シューズなど小物の組み合わせも面白く、バッグは“クロエ”がよく出て来ますネ。
 こんなに毎日コーディネイトを報告していてよくネタが尽きないものだと感心してしまいますが、よほど衣装持ちなのでしょう。私なんか1週間でネタが尽きてしまいそうですよ。
 奥山さんの報告は日々のお出かけ着に限られるので、彼女が毎日、何回着替えるのかは想像するしかありませんが(是非、報告して欲しいものです)、私は朝起きてからベッドに入るまで毎日5回着替えます。それはルン妻(絶対、もっと着替えてる)や子息も大差ないようで、我が家のランドリーボックスはすぐ満タンになってしまい、メイドさんが毎日、2台の洗濯機をフル回転させているようです。我が家のウェアリング生活ではお出かけ着のバラエティには限りがありますが、TPOや季節の衣替えはかなり細分化されています。一人暮らしのワーキングガールとファミリー生活者のライフスタイルの違いなのでしょう。
 109軸や原宿軸など、もっと多様なタイプの女子が奥山さんのようなコーディネイト報告をしてくれれば、刻々と移り変わるウェアリングの実体が把握出来るはずで、享けを狙った奇抜なスタイルばかりで実体と乖離したストスナなんかより余程、参考になります。アパログにもっと毎日コーディネイト報告のブログが増えるといいですネ。
 2009/07/01 09:18  この記事のURL  /  コメント(0)


ローカルが匂い立つからメジャーになれる!!
 昨秋に立ち上がった注目SPAの中でも私が特に惹かれるのが遊心クリエイションの“イーブス”です。イオンレイクタウンからスタートして西宮ガーデンズで一応の販売成績を叩き出したとは言え、まだ3店舗しかなく好調と言えるのは西宮ガーデンズだけですから、とても離陸したとは言えません。でも原価率を42%にしても時代の適性価格を実現せんとする心意気は可愛いではありませんか!たった3店舗のロットであの価格と品質を叩き出す血みどろの努力を評価してあげたいのです。
 “イーブス”の企画開発体制はもち自社貫徹で、安直な商社OEMなどとは一線を画しています。でも、マスに受け入れられたいと言う思いが前に出て自社貫徹開発らしからぬ薄味にまとまってしまい、“ZARA”のお仲間に見えてしまうのは残念です。遊心クリエイションが手掛ける他のブランドは皆、BOROや上田正樹が歌い上げるディープな大阪ソウルが染み付いているのに、なんで“イーブス”だけは無味無臭に個性を殺しているのか理解に苦しみます。もし“イーブス”に大阪ローカルな灰汁がどっぷり染み付いていれば、もっと人気が盛り上がっていたのでは!
 “マウジー”や“エゴイスト”は渋谷ローカル、“キットソン”や“フォーエバー21”はLAローカル、“GAP”だってSFローカルだからメジャーな人気ブランドになったのです。発祥地のローカルカルチャーが匂い立たないようではメジャーな人気ブランドにはなれません!そこんとこ森島君、早く気付いてよ!!
 2009/06/30 09:06  この記事のURL  /  コメント(0)


ケータイ世代が販売手法を変える
 26日付け日本経済新聞朝刊の‘通販売上がコンビニと百貨店を抜いた’という記事の中で編集委員の石鍋仁美氏が『各時代の主役を務めた小売業には二つの共通点がある。ひとつはワンストップショッピングであり、ひとつは消費の現場が消費者の居場所に歩み寄ってきたことだ』と指摘しておられましたが、私もまったく同感です。消費の場はコンビニで半径500mに近付き、パソコンで部屋のデスクに乗り、ケータイで手の平に乗った訳です。わざわざ電車に乗ったり駐車場で入り待ちした挙げ句に人混みに揉まれ法外な価格の商品を買わねばならない百貨店など、もう4世代は前の太古の化石以外の何ものでもなく、絶滅を待つ茹で蛙でしかありません。排気ガスを撒き散らす内燃機関自動車が化石になるのも、もう時間の問題でしょう。
 それにしても恐るべきはケータイ世代のインスタントなデジタル消費感覚です。私のような団塊世代は真空管的なアナログ消費感覚が染み付いており、見ても触りも試着もしないで服を買う事など考えられません。店頭で買ってもサイズや着心地が気に入らず後悔する事も多いのですから、ネットやケータイで買うなんてとんでもありませんよ(それでも書籍の大半はアマゾンに依存しています)。ケータイ世代は店頭で買ってもジーンズの裾上げ以外はお直ししない人がほとんどですから、すごくインスタントかつアバウトに消費している訳で、ネットやケータイで買う事にもまったく抵抗がないのでしょう。
 ガリガリ君の男の子がさらにワンサイズ下をちんちくりんに着たり女の子達が年令不詳体型不詳のズルズルなレイヤードを好んだりするのを見るにつけ、彼等彼女らにはフィットという概念が欠けているのではないかと疑ってしまいます。そんな中、エロいフィットにこだわる109系の女の子はおじさんにも理解し易く救いになりますネ。
 ケータイ世代とアナログ世代の境目は40才手前ぐらいに在るようですが、年と共にアナログ世代は減少してケータイ世代が増え消費スタイルは激変してしまいそう。ネット/ケータイ販売だけでなく店頭販売の手法も一変するのは避けられないでしょう。“キットソン”のようなメディア仕掛けのイベント販売や“フォーエバー21”のようなほとんど自動販売が当たり前になって行く中、古典的な接客ばかり教育するのは能がないのかも!ビジネスエンジニアたる私は密かにケータイ世代向け店頭販売手法(もちVMDと一体)を密かに研究しているのです。
 2009/06/29 10:31  この記事のURL  /  コメント(0)

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プロフィール

小島健輔(こじま けんすけ)
小島ファッションマーケティング代表
感性に依存しがちなファッション業界にあって、客観的なデータに基づくマネジメントを提唱し、現場の技術革新を起点とした経営戦略を訴え続けてきたビジネス・エンジニアである。ファッションビジネス、流通業から外資SPAまで及ぶ多彩なコンサルティング、ブランド/小売業態から商業施設までのプロデュース活動の一方、経済紙誌、業界紙誌にも寄稿。

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