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まさか、従業員の福利厚生費の積立金にまで手をつけるとは…。これでは、前納した授業料が返還された一般消費者も浮かばれませんね。 以前、業務上横領のお話をさせていただいたことがありますが、法務時代のボスから、お金に関しては大変厳格な指導をされました。 今でも後を絶たない有名ブランド商品の偽物ですが、当時、かなり派手目系の紳士ブランドのコピー商品がマーケットに氾濫していました。 社員や取引先からの情報提供を受けては、販売場所に行ってサンプルを購入したり、店主と交渉したりの毎日だったのですが、あるときこんな出来事がありました。 物流関係の取引先の社員の方が、休日に三ノ宮の高架下のお店でTシャツのコピー商品を見つけて一枚購入してくれたのですが、その経費処理に関するトラブルでした。 当該社員の方は、レシート(特別に領収証は発行してもらわなかったそうです)のオリジナルで自分の会社から経費精算を受けており(すなわちオリジナルのレシートは取引先の経理部に提出済)、当社にはそのレシートのコピーが回ってきたのです。 窓口の物流部門の部長が、早く取引先の会社に立替分をお支払したいのでと、私を経由し て経費処理をすることになりましたが、法務のボスが「レシートのコピーを根拠にして会社の金を動かすことはできん。」と突っぱねたのです。 その理由は、オリジナルの書類はこの世に一枚しかないと見なすことができるが、コピーは何枚でも作成可能で、経費の二重精算になっていない保証がどこにある、という趣旨でした。 窓口の部長は、取引先なんだから信用して早く清算してあげるのが筋だと烈火のごとく怒っているし、法務のボスは頑として聞き入れてくれないし。 最終的には、窓口の部長がそのコピーに一筆を書いて押印することで決着したのですが、二人の間を行ったりきたりで二三日かかったことを記憶しています。 窓口の部長には、「そんな丁稚の使いしかできんような社員は死ね。この場で首をつって死ね。ロープ貸したるわ。」とも言われました。 新入社員のその頃は、訳もわからず右往左往するだけでしたが、その後、数々の社内不祥事との遭遇や世の中で起こる様々な出来事を見聞きするにつけ、法務のボスの言わんとしたことの意味が少しづつわかってきました。 私に死ねと言った部長も、何年も前に会社初の定年退職を迎えられて、今はいいおじいちゃんになっておられるんだろうな…と。 こうして自分の会社を経営していると、社長としての自分の全責任で全てのカネの動きは掌握し、ハンドリングすることができるのですが、大勢が集まっている大組織となると、そうはいかない場面も多いので、手続とルールには厳格でないととんでもないことになりますね。 冒頭の、トップが悪意を持っている場合にはどうしようもないですが… ちなみに私が死ねと言われたレシートの額は500円でした。 |




