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産業財産権
 昨日、とあるクライアントとの議論で、コンペティターのメーカーの売れ筋のアイテムの同様素材の同じアイテムを製造することの是非がテーマになりました。

いわゆるデッドコピー(先行商品の全くの模倣)は不正競争防止法に引っかかる可能性が大ですが、下記の趣旨のお話を差し上げたところ、トップも納得しておられました。

 デッドコピーは法的にも商道徳的にも許されるものではありませんが、市場の売れ筋から消費者から支持されるキーワードを読み取って(もしくは先取りして)、それを自社の技術と世界観で再現することは、ある意味ファッション業界におけるモノ作りの本質であって、必要以上に苛まれることはありません、と。

 ただ、市場やサイト上に露出した自社オリジナル商品がいとも簡単にパクられてきた経緯に辟易してこられたご当人としてはセンシティブになっておられるのだろうと想像いたしました。

 はたして、表題の産業財産権について正しい認識と運用ができているアパレル企業と関連業務の従事者はいかほどいらっしゃるでしょうか?

 模倣は人類にとって学習の源泉にほかならないのですが、ビジネスの場面ではルールの遵守と倫理観の維持が重要となります。わが国を含めて、今では先進国と呼ばれている各国もその歴史の過程ではルールと倫理よりも経済成長が優先してきた結果として今があるという事実は否定することができません。世界に目を向ければ国レベルで、わが国の業界内でも企業や人レベルで、それぞれの進化のステージは偏在しています。にもかかわらず、我々は国境を越えて同時代の同じ時間を共有せざるを得ないのです。

 古くは「工業所有権」と称されていた表題の「産業財産権」には、“特許権”“実用新案権”“商標権”“意匠権”が含まれています。また、それらに“著作権”を加えて「知的財産権」とも呼ばれたりします。知的財産権としてはそれら五つの権利ではカバーしきれない様々な無形資産が“不正競争防止法”によって保護されることになります。「無体財産権」とも総称される場合があるのはそういう意味です。

 知的財産権の議論を少し深めることで、法務全般にわたる基本的フレームワークとそれをビジネスの場面にどう適用していくかのセンスを広範に共有することができます。しばらく知的財産権にまつわるお話を続けてまいります。
 2008/02/14 23:17  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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