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ヘリコプタービュー
 発想や議論が行き詰ったときに、「ヘリコプタービュー」を持つと創造的解にたどりつけることがあります。

 新入社員のころ、ボスからよく“お前は、ミミズか!!”と叱られました。なぜミミズかと言うと、地べたを這い回って、壁にぶつかると適当に向きを変えて、また壁にぶるかるとさらに適当に向きを変えて、穴があったらそこに落ちるし、全くもって目的地に近づいていないと…。

 当時、紳士系のブランドで偽者が横行しており、それらを扱っている善意ではない業者や人物に対する対応を担当していたときに、よくそうやって怒鳴らたものです。いまでこそ、知的財産権の事件で警察が動いてくれる世の中になりましたが、当時は単なる民事という扱い
で警察はまったく関与してくれない時代で、民間企業の一新人が四苦八苦して対応していたのでした。そんな中で、ああ言えばこう言うの海千山千の猛者を相手に会社としての成果を出せない私をミミズに例えて、ボスは指導してくれていたのでした。

 ヘリコプタービューとは、平面しか見えていなくて向かうべき方向や壁の乗り越え方がわからなくなったときにはヘリコプターに乗って上空に上がれば周囲が俯瞰できて、自分がいる場所とどこに向かえばゴールに近づくのかが見えてくるという意味で、ミミズと叱られてからおおよそ10年後に中期経営計画の策定をサポートしていただいたコンサルタントの方から教わったものです。10年の歳月を経てようやくミミズの意味がわかった私でした。

 その昔、ランズボローメイズという巨大迷路がパッと出てきて一瞬のうちに消え去りましたが、あれはまさにミミズ的疑似体験ををアミューズメントとして提供する施設だったのですが、人間にとって決して快適なものではないことから廃れるのも早かったのでしょうか?

 さて、巷では中国産の食の安全性が大きな問題になっていますが、今朝の朝刊のコラムで極めて冷静な議論に触れることができました。今の日本の立ち位置とレベルから一方的に中国を語るのではなく、我々にも昭和があったことを思い出すべきという趣旨のお話しでした。昭和の高度成長期には多くの食害、公害がごく当たり前のように頻発していて、それらを糧にして一定の年月を経て社会的に進化してきたという歴史がわが国に限らずすべての国において共通なのは周知のとおりです。

 中国は今年がオリンピックで再来年が万博ですから、昭和39年と昭和45年を今まさに二年間で走りぬけようとしているのです。時間軸と地理軸を大きく引っ張ってみて、一度ヘリコプタービューに立ってみると、今起こっている事件も少し違った見え方になるかもしれませんね。

 2008/02/05 18:22  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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北村 禎宏(きたむら さだひろ)
ファッションビジネスコンサルタント
アパレル企業での実務経験とMBAの経営理論を融合させ、クライアントの問題解決やアドバイザリー機能を提供。
「アナログ」と「デジタル」、「実践」と「理論」のハイブリッド型コンサルティング活動を実践するとともに、教育・研修事業も鋭意展開中。

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