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2009年06月30日

ファンシー現象

 市場が季節とともに動くときに新しい表現が目に留まります。
 いきつ戻りつ今シーズンはいつに無く不況感に押し切られた春から初夏への移行でした。
 そんな中だからこそと言えるのかも知れませんが、少し華やいだ、上品でエレガントな洋服(素材使い)に心が和みます。
 週末のウィンドウから気になるファンシーなものを拾ってみました。

 たとえば刺繍やレース。
 女性にとってエレガンスが永遠のテーマであるように、素材ではレースや刺繍も常に傍らに置きたいもののひとつです。
 かつては付属品の位置にとどまっていたものでしたが、今シーズンは上品でファンシーな味わいの表現に欠かせないものになりました。
 清楚なラグジュアリーともいえるでしょう。







 エスニックテーストの装いもファンタジーを感じさせてくれます。
 ボヘミアンやインディオなどの民族意識の強い表現にもチロリアンにあるような可憐さや豊かな自然を思わせるような、それでいて整った感覚が新鮮です。





 昨年から続いているフリルは、表現を自由にしながらも夢のある世界を提供してくれます。
 縦に、横に、斜めに、重ねたり、這うように使ったりと色々。
 華やかさと可愛さの両方を持ち合わせ、アラフォー世代にも支持されているようです。





 水彩画のような大きな花柄
 プリントのモチーフが大きくなる傾向があるますが、ここにもファンシーな表現がみられます。
 プリントの醍醐味、自由に大胆に、それでいて優雅さもある大きな花柄は意外に着易いいかもしれません。

2009年06月22日

今春最大の話題、フォーエバー21の素材に思う

 テキスタイルウォッチを軸足にしながらファッションを考える立場をとっていますが、そのビジネスにおいて価格、量、流れやこだわりにこれほど差が出来たことは無かったように思います。
 テキスタイルのもの作りは、芸術とも思えるアートファブリックから伝統的な織物、新しい加工、機能性を持つ素材、更に価格が加わりそれぞれのバランスが求められます。
 ラグジュアリーや高級ブランドといわれる商品に使われている素材はデザイナーの意向に沿って吟味され、その価値観に十分納得のいくものが選ばれます。
 通常の企業内ブランドでも妥協をしながらも折り合う点を見つけ、収まる価値と価格を見出します。
 しかし今話題の海外からやってきたファストファッションではこのような流れでは成り立っていないことに瞬時に気づかされます。
 優秀なバイヤーが世界各地のファクトリーから適切な商品を選び出し買い付ける方法をとり、そのためにはファッショントレンドを始め、消費者の好みや消費行動の特徴などをよく勉強しているということになります。
 そして安価で買い物をすることは「今」を楽しむ消費者にはピッタリというべきでしょう。
 しかしガーメントの価格から割り出す素材の値段は法外としか言いようがありません。
 ファストファッションの話題には注目しますが素材は従来と異なる分析が必要になります。
 何よりの違いは「作る仕組み」です。
 上記のような腕利きのバイヤーの存在を聞くと少々あきらめにも似た納得がありますが…
 クリエーションとビジネスの接点がどこにあるか、素材はその中で踏ん張っているということに今更ながら気づかされます。


フォーエバー21 4月29日OPEN
2009年06月15日

ジョイント尾州展

5月26〜28日青山ベルコモンズにおいて2010年春夏向けジョイント尾州展が開催されました。
ウールの産地として名をはせた尾州ですが、昨今はウール以外の素材を積極的に扱い新たな評価を得ています。
ウールのゆるぎないポジションを守り抜くことと産地の発展は裏腹かも知れませんが、現市場にあわせて求められるものやウールの枠を越えた新しい開発に敬意を表したいものです。
提案されたシーズンのテーマに沿って気なる素材をいくつかご紹介します。

[T]NATURE
植物素材を意識し自然の持つエレメントを中間色を中心に豊かに表現したグループ。

○ ヘブン・セレモニー(天国のセレモニー)
神殿や女神を思わせる優雅な世界。古代地中海の美、古代ローマなど。
植物的素材。クレープ、ボイル、モスリン、ガーゼ、チュール、ネット
リネン、コットン、シルク、シネ、エンボス。


 左:バンブーリネンカラミ 右:バンブートロピカル
野村産業株式会社


○ ラティーノ・パンパ(ラテンの草原)
南米の開拓地 エキゾティックな庭園 広壮な農場
乾燥、荒々しさと草木の瑞々しさ、豪奢など両者の共存
繊維質の際立つ素材感 パナマ、リネン、ラフィア、ヘンプ、コーン、ラミー
ファイバー感のあるもの ジュート、キャンバス、平織り、葉脈のような。


 OJOモダール
中外国島株式会社


 バンブートロ
野村産業株式会社


 OJOジョーゼットボーダー
三星毛糸株式会社


 縦糸カスリ
みづほ興業株式会社


[U]COUTURE
フェミニン、エレガンスの再構築による洗練された都会のモード

○ プリティーウーマン
よりフレッシュに表現されたフェミニンテースト。50年代のハーパースバザーやヴォーグ誌に見るようなニューヨークの女性像。
レリーフ効果のある素材。スラブヤーン使い。サテンやツイル。
ビスコース、リネン、ウール/リネンなど。


 テンセル綿 交編片袋
株式会社モーリタン


 いらくさ混塩縮
みづほ興業株式会社


 ファンシーツィード
渡六毛織株式会社


○ プレッピーラボ
上品さのあるコンテンポラリーでアヴァンギャルド性も加味したスタイルを目指す。
白を中心に綺麗な色を組み合わせる。
細心、精密、すっきり、計算されつくした美しさ。
コットン、ウール、ポリアミド、ポリエステルなど。
すべりのよさ、光沢、ナクレ。


 エステルレーヨン リップル
株式会社モーリタン


 レースレイヤー
いわなか株式会社


 麻デニム
石慶毛織株式会社


 麻レーヨン風通
長大株式会社
2009年06月07日

東レ2010年SS展

来春夏に向けて各社の素材展が行われています。
先週末に表参道・スパイラルホールで開催された東レ「Proud of GOUSEN」ではポリエステルを中心に歴史ある定番商品を含め、開発素材をより効果的にアッピールするために沢山のガーメントを作り、魅力的なプレゼンテーションをしています。
技術的にも可能な限り薄さと軽さを追求したシルックシリーズに加えて、中綿やキルティングをしないで春や秋にも着られるコート素材のバリエーション、更にドレスやスーツ、ボトムへの対応も十分な中肉素材が増えました。
合繊にはさまざまなテクノロジーが付加され、機能性を始め着心地のよさ、おしゃれ感覚、更に織物や編み物の域を越えた身体の一部のようなタッチ(触感)まで驚くべき進化です。

そんな思いを持たせてくれた素材のひとつに「uts−ef」(仮称)があります。
海島型のマイクロファイバーとしてすでにお馴染みのutsですがこれに特殊な染色加工組み合わせることによりこれまでにない質感を出したこと、同時に微妙に変化する玉虫効果が特徴です。
手に取るとどこか懐かしいような優しい手応え、そして離れて見ても奥深い光り感があり、上品さとハイテク技術が融合したような素材です。
スポーツやカジュアルにもキャリアのセットアップにもと想像の枠が広がりました。



2009年05月29日

初夏の市場に見る素材 5

[モダンの表現]
黒と白を中心にシンプル、シャープを強調するウィンドウを沢山見かけました。
この色の組み合わせは透ける素材が使われるとエレガントやセクシーなものになりますが、光沢や中肉でマットな感じの素材では潔いモダンさを表現します。
見慣れた黒白がとても新鮮に見えるのはこのアーティスティックなモダンさかもしれません。
色と素材のバランスに思いがけない発見がありました。






[ナチュラル]
売り上げをあまり期待出来ないこのごろの市場では、商品への目も厳しいものがあります。
価格が最も重要という意見が多い中で、素材や縫製、デザインポイントにも同様の目が注がれ、更に自分の価値観に見合うかを判断します。
それでもナチュラルはここ数シーズンの基本的で大きなテーマです。
同時にラグジュアリー、ストリートはもちろんスポーツでも取り上げられ、ファンタスティックにも、機能的にもナチュラルテーストは大きく係わっています。
新しい表現として、洗いざらしやしわはプリーツや折り紙風に、楊柳は幾何的に処理された複雑なプリーツに。
ぼかしたような色使いはグラデーション、柔らかく空ける素材は重ねて色のミックスを楽しんだり、身体を包み込むようなレイヤード使いにする、などナチュラルは素朴さや優しさだけでなく案外手の込んだラグジュアリーも見られるようになりました。





[やっぱりゴールド!?]
初夏の市場にゴールドの根強さを感じます。
それも地味に、渋くというのではなく、メタルとしての燦然たる輝きを誇るかのような金色です。
でも触ってみると軽く薄く柔らかいという不思議な触感です。
洋服やアクセサリーは勿論のことインテリアや雑貨にも見られ、キラキラ光るものは満足感を与える不思議な力を持っているようです。



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