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「私」を満たす化粧品を作ろう
 スキンケアの本質は一に保湿、二に保湿、と思っている私はつねづね、保湿力が強く、持続が高く、使い心地の良い化粧水が欲しいと思っている。世界には星の数ほど化粧品があるのに、ありすぎていまだ自分にあったものが選べないでいる。

 というのも化粧は、洗顔に始まってメイクアップで終わる。その行程を考えると、全商品のバランスを考える必要があるのだか、このバランスがとりにくい。すべての行程を踏まえたうえで、化粧水の濃度や化粧下地の濃度をきめていくなどということはほとんど不可能に近い。色々なブランドのいいとこどりをしようとするからだ。広告で、シミに効くといわれたら、そうかと飛びついてしまうし、日焼けを防ぐにはコレが一番といわれれば、それでなければならないと思ってしまう。それでも成り立ってしまうのが化粧の世界なのである。

 50を過ぎると、とにもかくにも肌が気になる。透明感があり、張りのある肌を保ちたいと思う。きれいな肌を保ち、出来るだけ、薄化粧でいたい。しかし、現実は反対で、肌がくすみ、シミなどが気になりだすので、どうしても厚化粧になってしまう。そこをどうにかしたいのである。

 もうひとつ贅沢をいうならば、簡単で、続けられるものがいい。この年になると手元が危うくなる。目も遠くなり、ラベルの字も読みにくくなる。だから、たくさんの商品を洗面台に並べて、順番に使うなどというのは面倒で仕方ない。ラベルの読み間違いで化粧水の前に乳液をつけてしまうなんてへまもやる。

 スキンケアは出来れば、ひとつですめばいい。入念な洗顔の後は美容水のみ。あとは日焼け止めと薄いメイクアップ。それで、ゆっくりと美しく年を重ねられたらいうことはない。アンチエイジングではなく、スローエイジング。シンプルエレガンスでいつまでもさびないプラチナエイジを目指したい。

 で、自分で作ろうかなと考えている。プラチナエイジのためのシンプルスキンケア商品を。
私と同じ思いの女性達の希望を満たすためにも。私がやる、ってのはどうだろう。やってみて後悔はないだろう。失うものはなにもないのだから、ね。
 2006/08/22 23:14  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

足裏美人
「自分の体でどこが一番好き」と聞かれて「足の裏」と答える人はそういないだろう。
が、この「足の裏」が私の自慢である。人に見せたくなるほどツルツル。人に触らせたくなるほどやわらかい。といっても日ごろはいつも地面や靴の中敷としか接していない足の裏、いざお見せしようとすると、恥ずかしがってしまうので、残念ながら、どなたかに証明していただくわけにはいかない。

素足の季節になると、街を行く女性達のひざ小僧やかかとの手入れが気になる。足って結構色っぽいからね。足首がキューッと引き締まっていたり、白くてやわらかそうだったり、反対に日焼けして筋肉質だったりするとDカップのバスト以上に色っぽくみえる。浴衣の裾から見えるきれいに手入れされた素足。時代劇の濡れ場シーンでアップにされた女性の足元。ヤッパリ、足は手入れ次第でかなりセクシーシンボルになるようだ。

私の足の裏手入れは母の影響が大きい。当時50代だった母の足は毎日せっせと手入れをしているためか、惚れ惚れするほど美しく、20代の私の足のほうがガッサガサで負けていた。足の裏まで丁寧にクリームを塗り、顔にマッサージをするようにいつまでもいつまでもマッサージをしていた母の姿を今でも思い出す。私も50代に入る前ころから、それまで以上に念入りに手入れをするようになった。そのお陰で、顔はだめでも足の裏だけは娘にも負けない。

手入れ方法はいたって簡単。お風呂でスクラブを使い、ひざ、かかと足の裏をマッサージ。
お風呂上りに入念にボディクリームを塗りこみながらマーサージをするだけ。足の裏のマッサージはむくみを取るのにも役に立つので、一石二鳥である。で、スクラブは何かというと、ザ・ボディショップ のソルトスクラブ。全身に使えるが、私は集中して足とヒップに使う。ちょっと擦り込むようにマッサージし、シャワーを浴びると、あっという間にツルツルになる。ざらざらが激しい時は3日ほど続けてみると、やわらかくなってくる。海の塩の効果だ。クリームはやはりザボディショップのボディクリームシリーズの中のシアバター。匂いが一番弱く、保湿が一番強い。冬に使う人が多いが、私は1年中使っている。ガーナの女性達の黒光りするきれいな肌を作っているのがこのシアバターであるから、女性の肌で実証済みの商品でもある。ザ・ボディショップの社長を6年やっているうちに見つけた逸品である。

一昨年、中国に40代の友達夫婦たちと旅をしたときのこと。ミセス達はみんなお顔はとてもきれいに手入れされているのに、なぜかおみ足がお粗末。コレではミスターたちにもがっかりされるのではと余計なお世話も手伝って、急きょホテルの一室をにわかじたての足エステサロンに変えた。もちろんエステティシャンは私。持参していたスクラブ、オイル、クリームを使い、二人の女性の足を集中的にマッサージした。手入れをすること1時間。乾いた地面が水を得てしっとりするように、彼女達のかかとや足裏はみるみる美しくなった。ほらね、肌って正直でしょ。手を掛けただけきれいになるのよ。その証明ができた。翌朝、ミスターたちから「ヤッパリ女性は足でしょ。キレイにしてもらってありがとう。」とお礼を言われてしまった。ミドルに差し掛かると、奥方のことは気にならないのかと思っていたら、意外や意外。やっぱりきれいなほうがよいらしい。それからというもの、ミセスおふたりはすっかり足裏エステを欠かさないらしい。

足に色気あり。見られてないようで見られている足元です。足裏で勝負ってのもアリかも。


PS.これは夏に書いたのですが、ブログをスタートするのが秋になっちゃいました。でも、クリスマスシーズンにはバックベルトのヒールをはくでしょうから、一年中、足はきれいにしておこうね。
 2006/08/16 10:00  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

王さんの退院の日
 入院先の病院で、偶然に胃がんの手術をした王さんとお会いした娘は、廊下をリハビリお散歩中に、声をかけられた。「足どうしたの」と王さん。「骨をとったんです」と松葉杖の娘。王さんのお散歩の邪魔をしないように、反対側の廊下でリハビリをしていたのだけれど、部屋に戻る途中でまた声をかけてくださった。「大きいんだね」「はい。バレエをやっているんです」「そう、頑張ってね。」コレだけの会話だけれど、世界の王さんとお話できた。ほんとうにラッキーで感じであった。その様子を見ながら、私は「ヤッパリ王さんって凄い」と感動してしまった。頂点を極めた人ほど、やさしい。

 王さんが明日退院されるということを知った娘は、生花の代わりに鉛筆で一本のガーベラの絵を描いて 退院のお祝いメッセージをしたためたカードとともに看護婦さんに託した。なんだか、映画のようである。

 1986年生まれの娘は1980年に選手生活にピリオドを打った王さんの大活躍ぶりをまったく知らない。だから、私が感激しているのとはちょっとちがった感激の仕方をしていたようだ。小さな村で出会ったおじさんと村娘が人間らしい、やわらからコミュ二ケーションをしているような・・・その場面に遭遇した私はホットミルクを飲んだように胸のあたりがポッ、ポッとなった。

 娘は何も期待していなかった。カードをお渡ししただけだから。彼女にとって、カードを書くことは小学生のころからの習慣である。家族の誕生日、私達夫婦の結婚記念日、バレエの先生へのお礼。インターネット世代だが、彼女はカードを使う。だから、王さんから自筆のサイン入り色紙が届けられた時はびっくりしたようだ。「バレエがんばってください。王貞治」「ねえ、ねえ、王さんバレーボールと間違えなかったね。ちゃんとバレエになっているよ」なにを喜んでいるのやら。それにしても嬉しい出来事であった。

 嬉しいことは王さんが退院なさる日にも起こった。王さんが病室を出られ、エレベーターに向かわれたことを知って、娘は松葉杖で走った。大股で、まるで、ダチョウのごとく、走った。ご挨拶をしたいがために。すると、王さんはなんとエレベーターホールから、娘のほうへ戻ってきてくださったのだ。「お大事にね」とニコニコしながら、娘の松葉杖のほうへ。

 こんなドラマチックなシーンを誰が演出できよう。ただただ、王さんのお人柄のお陰である。周りにいた看護婦さん達も、王さんの関係者の方々も、ひとりひとりが幸せを感じた瞬間。娘にとって、今回の入院は記憶に残るものになったに違いない。欲のないものに訪れる幸せ。そのおこぼれを私もいただいた。いい人との出会いは自分までいい人にしてくれる。ありがたい。

 PS.コレも夏の思い出。後日談だが、王さんは娘の退院の日、再入院された。今度の病室は娘の部屋の真正面だった。記念の写真をお渡ししようとすると、元気に廊下で出ていらした。「やあ、食べ過ぎちゃったよ。退院してもお大事にね」そのなんともいえない率直な表現に思わず娘は「そちらこそお大事に」と微笑んだ。
「握手してくださったよ。手がとても暖かかったよ」と娘。バットを握り続けた世界のホームラン王の手であった。



 2006/08/09 23:03  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)


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プロフィール
蟹瀬 令子(かにせ れいこ)
上智大学文学部英文学科後、博報堂に入社し、コピーライターやコピーディレクターとして活躍。
1999年、「ザ・ボディショップ」を日本で展開するイオンフォレストの代表取締役社長に就任。
ケイ・アソシエイツ代表として、外資系企業、および国内企業のブランディング、マーケティングを手がける。2007年スキンケアブランド、LENAJAPONを立ち上げ現在にいたる。

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