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VAIOが切れて、私も切れた。
コンピュータが壊れた。1年前に液晶画面が壊れて、2度目の出来事である。早速VAIOのサポートセンターに電話した。応対にでたのは技術者らしい若者。丁寧すぎるほど丁寧な応対に思わずねじを巻きたくなる気持ちをおさえて、若者の質問に答えた。最後には「やっぱりお預かりするしかありません」という返事。それは素人の私でもわかる。だが、応対の良さは「さすが、天下のソニー」であった。自宅に戻ると一連の故障修理に関する書類がファクスで届いていた。その速さと正確さにも感激した。

そして、数日後、今度はCSセンターからのファクス。修理の内容について説明をしたいので、電話がほしいとのこと。で、朝いちばんで電話をいれた。これが間違いの第一歩。電話にでたのは若い女性であった。

彼女は今回の修理は3か所必要だと説明した後に、メモリーがきえてしまってもいいか聞いてきた。メモリーはまだバックアップをとっていないので、それは困るというと、それなら、故障を修理しなかったことになるがそれでもいいかという。2か所直れば、液晶は復活する。ならば、メモリーをバックアップしてから、再度修理に出す方法もあるのではないかと思って、尋ねたが、それは保証できないと、半分脅しのようになってきた。

何度質問しても同じ言葉を繰り返すだけ。日本語には同じことを違う言葉でわかりやすく説明することができるだけの語彙があるはずだが、同じことの繰り返し。まるで、テープをきいているようで埒があかない。そこで、違う人に出てもらえないかと頼むと、それはできない。違う人が出ても同じことを言うだけだからという。もう、切れそうになるのを抑えて、再度、では、どうすればよいかわからないので、ほかの説明をしてくれないかというと、また、同じ言葉しか発しない。切れた。完全にきれた。なんじゃこりゃ。

私はあなたと話すのでなくソニーから説明を聞きたい。ソニーにはプロの人がいっぱいいるでしょ。先日のサポートセンターの人の説明はよくわかったので、そちらへ電話を回せないかと尋ねるとそれもできないという。

CSセンターを運営したことがある私としては我慢の緒が切れた。教育がなっていない。なぜ、お客が欲している情報を理解しようとしないのか、なぜ、お客が理解できていなことについてわかるまで説明しようとしないのか。文句を言っているのではなく、判断をする情報がほしいだけなのにたったそれだけのことに対応できない。最後はロボットの方がましなのではないかと思ってしまった。

30分の押し問答の後、「それでは午後に別の担当者から電話をし直す」という結論になった。ああ、朝から私も壊れそう。月曜日の朝はこうやってスタートした。

午後にちょっとベテラン風の別の担当者から電話。彼女の説明を5分聞いただけで、選択肢がわかった。「なんだそういうことだったんですね。それでは、まずは2か所を修理して戻してもらって、バックアップを取ったら、再度修理にだしますから」とお願いした。電話の向こうでは「すみません、失礼がありまして」と低姿勢。こちらも思わず大変ですね、と同情してしまう。

ブランドのイメージはサポートセンターやCSセンターなど、電話で対応する業務窓口の姿勢の如何で変わってくる。今回ははじめに○、次に×、最後に二重丸で致命的ブランド破壊になる前に落ち着いたが、×××と続けば、客はそのブランドからはなれてしまう。選択肢は星の数ほどあるのだから。

とくに団塊の世代がPCを駆使するようになると、その世代にあわせた優しい説明が必要になる。「おばさんわかんないから、よろしくね」と頼んでいるのだから、ひとつのことを、せめて3通りくらい言葉を変えて説明できるようになってほしい。それにしてもコンピュータがなくてはビジネスが成立しなくなったこの時代、コンピュータが壊れただけで、人間の神経まで壊れそうになるのはどうにかならないものだろうか。
 2008/02/21 01:11  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
蟹瀬 令子(かにせ れいこ)
上智大学文学部英文学科後、博報堂に入社し、コピーライターやコピーディレクターとして活躍。
1999年、「ザ・ボディショップ」を日本で展開するイオンフォレストの代表取締役社長に就任。
ケイ・アソシエイツ代表として、外資系企業、および国内企業のブランディング、マーケティングを手がける。2007年スキンケアブランド、LENAJAPONを立ち上げ現在にいたる。

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