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パイプ屋さん、時間通りにやってきました。 午後11時28分。駐車場に車を停めていると携帯がなり、 Where are you now? 声の主はパイプ屋さん軍団のボス、その名もジェームス。身長160センチくらい、小太りの身体の上には短めの首と100%中国系の顔。そこに口髭をたくわえている風貌は、どうみてもジェームスとは呼びがたい。 「本名のタン・キムホーでいいじゃないか」と言いたくなるが、彼に限らず華人系の多くは横文字の名で日常生活を送っている。 お店で予約の電話を受けていても、キャサリンやらジャッキーやらクリスティーンやらミッシェルやらが続々。でも、青い目に金髪のお客さんは全体の2割にも満たないんです・・・。 What a surprise! You guys are on time!! 時間つぶしに飲んでいたビールで上機嫌。アルコール臭とともに赤い笑顔で声をかけると、軍団は対照的にしらけ顔。 「そりゃ、あんた。前回、あれだけ勢いよくまくしたてられたからっさ」とジェームスが全員の胸の内を代弁した。 1年前のパイプ修理のとき。いったい、何を口走ってしまったんだろう?? 英語で喧嘩となると、ボキャブラリーが少ないため、ありったけの罵り言葉をせっせと並べてしまうから始末が悪い。映画を観ていても、それほどのオンパレードは浮気がばれた直後の場面ぐらいでしか耳にすることない。 言った方は覚えていなくても、言われた方はしっかりと覚えているのだから気をつけなければ。酔った頭にイメージだけ真剣な表情を浮かべ、つかの間の反省を決め込んだ。 さて、パイプ。水漏れした部分の付近を切り落としてみると、断面にはコレステロールがぎっしり。「こりゃ、動脈硬化の末期だね」ってジェームス、それ冗談になってないよ。 午前12時10分。パイプの総取り替えが始まる。エアコンが匂いを吸い込むと良くないので、空調はなし。明け方の4時にあらかた終了。鬼神と化したジェームスは、「朝イチでビルの管理オフィスに乗り込む」と鼻息が荒い。 ジェームス軍団は、管理オフィスとビル全体のパイプ清掃を行う契約を結んでいる。なんでも、「サロンの人間がうるさいから、行くだけ行ってほしい。水漏れは大したことないから作業はすぐに終わるはず」と言われていたらしい。 パイプ屋さんへの悪評予想はことごとく外れ。全滅では良くないので、とりあえず自身の酔いどれ率99%を的中させ、なんとか名目をたもった。 |




