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あるビジネス上のライセンス更新を忘れていて、 まずはあせって、次に動揺して、そして意を決し てお役所に行ってきました。 お役所に出かけるのは、今回が2度目。前回の訪 問は、開業時にライセンスを取得したときだから 3年近く前になります。 受付に行くと、「このビルの4階に行ってくださ い」と言われ、4階に行くと、「あちらの窓口へ どうぞ」と通される。壁を挟んで向かいにあるそ の窓口へ行くと、「あちらが担当です」と最初に 声をかけた窓口を差す。 こうしてピンボールのごとく左右に弾かれたかと 思うと、2回目に聞いたとき、壁の向こうの窓口 の方が、「6階に行ってください」と言い放つ。 今度は上に放り投げられてしまった。 さて、6階。電気は部分的に消えてるし、カウン ターに人の姿もない。もしやと思ったが、予感は 的中し、2時まで昼休憩とのこと。 待つこと30分。1時50分くらいになると、職員も 続々と戻ってくるものの、3人に聞くと、3人と も「2時までは休憩時間です」ときっぱり。サー ビス精神も休憩中だった。 順番待ちの番号札だけでもとっておこうと、ボタ ンを押すと1番の表示どころか、紙切れ1つ出て こない。 そのうち、お役所に用事があるほかの人たちがポ ツポツと現れ、その中の1人がボタンと格闘する 背後に近づいてきた。「私にやらせろ」と言わん ばかりの視線が背中に熱い。 このチャイニーズのおばさんが押して番号札が出 てきたら、この人は1番の札をゆずってくれるだ ろうか、そんなわけないようなぁ、そしたら、僕 の方が先にきたんだから、その1番を得る権利は 私にある、などと主張すべきかどうか勝手に迷い 始めていた。 結果的に機械が故障していることをおばさんと2 人で確認することになり、ちょっとだけ分かりあ る空間を共有したわけだが、そうしている間にお 昼休みを終えたマレー人のおばさんがカウンター にどっかりと腰を下ろした。 すると、隣にいたはずのチャイニーズのおばちゃ んはがいつの間にか、ちゃっかりと用件をすすめ ちゃっている。あららと思っていると、おばちゃ んの用件も片付かないうちから、今度は別のチャ イニーズのおにいさんがかばんから書類を出して 「これ、お願い」とカウンター越しに差し出す。 受けとるマレー人の係のおばさんもおばさんだけ ど、用件があらかた片付いたチャイニーズのおば ちゃんまで加わって何やらマレー語の雑談がはじ まり、そこで決定されたがごとく、2番目に対応 してもらえたのはおにいさん。 やるかたなく立ちつくしていると、「あんたは?」 と不意に声をかけられ、ライセンスを更新したい旨 を伝えると、「ノー」。二の句を継げずにいると、 「ここじゃない。隣のビルに行きなさい」と、あき れるような口調で冷たくあしらわれてしまった。 もうどうにでもなれ。言われるがままに隣のビルへ。 今度は番号札が出る。さい先はいい。順番がきて、 指定のカウンターに行くと、マレー人のおねえさん が笑顔でピンク色の紙を印刷して手渡してくれた。 マレー語で書いてあるので内容は分からないけど、 真ん中ほどにRM2,000とあるのが少し気になる。怪訝 な顔をしていると、察したおねえさんが「罰金2,000 リンギを払ってもう1回来てください」と人ごとの ようにの言う。 それは人ごとだろうけど、2,000リンギといえば現地 の食堂でいただく朝食400日分に相当する。困り果て た表情をしていると、「罰金の交渉なら、罰金部屋 で罰金担当官とどうぞ」と助け舟をくれた。 罰金部屋に入るためには、最初に番号札をとった機会 でCのボタンを押し、電光掲示板に自分の番号が表示 されたら入室して、担当官とさしで交渉するらしい。 一般論として、最大いくらくらいまでなら割引してく れるの、と聞いたら、「700リンギくらいじゃない」と 相場を教えてくれた。それでも、朝ご飯140回分だ。 待っている間中、対策を練り、緊張の面持ちで入室。 ピンクの紙を差し出すと、担当官の表情は硬い。 マレーシアが大好きで、駐在後もここに住みたいから 独立して事業を始めたんですという論旨を軸に、切々 と身の上話しを進めると、「じゃあ、500リンギ」。 300リンギなら払えるけどには、「ダメ」。じゃ、なん とか400リンギにと踏ん張ったけど、答えは「ノー」。 最後は提出したピンクの紙の右端に赤ペンで500リンギ と記して、その下に担当官が署名し、そこで終了のホ イッスル。 罰金を払い終える頃には、相場を教えてくれたおねえ さんがライセンスを用意してくれていた。 帰りに車を運転しながら一考察。相場の倍以上の値段 から入って、最終的に言い値の半額に落とすやり方は チャイニーズの商売手法だとこれまで思ってた。 でも、インド人も近いことをやるよなぁ。ということ はひょっとして、マレー人と商売上のやり取りをやる ことがほとんどないから印象的に薄いだけで、以外と これ、常道だったりして。 それともチャイニーズに対抗するため、お役所がチャ イニーズ流の手法を罰金徴収システムに取り入れたの かなぁ。 いずれにしろ、明日から140日間、朝食の度に重たい気 分になる。 |




