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シンガポールとマレーシア
昨年末から今年にかけて、2回シンガポールに行ってきました。
いたるところで、「ずいぶん変わったなぁ」を実感しました。

僕が住んでいたのはもう7年前なので、変わって当たり前なん
ですが、「それにしても、ずいぶん変わったなぁ」とホンッと
にいたるところで思った訳なんです。

何が変わったんだろぉ、何がマレーシアと違うんだろぉと色々
考えてみて、輪郭めいたものが少し浮かんだので、ちょっと書
いてみることにしました。

一言でいえば、シンガポールでは直球オンリーだった勝負の仕
方に、変化球勝負が加わったってとこでしょうか?

あくまで主観であることをお断りして、乱暴な言い方をすれば、
マレーシアの場合、例えばレストランを判断する材料としては、
「安い、うまい、高い、安い」など、直接的な評価基準しか存
在しないんです。これは、7年前のシンガポールも同じだった
と思います。

ところが、今のシンガポールには「安い、うまい、高い、安い」
の間に、たくさんの付加価値が存在します。「健康、稀少、ブラ
ンド、快適、新しい」などなどです。

直球勝負の世界では、安くてうまくなければ勝ち目はありません。
いくらその間に、付加価値を変化球としてしのばせても、勝負とし
てみてもらえないのです。「高い」という一言で、半ば議論の余地
もなく、いとも簡単に退けられてしまいます。

実際に海外を見聞きしたことのある、一部の富裕層は別にして、少
なくとも大衆の間では変化球をルールとして認めません。勝負に遊
び心を加える余裕が、まだ備わっていないのだと思います。

その点、シンガポールで「変わったなぁ」を実感した場所には、遊
び心がたくさんありました。

ロバートソンキー。タングリンビレッジ。

いずれもショッピングモールではありません。川辺だったり、丘の
上だったり、冷房でがんがんに冷やされた箱の中ではなく、ゆった
りとした時間が流れる、空間を楽しむ場所なんです。

空間と時間が付加価値になる分だけ、値段は高くなります。それに、
その付加価値を楽しめる人たちを対象にしているので、川辺や丘の
上には個性のあるショップが軒を連ねています。

この動きに併せ、シンガポールではショッピングモール内の顔もず
いぶんと変わったという印象を受けました。バライエティに富んで
いたなぁという感じです。

マレーシアはショッピングと言えば、いまだショッピングモール
の中だけ。そして、冷房で冷やされたその箱の中に存在するのは、
ほとんどが直球勝負を得意とする同じ顔ぶればかりなんです。

ファッションで言えば、どこに行ってもファクトリーアウトレット
があり、ローカルのセレクトショップがあり、必ずトップショップ、
エスプリ、ジョルダーノ、パディーニがあります。

無印良品のようにコンセプトがあり、分かる人には分かってもらえ
るような商品は、間違いなく変化球のカテゴリーに入り、そういう
ものを受け入れる素地は、まだマレーシアには整っていないんだと
思います。

高いものは、だれが見ても価値が分かるものでなければ受け入れて
もらえません。無印のように、自分だけでそっと喜ぶ価値観、分か
り合える人たちだけで価値を共有するような優れものは、いくら説
明しても恐らく完全には理解してもらえないでしょう。

高いものは、ベンツやBMWなどのように、富の象徴でなくてはなら
ないのです。

だから、一般大衆には質もそこそこ、サービスもまぁまあ、値段も
お手頃、すべて及第点、悪く言えば中途半端なものが圧倒的な支持
を得ています。

レストランで言えば、中華のドラゴンアイ、香港から来たキム・ゲ
リー。シューズで言えば、VINCI などが直球勝負の王道を行ってい
ると思います。圧倒的な支持を受けています。

果たして、マレーシアにも変化球の時代が来るのか?

来るとしたら、それはいつになるのか?
どういう形でくるのか?
こちらから、しかけることができるのか?
だとしたら、どういうアプローチが有効なのか?

ここを見極めることができれば、面白いことになりそうです。
そして、こういうことを考えること自体が、僕にとってすでに面白
いことになっています(笑)。

誰か、違った見方をする人がいれば、ぜひご意見を聞かせて下さい!
 2008/01/28 18:37  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
石橋 正樹 (いしばし まさき)
マレーシア・クアラルンプールで事業を展開中。
スポーツライターを経て、ビジネス情報を専門に配信する通信社に勤務し、2001年よりクアラルンプールに赴任。
2004年に独立し、クアラルンプールにヘアサロン「月泉」をオープン。2006年に「E.P.」をオープン。Asian Hair Tokyo Style を展開中。

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