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若者、工房に戻る
昨今、職人を志望する20代の若者が、工場に、工房に戻りつつあるという。大消費地の東京は、かつて生産地としての顔も持っていた。縫製業、ニッター、毛皮・皮革、服飾雑貨などメーカーが軒を連ね産地を形成していた。地価や人件費の高騰、労働力不足から70年代から80年代と転廃業、工場の地方移転という形で空洞化は進み、残った工場も経営難、後継者難で往時の見る影もない。

そんな中、若い後継者が若い職人と二人三脚で、オリジナルなものづくりを看板に、しぶとく、したたかに、メードイン東京をアピールし奮闘している。東京・葛飾区のバッグメーカー猪瀬(猪瀬昇一社長)も若い職人が、ものづくりに励んでいる1社。服飾専門学校でバッグを学んだ20代、30代の若者たちが、50代、60代の職人から技を学ぶ一方、自らの創作バッグを世に送り出している。

2代目で60歳の猪瀬社長は「自分の代で店仕舞い」と考えていた。コンピュータ会社に勤めていた長男が4年前に継ぐ意思を示し、それなら若い職人を育てようということで心機一転、職人の卵の確保に乗り出した。小さい工房に若者がきてくれるのか。きても長続きするのか。確信があるわけではなかった。案ずるより産むがやすし「町工場なので給料は決して良いわけではない。若い人でも、ものづくりにこんなに意欲を持っているのか、と認識を改めた」。

若い世代は職人の技をただ継承するのではなく、そこに新しい技術を盛り込み、自らのポジションを創り出そうとしている。
 2006/12/27 09:39  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

男女別学は差別?
娘2人が通学した女子高校が共学化に向かっている。OBや父兄の唱導で反対運動が起こり、署名を頼まれたことがある。男子校・女子校の男女別学校が全国的に減少の方向にあるという。少子化で学校経営が難しくなり、やむを得ず共学化に踏み切るケースが多いようだが、一方で“差別”という視点から男女別学の廃止を主張するケースもある。

文部科学省は、男女の教育の機会均等は求めても、別学校の共学化まではさすがに唱えていない。埼玉県の男女別学公立高校の生徒達に共学化の是非をアンケートで調査したところ、男子高、女子高とも9割が共学化に反対という結果だった。生徒には母校の伝統に対する愛着もあるだろう。父兄の意識は生徒とは違い共学を肯定する意見が多くなるが、多数派は現状維持派だ。

別学のある小中学校によると、男女の成長過程の違いもあり、別学は精神的な落ち着きや学力向上に大きく寄与しているという。小学校・中学校・高校までは男子校・女子校ともに存在しているが、大学は女子大はあるが男子大は短大で1校のみ。海外では歴史ある男子大が存在する。女子大、あるいは海外の男子大を指して“差別”という声は上がっていないようだ。

共学、別学どちらが、より教育的な効果が高いという問題ではないと思うが、別学に対し差別ととらえ外部から圧力をかけるのは全く理解できない。とは言え、学校経営の立場から私学では別学校の共学化は進む。

女子は強くなり男子は弱くなったと言われる。女子高では力仕事も女子がしなければならず、その言葉通りの印象を受ける。一方、男子校は伝統を脈々と受け継ぎ頼もしくみえる。別学校も残ってほしいものだ。
 2006/12/20 11:02  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

12月8日に思う
12月8日は太平洋戦争の勃発した日。終戦記念日は戦没者追悼など様々な国民的な行事が行われるが、開戦を回顧することは少ない。若い世代では開戦記念日を「知らない」という人が多い。1941(昭和16)年12月8日、連合艦隊から発進した日本海軍航空隊がハワイ真珠湾の米軍基地を奇襲攻撃し、戦艦、航空機に大打撃を与えた。緒戦の勝利も束の間、翌年のミッドウェー海戦では空母4隻を失い、以後は一方的な戦闘が3年続いたわけだが、日本の敗北の要因を分析すると興味深いものがある。

文書作成に手間取るという、大使館の信じられない不手際で米国に最後通牒(つうちょう)を手渡すのが遅れ、結果として「だまし討ち」の形となり、そのことが米国民の戦意を高揚させた。緊張を弛緩させた時、大事件は起きるものだ。

日本の暗号は米国に解読されていた。情報戦にまず敗れていた。日本は米国の物量に負けた、とよく言われるが、ミッドウェー海戦の時は日本軍が質量ともに米軍を凌駕(りょうが)していた。相次ぐ戦勝のおごりから、万全を期すべく情報秘匿に綻びが出ていた。

日露戦争は、政治家も軍人も民間人も細心の思いで戦争に臨んだ。20世紀初頭までの日本と、それ以降、世界の軍事強国となった日本とでは全く別の国にみえる。

会社も同じかもしれない。小規模の時は細かいところまで注意を払っていたのに、成長を遂げた後は創業のころの社風を失い、「夜郎自大」となり自滅ていく。日本人は12月8日の意味をこれからも問い続けていかなければならないと思う。

 2006/12/13 10:12  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

蔓延する悪質商法
高齢者を狙った悪質なクレジット商法が頻発している。住宅リフォーム、ふとんや呉服などを不当に高い価格で販売し、クレジット等で支払わせる悪質商法の蔓延は、真面目な業者の信用を失わせ、消費者の生活を破壊する。断固として排除しなければならない。日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会が11月に実施した「クレジット・ローンなんでも相談110番」には2日間で168件の相談が寄せられた。事例をみると悪徳商法のネタはつきないものだとつくづく思う。

「買わなくていいから」と誘われた宝石の展示会で4、5人の販売員に囲まれ、240万円の宝石を妹名義のクレジットで購入を強いられた身体障害者、82歳のタバコ店経営の男性に6年間、150万円の契約を結ばせた自販機リース業者、70代男性に不利な条件で再契約させた冠婚葬祭互助会、最近は高齢者や社会的な弱者が悪徳業者の格好の餌食となっている。

販売方法別では訪問販売が最も多く、次いで店舗、ネット。被害額では50万円以下が4割、50万円以上が6割。1000万円以上も11件ある。もちろん、このうち全てが違法業者というわけではないが、消費者側のスキをつき、あらかじめ都合の悪い契約条項を知らせないで、とにかく契約に持ち込む、という手法は許せるものではない。納得のいかない契約はしない、という消費者側の姿勢はもちろん必要だが、弱みにつけ込み高齢者を狙う悪質な勧誘に対しては社会の監視の目をゆるめてはならない。


東京本社統括 古橋温夫

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 2006/12/06 14:46  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

プロフィール
古橋 温夫(ふるはし はるお)
日本繊維新聞社社長
「日本繊維新聞」は1943(昭和18)年に創刊された、繊維・ファッション業界で唯一、日本新聞協会に加盟する日刊総合専門紙です。繊維・ファッション産業の明日を見定めた情報を的確かつ大胆に発信していきます。
http://www.nissenmedia.com/

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