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タキシード着用で…
パーティーのお誘いをいただいて、出席の返事を出したところ、タキシード着用で、と言われた。かつては平服(スーツ)で通用したのに、昨今は規制(マナー)が厳しくなってきた。フォーマルウエア協会の「フォーマルウエア・ルールブック」の夜の礼装を参照すると、男性の正礼装は燕尾服かタキシード、準礼装はファンシータキシード、ファンシースーツとある。

正礼装は全体を白と黒でまとめるのが基本。準礼装の“ファンシー”とは「黒やミッドナイトブルー以外の色、柄、素材のタキシード」。ダークスーツの略礼装というのもあるが、平服ではなくあくまでシャツ、ベスト、ネクタイでフォーマルな装いを演出するのが礼儀だ。

にわか知識を詰め込んで衣装店に駈け込んでみたが、最近は販売スタッフも手馴れたもの。商品バリエーションも多いので、すぐワンセットを揃えることができた。男性のベストフォーマリスト賞に選ばれたエッセイストのパンツェッタ・ジローラモによると、自身おしゃれが好きで、パーティーの雰囲気や気分によって自由自在にコーディネートを楽しんでいるという。このへんの感覚は日本男性にはない。

日本フォーマルウエア協会の発行するルールブックは現在まで38万冊を販売したベストセラーである。またフォーマルスペシャリスト養成講座のライセンス取得者は1万6000人以上に上る。この数字を見る限り、フォーマルは日本ではまだ未成熟で可能性を秘めた市場と言えるのかもしれない。


東京本社統括 古橋温夫

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 2006/11/29 09:46  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

近くて遠い国
日本は5.8分、中国は0.0012秒。1人平均TVアニメ視聴時間だ。
中国の年間アニメ制作量は日本の1%という。となると魅力的な市場に映るが、海外アニメにとっては大きな壁が立ちはだかっている。

15日東京で開催された香港貿易発展局主催「デジタルコンテンツ交流セミナー」で、香港の大手漫画出版社「ジェイド・ダイナスティ」のアイバン・トン会長は中国市場における膨大なアニメ需要と商品化の可能性を強調した。同社は中国唯一の全国ネット中央電視台(CCTV)と提携し、同社のアニメ放映と商品化のビジネスを開始することになっている。

同氏によると、中国ではアニメ需要の15%程度の制作能力しかないが、法規制により海外アニメが参入するのは容易ではない。幾つかの厳しい条件をクリアしなければならない。マンガ・アニメ大国ニッポンだが、中国市場への参入は難しい。中国の文字、ストーリー、画像、表現様式、習慣・風俗、精神など「6つの中国」を盛り込み、幾つかの審査を経て、最終的に放送枠を取るということになるわけだが、「申請か18カ月から24カ月でOKが出れば幸運だ」という。

日本の人気マンガの商標が現地で商品化されていて、本家が進出したら訴えられたというケースがあった。海賊版の取り締まりは強化しているが、日本の人気アニメを商標登録し商品化するケースは少なくない。中国はまだ近くて遠い国だ。
 2006/11/22 10:32  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

宇宙旅行の方が現実的
宇宙旅行を旅行会社が扱う時代になった。試しにJTBのホームページをのぞいてみたら、月旅行は1人約120億円、地球の軌道を周る国際宇宙ステーション1週間滞在が24億円という料金。弾道飛行となるとぐんと“現実的”な料金設定となるが、それでも1224万円。HPからそれぞれ一般のツアーのように申し込める。

宇宙旅行の商業化に伴い、宇宙服のデザインにも思いをめぐらせる時代になった。11月2日に行われた「スペース・クチュール・コンテスト」はしゃれた宇宙船の機内服を公募したもの。宇宙旅行と言っても、実際には夢の方に近かったが、最近は現実感が出てきた審査委員長を務めたデザイナーの松居エリさんは「宇宙服にもファッションを必要とする時代になった、というのが現実なんです」という。

もっと現実的なはずなのに、実際にはピンとこないことの1つに昨今の景気拡大がある。内閣府の発表によると景気拡大期が11月で58カ月となり過去最長の「いざなぎ景気」(65−70年)を超えるのは確実という。景気拡大は5年近く続いたことになるが、多くの中小企業や庶民にとっては実感がわかない。〈現実〉は1つではなく、受け止める人それぞれによって違うもののようだ。 


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 2006/11/15 19:22  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

日本人には作れない雰囲気
こういう雰囲気になると、ちょっと違うなと思ってしまう。伊勢丹の創業120周年イベント「フランス展」(8−13日)で展示する、仏の若手デザイナー12人の作品が7日夜、仏大使館で披露された。いずれもマリー・アントワネットの衣装をデザイナーが独自に解釈し再制作しもので、華麗なマリー・アントワネットのモードの世界を現代に再現した作品だ。

外人モデル12人が作品を着用し登場し、円卓のディナーテーブルを囲む。その周囲にわれわれ関係者やプレスが立ち並び見学するというへんなシチュエーションなのだが、円卓を取り囲んだ12人の空間は仏大使館の雰囲気に自然に溶け込み様になっているのだ。カッコの良い日本人モデルでも、こうは決まらない。

体形やルックスのせいではなく、文化・伝統の違いなのだから仕方がない。畳にきものなら外人には合わない。洋装で海外に伍して戦っていくのは容易なことではない。


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 2006/11/08 21:51  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

田中千代さん
手元に使い込んでくたびれてきた服飾辞典がある。「田中千代服飾辞典」。いろいろ読み比べてみて、いちばん使いやすく読みやすい。服飾デザイナーの草分けの1人、故田中千代さんの功績の一つに、桂由美さんはこの辞典を編纂し世に出してことをあげる。69年に初版を出して以来、増補・改定を重ね、学生や企業の必携本となっている。「わからないことがあると今でも頁を開く。これ一冊でどれだけ助かったか。正しいファッション知識を普及した功績は大きい」。

田中さんの生誕100周年を記念する会が、東京・渋谷に完成した田中千代学園新校舎で先日行われた。田中さんは1906年、外交官で後に外務大臣まで務めた男爵松井慶四郎(当時パリ駐在員)、照子夫婦の4人兄弟の長女として東京に生まれた。ちなみに弟はパリで、妹はワシントンで生まれている。

結婚後、経済地理学者の夫のヨーロッパ留学に同行し、足掛け4年の滞在期間中にロンドンの洋裁教室に通う。こうした生い立ちが田中さんの感性的な面はもちろん、人柄や行動力に影響を及ぼしているのは間違いない。

田中さんの業績をこの紙幅で語ることはできないが、デザイナー、教育者、文化人として戦後の歩みはそのままファッション史に重なる。偉大な先達が今日の業界の礎を作ったことを忘れてはなるまい。田中さんは99年に亡くなるまで現役を貫いたが、過去を誇ることもなく、気さくで親しみやすかった田中さんを慕う人は多い。


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 2006/11/01 09:56  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

プロフィール
古橋 温夫(ふるはし はるお)
日本繊維新聞社社長
「日本繊維新聞」は1943(昭和18)年に創刊された、繊維・ファッション業界で唯一、日本新聞協会に加盟する日刊総合専門紙です。繊維・ファッション産業の明日を見定めた情報を的確かつ大胆に発信していきます。
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