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複雑骨折でも舞台に
自分とは全く違う世界の人の話しを聞くのは楽しいし、勉強になる。

6代目尾上菊五郎(おのえ・きくごろう)は大正・昭和に活躍した大正・昭和時代に活躍した歌舞伎俳優。初代中村吉右衛門とともに「菊吉時代」を築いた名優で、死去4カ月後の1949年11月、歌舞伎界で初めて文化勲章を受章している。6代目菊五郎の最後の内弟子が尾上菊十郎(きくじゅうろう)さんだ。名脇役兼立師として現在の歌舞伎界を支えている1人だ。アパレルのワイエムファッション研究所が主催する“YMフォーラム”でゲストとして招かれた菊十郎さんの話しを聞いた。

菊十郎さんの初舞台は48年。まだ小学校に入学する前である。紹介者の伝手で菊五郎に会い、面と向かって「あなたの弟子になりたい」と頼んだ。
まだ5−6歳の子供である。昔は子供もしっかりしていたものだ。

舞台に出るようになって、脇役でも競争は激しい。「ケガをしたなんて言えない。役がつかなくなる」。菊十郎さんは足の複雑骨折を隠して舞台を務めたことがあるという。舞台にかけるすさまじい執念。ライバル意識。そんな中から芸が磨かれていく。

最近は立師としても才能を発揮している。菊十郎さんが演出した舞台は、いずれも日本的な美にあふれ観客を圧倒する。「とんぼ」は“返る”、「見得(みえ)」は“はる”。ともに“切る”とつなげる人が少なくないが間違い。江戸時代の籠かきの杖は竹。節の中に塩を含んだワラを仕込み、ワラをかじって塩分を補給した。遠い世界と思っていた歌舞伎を身近に感じるとともに、自分の知識が豊かになった気がした。
            
東京本社統括 古橋温夫

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 2006/05/17 10:02  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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プロフィール
古橋 温夫(ふるはし はるお)
日本繊維新聞社社長
「日本繊維新聞」は1943(昭和18)年に創刊された、繊維・ファッション業界で唯一、日本新聞協会に加盟する日刊総合専門紙です。繊維・ファッション産業の明日を見定めた情報を的確かつ大胆に発信していきます。
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