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企業の不祥事に思う
「食品は賞味期限、消費期限があるからたいへんだ」「食品事故は直接健康に影響するけれど、衣料品は不良品だからといって死ぬことはないし……」

あるアパレル関係者の雑談。不二家の不祥事は社長の辞意に発展し、さらに企業の存続が問われる事態になっている。雪印乳業のケースにみるように、食品企業が安全管理を怠り、そのことを隠蔽したことが発覚した場合、消費者の信頼を全面的に失い致命的なダメージを負う。

それにしても、大企業の不祥事が目立つ。銀行・証券、家電、自動車といった日本の産業を支えてきた業種で不祥事が相次いでいる。利潤追求、厳しい競争原理の中で、企業モラルは二の次にされているということなのか。

それに対してアパレルは気楽だ、というへんな慰めの会話だが、果たしてそうか。衣料品だって、不良品を承知で販売すれば信頼を失うことに変わりはない。不良品を手にした消費者は当該商品のブランドを2度と購入しないだろう。販売した店も同罪に見られる。また他社の模倣品の販売も企業の緩慢な死を招く。失った信頼を取り戻すためには、膨大な努力が求め
られるが、努力を重ねても取り戻せないかもしれない。

アパレルは欧米の物真似をしていると言われた時代もあったが、今や1つの極を構成し欧米に対抗するまでに成長した。不良品や模倣品は、長年の信用をあっという間に突き崩してしまう。他業種の企業の不祥事を見るにつけ、ファッション産業の健全な発展を願う気持ちが強くなる。
 2007/01/17 19:03  この記事のURL  /  コメント(0)  / トラックバック(0)

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古橋 温夫(ふるはし はるお)
日本繊維新聞社社長
「日本繊維新聞」は1943(昭和18)年に創刊された、繊維・ファッション業界で唯一、日本新聞協会に加盟する日刊総合専門紙です。繊維・ファッション産業の明日を見定めた情報を的確かつ大胆に発信していきます。
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