こいつぁ春から、縁起がいいねぇ
正月の過ごし方は数あれども、わたしは毎年、芝居見物です。お屠蘇気分で芝居小屋に足を運び、役者の口跡や義太夫に聞きほれる。「こいつぁ、春から縁起がいいねぇ」というわけです。

ということで、今年も行ってきました、道頓堀は松竹座へ(写真)。藤十郎と我當の「沼津」、三津五郎の「芋掘長者」、扇雀の「葛の葉子別れ」を堪能。とくに「沼津」は、藤十郎と我當という関西弁をきちんとしゃべる役者同士の競演で、前半部分のアドリブ芝居(歌舞伎用語で「口立て」という)は面白さ無類。呉服屋十兵衛、荷持ち人足・平作の役は、初代鴈治郎と十一代目仁左衛門、二代目鴈治郎と十三代目仁左衛門でそれぞれ伝説の舞台を残している。後半部分は、義太夫狂言らしく、ホロリとさせる内容で藤十郎、我當、秀太郎の糸に乗った動きはさすが。
「芋掘長者」では三津五郎の踊りの上手さに舌を巻く。もともとこの狂言は、踊りをわざと下手に踊るという皮肉な内容だが、きちんと一拍遅れで振るところ、さすがだ。そして見せ場の芋掘りの振りは、格の違いを見せつけた。あれだけ腰の据わった、姿のいい踊りは、そうそうない。
「葛の葉子別れ」はケレン味たっぷり。最後には宙乗りまで飛び出す。けれども、やっぱり見所は障子に「恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」と右手、左手、そして口に咥えた筆で曲書きするところだろう。
と、ここまで読んで「やっぱりお前は、繊維に何の関係もないことを書いている」とお叱りを受けるのだが、いえいえ、そんなことはありません。松竹座の緞帳は有職文様(平安時代の公卿の衣に使われた柄)をモチーフにしたものだが、製作は、やはり川島織物(現川島織物セルコン)。これも見事な逸品である。(M.U)

ということで、今年も行ってきました、道頓堀は松竹座へ(写真)。藤十郎と我當の「沼津」、三津五郎の「芋掘長者」、扇雀の「葛の葉子別れ」を堪能。とくに「沼津」は、藤十郎と我當という関西弁をきちんとしゃべる役者同士の競演で、前半部分のアドリブ芝居(歌舞伎用語で「口立て」という)は面白さ無類。呉服屋十兵衛、荷持ち人足・平作の役は、初代鴈治郎と十一代目仁左衛門、二代目鴈治郎と十三代目仁左衛門でそれぞれ伝説の舞台を残している。後半部分は、義太夫狂言らしく、ホロリとさせる内容で藤十郎、我當、秀太郎の糸に乗った動きはさすが。「芋掘長者」では三津五郎の踊りの上手さに舌を巻く。もともとこの狂言は、踊りをわざと下手に踊るという皮肉な内容だが、きちんと一拍遅れで振るところ、さすがだ。そして見せ場の芋掘りの振りは、格の違いを見せつけた。あれだけ腰の据わった、姿のいい踊りは、そうそうない。
「葛の葉子別れ」はケレン味たっぷり。最後には宙乗りまで飛び出す。けれども、やっぱり見所は障子に「恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」と右手、左手、そして口に咥えた筆で曲書きするところだろう。
と、ここまで読んで「やっぱりお前は、繊維に何の関係もないことを書いている」とお叱りを受けるのだが、いえいえ、そんなことはありません。松竹座の緞帳は有職文様(平安時代の公卿の衣に使われた柄)をモチーフにしたものだが、製作は、やはり川島織物(現川島織物セルコン)。これも見事な逸品である。(M.U)
2008年01月07日(月)
08:08
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