

工房絵は「知的障碍者授産施設」です。授産施設と言う言葉は聞き慣れないかも知れませんが、「知的障碍者福祉法」という法律に基づいて知的障害者で職業に就く事が難しい人たちに働く場を提供したり働くための援助を行って、一人の人としての豊かな自立生活が実現できるようなサポートを提供する事を目的とした施設です。
工房絵には数十名のアーティストが通っていて、日々すばらしいアートが生み出されています。川村紀子さん、山本頼子さん、伊賀高史さんなどの代表的なアーティストが所属していて、これまでも企業への作品の提供や海外の美術館での展示などで対外的に高い評価を得ています。アートとしてのすばらしさは作品を一目見て頂ければお分かり頂けると思います。
アパレルウェブと
工房絵との出会いは、知人から紹介されたあるNPOの代表を介してありました。
彼は本業のITベンチャーの管理職という立場の傍らプライベートで
工房絵のサポートに関わっていて、音楽イベントとのコラボやアーティストの絵の製品化などを行っていましたが、個人としての支援に限界を感じていると言う事で相談を受けました。



従来、授産施設の運営は公の助成金による所が大きかったのですが、その助成金は年々減額されています。それは、自らの運営資金を施設が主体的に得る様に、と言う事なのでしょうが、実際は色々難しい問題が有るのはご想像頂けると思います。工房絵の持つすばらしい「絵」を社会に評価して貰い、そこから対価を得る「しくみ」を作る事が必要だったのです。
アパレルウェブは「工房絵」を1ブランドとしてライセンス化したいと思ったのですが、絵画のライセンス、しかも複数アーティストの作品を一括してブランド化する事には数々の課題が有ります。例えば、著作権はどこにあるのかも大きな問題でした。描いたアーティスト本人?親権者?後見人?または所属施設?そう言った例は余り類を見なかったためいきなり壁に突き当たりってしまいました。
幸い海外ではこう言った「エイブルアート(知的障碍者のアートをこう言います)」のライセンス化の事例が有り、アメリカでのライセンス契約に詳しい弁護士の方に契約の取りまとめをして頂きました。
これまでに数社のご理解を得てライセンス化を行っていますが、今年度日本を代表とするデザイナーの川久保玲さんのコム・デ・ギャルソンさんが
工房絵を取り上げて下さいました。青山本店の入口近くに飾られたコットンの「超」大判のスカーフを見た時のうれしさは格別でした。
「僕たちは所得税を払うのが夢なんだ」と言う彼等の意志を尊重し、長い目でサポートしていきたいブランドなんです。