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<<日経新聞 2005年2月3日>> 不当返品「ある」半数 公取委調査 公正取引委員会は二日、百貨店やスーパーなどと取引をしている納入業者のうち、半数が不当な返品を受けたことがあるなどとした報告書をまとめた。不当に従業員の派遣を要請されたり、協賛金を求められたりする例も多い。公取委は大規模小売店の業界団体に対して、こうした独占禁止法違反行為をなくすよう改善を求める。中略。 一方、大規模小売業者はすべてが「正常な取引をしている」と答えており、納入業者と小売店で取引についての認識のズレがある。公取委は調査結果を受け、協会などに加盟企業に独禁法を順守するよう指導するよう要請する。 この記事の一番の問題は小売店側の認識です。量販のトップは自社の社員が健全な仕入れ行為をしていると勘違いしているところです。ある量販に至っては、うちは完全な発注行為を行っていると明言しており、全く企業としてのコンプライアンスはどこにあるのかと疑問を持たざるを得ません。 上記の問題は、このアパレル流通にはびこる旧態依然とした取引習慣に問題があります。私の経験則からすると、百貨店で買取りの仕入れをすることは無く、委託仕入れや、消化仕入れを前提にした商売なので、根は深くないと思っています。量販(スーパー)は表向き買取り仕入れを前提としていて、計画数なるものが出て、ここまでは買取るとの口約束があって、業者に生産委託(OEM)を行います。ところが結局のところ店で仕入れたものだけが買取りで、それ以外は知らないよ、との結果に陥るのが常です。 そこで、アパレルはどうせ残されるのなら数はこれだけ抑えよう、と数量を警戒して生産枚数を控えるため、売れてしまった時などは欠品をおこしペナルティの目玉を喰らう。 あるいは、本来消費者が手にするのは、適正なコストで適正な納品をされた商品であるべきですが、そういった常識からかけ離れたところで理不尽なコストが上積みされ、最終的にそのコストをかぶるのは消費者なわけです。でも消費者は利口だから、そんな商品は買わない。つまり売れ行き不振が続く循環を作ります。これが今の量販店の衣料部門の循環です。 また量販の販管費は年々あがる一方で、躍進を続ける『しまむら』のような業態と比較すると倍のコストがかかっています。つまり販管費はどんなに頑張ってもロードサイドのような業態にはかなう訳ないんです。そうだとすれば量販は企画で勝負をしていかなければならないはずなのに、そこにはセンスの欠けらもないバイヤーが多くいて(仕入れセンスや自分の服装のセンス)、自社のバイングポリシーやマーケティングも業者に提示できず、納入業者の限られた情報を頼りにセレクトするだけが実態な訳です。それは、正しくはバイヤーではなくショッパーです。競合他社の調査ではなく、ファッションマーケットに 自ら月に1度でも2度でも赴いて、肌でその感覚を吸収するような努力をしている人が何人いるでしょう? もっと根深い問題も有ります。バイヤーが割戻しと言う名目で来期の見込み取引金額の数%を仕入れ業者から借りたりするようなバイヤー金融業(注:バイヤーが利益を捻出する為に、仕入れ業者から金を借りる行為)をする人もいます。事実このスーパーは末期的な状況を呈しているのです。。。(これは偏見かも知れませんが、だいたいこういう行為を 平気で出来るタイプは幼少期いじめられっ子タイプです。権力を持ったとたんに男気を 持って勇ましく交渉します。) 今は本当に量販のこういった歪んだ仕入れ習慣を考えるべき時にきていると思います。真摯な気持ちでこれらの問題を考え直さないと量販店の売り場からは肌着を除いた衣料は全て無くなると思います。事実『しまむら』をはじめ利益を出している紳士服チェーンやカジュアルチェーン、他専門店などの納入業者からは、こういった不平、不満の声はほとんど聞きません。 ここでお話ししているのはあくまでも総論です。そんな中にも私が尊敬する量販店のバイヤーの方たちが何人かいて、こういった方たちには知恵や責任感があり、随分仕事を教えられたもので、今でもその人達への尊敬や感謝の気持ちを持ち続けています。拙文が全てのバイヤーや量販店を批判しているのでは無いと言う点を重々ご理解下さい。 前回、狂った商習慣の中で、こういった問題が潜在的に眠っているので、アパレルは自らのMDを強化すべく強いブランド力やIT活用、新チャネルの拡大などに業者は目を向けなければならないと言う提案をしました。 アパレルが自社のブランド力を持ち、流通が自社のマーケティングを行ってこそお互いがパートナーシップを組めるはずなのですが、今は「お上」に上納する「下部」的な力関係に支配されている事がそもそもの間違いの元で、ますます脱OEM宣言で私の信念を多くの業界関係者の方々に訴えていく必要性があると思う次第です。 |




